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ベタベタな少女漫画シチュエーションに胸焼けする「ずっと前から好きでした。~告白実行委員会~」レビュー

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評価★☆☆☆☆(13点)全62分

あらすじ 桜丘高校3年の榎本夏樹は、幼なじみの瀬戸口優に片思い中。
けれど、素直になれず、優を告白の“練習”相手だと言ってしまう。引用 – Wikipedia


ベタベタな少女漫画シチュエーションに胸焼けする

原作はニコニコ動画に投稿されているボーカロイド楽曲、
HoneyWorkというユニットが行っており、様々な媒体でメディアミックスされている。
監督は柳沢テツヤ、制作はQualia Animation。
映画作品だが上映時間は62分と短め。

見出して感じるのは「少女漫画」のようなキャラクターデザインだ。
女性キャラや男性キャラのデザインの特徴がいかにもな感じであり、
中高生くらいの女の子なら好きそうだなと感じるデザインだが、
それと同時に20代以降の男子には拒否感が生まれそうなデザインでも有る。

それはデザインだけではない。
あからさまに狙った男性キャラのアングルや、多用される顔のアップなど
少女漫画的ヒーローのベタベタな魅せ方が、
ベタベタに取り込まれており、それを何度も見せられる。・

10代の少女ならイケメンキャラのイケメンボイスによる
イケメンシチューエーションだけで楽しむことができるかもしれないが、
60分という尺の中にそれが何度もあるためイケメンで胸焼けしてしまう。

更に60分しかないのにキャラが多すぎる。
投稿されている動画やメディアミックスされている作品を見ていれば、
すんなり物語に入り込めるかもしれないが、
色々なタイプのイケメンとヒロインが60分という尺の中に
かなり多く出てくるため、視点がブレる。

いわゆる初見サンお断りな状況だ。
どのキャラがどのキャラを好きでという人間関係を把握するのが大変で、
これで2時間位の尺が有るならば序盤で人間関係をしっかり描いた後に
ストーリーに入り込めるが、60分という尺では
人間関係のは把握だけで終わってしまうような感覚だ

多くいるキャラの殆どが誰かに恋してる状況であり、
それを60分という尺で描こうとするにはやや無理がある。
もう少しキャラを絞って描かないとキャラの把握すらままらなく、
見終わった跡に思い返すと「結局あのキャラは何だったんだ?」と
なってしまうキャラクターも多い。

きちんとメインで描かれるキャラは二人いる。
映画冒頭でヒロインが告白するが恥ずかしさにあまり
「告白の練習」ということにしてしまう。
告白された方もあからさまにヒロインのことが好きなのだが、
練習と言われた手前、有耶無耶な感じになってしまい、
以前の仲のいい友人関係が持続しているという感じだ。

そんな中で恋愛の駆け引きを魅せられる。
「私に彼氏ができたらどうする?」など、
なんというか脚本家のセリフの引き出しに何も入ってないんじゃないかと思うほど、
私でも5秒で思いつきそうなベタベタな恋愛の駆け引き的セリフが飛び交い、
そんな彼女の恋愛の駆け引きに男性キャラが付き合わされ、
好きなのにヒロインを応援してしまう苦悩も描かれる。

正直に行ってしまうと面倒くさいキャラばかりだ。
高校生という年齢だからこそ素直になれない青春恋愛模様と言う感じなのは分かるが、
10代前半の女の子ならばこの青春恋愛模様に共感し
面白いと感じられるかもしれないが、
20代以降の酸いも甘いも経験した大人ならば
「この恋愛模様めんどくせぇ・・・」と思わず思ってしまうほどのメンドクサさだ。

更に中盤でいきなり曲が流れる。
原作がボーカロイド楽曲だからこその曲なのかもしれないが、
その曲が流れてる間もダイジェストで面倒くさい恋愛模様が描かれる。
何度も何度も本命のキャラに向かって告白するヒロインの模様も描かれるのだが、
それが特に面白くもない。

その割には本命のキャラ以外の男子とライブに2人で行ったりもする。
もう、あからさまにその先のストーリーが予測できてしまい、
予想通りのストーリー展開になるため、メインヒロインに一切の好感が持てない。
私のために喧嘩しないで状態は女子のあこがれシチュエーションなのかもしれないが、
原因があからさまにヒロインにあるので何の同情もできない。

サブキャラの恋愛模様は雑だ。
ほとんど喋ったことがない男子の告白を受けてOKしちゃう女子という
学生ならではの彼氏彼女の関係なのかもしれないが、
それをどういう感情で見れば良いのかわからない(苦笑)

全体的に見て10代前半の女子以外はお断りな作品だ。
めんどくさすぎる恋愛の駆け引き、少女漫画的ベタベタなイケメン描写、
ヒロインの行動や言動などとてもじゃないが20代以降の、特に男性が見ても
共感することは不可能であり逆に「うわぁ・・・」という
ような感情が浮かび上がってくるばかりだろう。

ちょっと言葉としては死後だが、
「スイーツ(笑)」な感じといえば物凄く分かりやすい。
恋空のような携帯小説のような感じの恋愛模様は
若い世代にはストレートに受けるかもしれないが、
流石にある程度以上の音異例になってしまうと受け入れがたい感覚が強まってしまう

個人的には付き合ったあとも、
このヒロインはスグ浮気するだろうなと思ってしまった
好きでもない男と二人きりでライブ行ったり、
抱きしめられてすぐ拒絶せずに顔を赤くてたり、ミーハーな感じだったり(苦笑)
現実に同じ性格の女性が入れば間違いなくすぐ浮気する。

おそらく私の年齢があと10・・・いや15くらい若ければ
素直に楽しめたかもしれないが、
この作品は色々な意味できつかった(苦笑)

投稿されている動画やHoneyWorksというユニットのファンの方ならば
楽しめるかもしれないが、それ以外の人は楽しめない作品だろう。
これがOVAならばもう少し評価は違ったかもしれないが、
わざわざ劇場アニメと言う媒体にしたのがよくわからない作品だった。

ただ1100円で見られたり若者世代へのターゲット広告を出したりと、
プロデュースや宣伝自体はうまかったようだ。
情報によるとデートムービーとして受け入れられたと書いてあったが、
付き合わされた彼氏にはお疲れ様と言わざる得ない・・・(苦笑)

「」は面白い?つまらない?

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