「デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」レビュー

4.0
映画
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評価 ★★★★☆(70点) 全40分
https://youtube.com/watch?v=T1aWzeEylK

あらすじ デジタルワールドから子供達が帰ってきて数か月経った2000年の春休み。引用- Wikipedia

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これは”ぼくら”の戦いだ!

本作品はデジモンアドベンチャーの劇場版。
1作品目は前日譚だったが、2作品目は後日譚となっている。
監督は1作目と同様に細田守、制作は東映アニメーション

ボレロ

冒頭からいきなりアノ曲が流れる。「ボレロ」だ。
前日譚で流れていたあの曲、あの曲を後日譚の冒頭に持ってくる
にくい演出に、思わずニヤリとさせられる。

だが、ボレロが流れるのは一瞬だ。そう、この作品は前日譚ではなく
後日譚だ。ボレロという前日譚を経て、Butterflyという本編を経た
彼等の後日譚。彼等はデジタルワールドを旅し成長した子どもたちだ。

少しだけ大人になった彼等は恋愛に悩んでいたり、
友達の誕生日会に行ったり、進路を決めるテストを受けていたり、
田舎でゆっくり過ごしていたり。
あの冒険の日々が嘘だったかのように現実世界での日々を楽しんでいる。

そんな中で現れるのは「デジモン」だ。
コンピューターの中に存在するバグ、
そんなバグが集まって生まれたデジモンが彼らの前に現れる。
貪欲な食欲と進化の速度は驚異的であり、
デジタルの存在でありながら現実世界へと侵食し始めている。

デジモンの存在を知っている選ばれし子供たち。
そんな彼等が現実世界でデジモンに挑むのがこの作品の特徴だ。
前日譚では見ていることしかできなかった、だが、
後日譚は違う。彼等には「パートナー」がいる。

パートナー

選ばれし子供たちはデジタルワールドに行くことはできない。
彼等がデジタルワールドを救ったように、
今度はデジモンたちが彼等の世界のネットを救おうとしてくれる。
世界は違う、だが、繋がりは消えていない。

長い冒険のはてに得た信頼関係は変わらない。
そんな彼等とともにネット上に生まれたバグに挑むものの、
選ばれし子供は全員揃わない。
これは尺の都合上ではあるものの、特に「ミミ」の出番はほとんどないのは
残念であり、できれば全員の活躍を見たかったと感じてしまう点だ。

太一、光子郎、ヤマト、タケルの4人がメインとなっており、
他のキャラがあまり出ないという不満点はあるもの、
登場人物を絞ったからこそしっかりと彼等の活躍を描きつつ、
恋や進路に悩む彼等をさり気なくえがいている。

電脳世界

今作の舞台は現実世界でもデジタルワールドでもない。
ネット上の電脳空間だ。そんな「電脳空間」のみせ方は流石、
細田守監督だ。2000年という時代に、
「攻殻機動隊」とはまた違った電脳空間の描き方をしている。

ビビットで極端な色彩の中で天井も地上も関係なく
縦横無尽に動き回る敵相手に自由に戦うシーンは見ている側に予想をさせない。
「進化中の攻撃」というある意味でご法度ともいえる手法を
平気で使ってくる相手に彼等は苦戦をしてしまう。

この作品で描かれることは「繋がり」だ。
インターネットというものの肯定的に、
インターネットという新技術に希望を見出していた時代だからこその、
「可能性」というものをこの作品は描いていると言っても良い。

電話もネットもまともに使えなくなる中での連絡手段や、
「島根」という田舎でパソコンを求めて奔走する姿、
世界中をバグが侵食する中でギャグ要素もきちんと入れ込むことで
クスクスと笑いながら彼等の戦いの行く末を見ていられる。

その行く末を見ているのは私達だけではない。
「世界中」の子どもたちが彼等の戦いを見つめている

繋がり

かつてのように選ばれし子供たちと同じ場所にデジモンは居ない。
世界の隔たりがあり、太一達とヤマトたちも東京と島根と場所も違う。
世界もいる場所も彼等はバラバラだ。
上手く戦うこともできない。

大人たちはこの状況を知りもしない、知り得ない。
かつての幼い頃の太一がコロモンの戦いを
ただ見つめることしかできなかったように、
大人たちはこの状況を傍観することしかできない。

だが、そんな彼等を世界中の子供達が見つめている。
世界中の子供達は知っている。
デジモンの存在を、無限に増え続けるバグの存在を、
闘っている自分と同じ子供の存在を。

そんな彼等との繋がり、インターネットという存在が奇跡を生む。
世界の隔たりなんて関係ない、場所なんて関係ない、
人と人の「繋がり」が生んだ奇跡の存在を生み出す。

人同士が心の底から繋がり、生まれたからこそ合体し生まれたオメガモン、
たった40分の子どもたちだけの世界を救う戦い。
みんなの思いが、みんなのメールが世界を救う。

40分という尺の中でインターネットという新しい技術の可能性と、
そこから生まれる人のつながりの強さを描いた作品と言っても
良いかもしれない作品だ。

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総評:明るい未来のインターネット

全体的に見て40分という尺の中で映画として飲みごたえがしっかりと
作られている作品だ。どんどんと強くなる敵、
そんな敵に対し足掻こうとする選ばれし子供たち。
インターネットという当時はまだ一般的には浸透しきっていなかったものを
「肯定的」に描き、様々なつながりを描き、そのつながりが世界を救う。

ストーリー的には綺麗にまとまっているものの、
後日譚としては40分という尺ゆえに一部のキャラの出番が削られているのは
ややきになる所ではあるものの、世界の危機というシリアスな状況にも
関わらずつねにギャグを入れることで緊張と緩和を見事に使い分け、
40分なのにまるで2時間の映画を見たような濃厚な後味がある作品だ。

欠点を言うならば後日譚であるがゆえに本編を見ていないと
キャラクター同士の関係性やストーリーの流れがわからないため、
前日譚の映画と比べるとやや評価を下げてしまう部分はあるものの、
40分という尺でキレイに後日譚をえがいている作品だ。

個人的な感想:思い出深い

これを見てると子供の頃の記憶が鮮明に蘇ってくる。
あのころ、TVの前でデジモンを毎週楽しみにしていた自分、
たまごっちではなくデジモンを買い、一生懸命育てていた自分。
そんなノスタルジックな気分になってしまう。

今見返しても見劣りする部分はまるでなく濃厚な40分だ。
いつ見ても、オメガモンはかっきょく、
いつ見ても、ディアボロモンは怖い。
子供も大人も手に汗握れるデジモン映画だ。

「」おもしろい?つまらない?


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