「劇場版 誰ガ為のアルケミスト」レビュー

スポンサーリンク
映画
スポンサーリンク

評価 ★☆☆☆☆(19点) 全118分

あらすじ 引っ込み思案な女子高生カスミは、登校中にふとしたことからバベル大陸に召喚されてしまう引用- Wikipedia

スポンサーリンク

ソシャゲアニメ?いいやアクエリオンだ!?

原作はソーシャルゲームな本作品。
ソシャゲ原作アニメとしてはTVアニメやネット配信ではなく、
初アニメ化でいきなり劇場アニメというかなりのギャンブルをしている。
総監督はマクロス、アクエリオンシリーズでおなじみの河森正治。
製作はサテライト。

お、わからんぞ


画像引用元:映画『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』予告編より
©2019 FgG・gumi / Shoji Kawamori, Satelight

始まってそうそう世界観の説明をされる。

「これは悠久の時代から続く人の意思の物語、
バベル大陸、この地に生きる全てのものの中に存在する力の根源アルケミー
人は自然の摂理に乗っ取りアルケミーに働きかける魔法を
人工的に術式を組み上げる魔導を得た。更に人はアルケミーを用いて
自然に万物に働きかける錬金術、アルケミスト」

と長々と説明される。物語の中で自然に説明するのではなく、
冒頭で世界観を横文字全開で語られても頭に入ってこず、
とりあえず錬金術が禁忌なんだな!ということをふわっと理解できるのみだ。
限られた映画という尺の中で冒頭の2分半、世界観の説明で使ってしまっている。

作画


画像引用元:映画『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』予告編より
©2019 FgG・gumi / Shoji Kawamori, Satelight

監督が河森正治、製作がサテライトということもあって
「CG」のクォリティはかなり高い。
敵モンスター的な存在は3DCGで描かれているのだが、
人物の作画とのギャップがすごすぎて違和感を生んでいるほどだ。

人物の作画のレベルはあまり高くない。
モブキャラの顔などが簡略化されてることも多く、
クォリティの高い3DCGとクォリティの低い人物作画のギャップは
あまりも褒められたものではなく。
時折、人物の作画も3DCGにいきなり変わる違和感は凄まじい。

冒頭から名前すらよくわからないどこの誰だかわからないキャラが
一言二言述べて技を放ち、魔人と戦っている。
「今までの魔人とは違う」らしいのだが、そもそも原作をやっていない人は
今までの魔人を知らないため、どう違うのかもよくわからず、
とにかく出てくるキャラクターの印象も薄い。

ソシャゲ原作アニメとしては作品全体として13人と少なめだが、
出てきて5~6分で死ぬキャラが4人も居る(笑)
何やら彼らが使ってる力が急に失われて弱体化したがゆえの展開だが、
一応はメインキャラのはずの4人が5分間で一気に死んでしまう展開は
流石に笑いが止まらなかった。

異世界召喚


画像引用元:映画『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』予告編より
©2019 FgG・gumi / Shoji Kawamori, Satelight

そんなメインキャラがどんどんと死ぬシーンを見せられた後に
何故か現代の日本の学校に通う日本のJKの視点に切り替わる。
ファンタジーだらけの世界観だったはずなのに唐突に
日本に舞台に変わる展開は謎だ。

厳しい母親から「人よりダメだから努力しろ」と言われ、
どこか暗く、色々な悩みを抱えてそうなJKだ。
そんな彼女が「誰ガ為のアルケミスト」の世界に召喚される。

異世界召喚ストーリーをやるなら冒頭からやればいいのにという
ストーリー構成の違和感を覚える部分はあるものの、
「異世界召喚」というわかりやすいストーリー展開になることで
原作未プレイでもついていける展開になる。

冒頭で説明したことや描写したシーンの出来事を、
召喚してきた主人公にもう1度説明する展開があり、
それならば冒頭の世界観の説明やシーンはいらなかったのでは?と
ストーリー構成のおかしさを感じさせる。

主人公は闇を封じる力を持ってるらしく、その力目当てで召喚されたものの、
肝心のその力は普通のJKにあるはずもなく、「ファントム」という存在は
本来は英雄や武人の死者の魂を受肉させて召喚されるものであり、
死んだ人扱いや「なんで力持ってないの?」と勝手に召喚されたのに
文句を言われまくる(苦笑)

「ここに役に立たずのファントムが?何にもできないんだと」
と村人から煽られまくる。

なろうかな?


画像引用元:映画『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』予告編より
©2019 FgG・gumi / Shoji Kawamori, Satelight

役立たずのファントムの彼女が異世界でやることと言えば、
まるで「なろう」小説だ(笑)
異世界の住人が普段捨てるようなものを美味しく料理し、
そんな料理で異世界人を虜にする。

そんなものすごくどうでもいいシーンを
挿入歌とともにダイジェスト見せられるが、
どこぞのなろう小説のように「マヨネーズ」などの現代的な調味料を
異世界で作るというわけでもない。
すでにある食材で美味しい料理を提供しただけだ。

話のテンポも非常に悪く、だらーっとぐだーっとストーリーを展開してしまい、
グダグダだ。中盤くらいで主人公が死にかけると覚醒して力に目覚めるのだが、
「なろう作品」のような俺つえーを見せられる。

そんな俺つえーを見せたら見せたで
「役に立たず」と罵っていた村人も「最強のファントムだー!」と
手のひらを返すシーンは笑いどころだろう(笑)
力があると分かったのならば村人たちは「よし!ボスを倒しに行かせろ!」と
早々に出発させる。ものすごく自分勝手な住人たちばかりだ。

闇堕ち


画像引用元:映画『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』予告編より
©2019 FgG・gumi / Shoji Kawamori, Satelight

そんな自分勝手なのはモブキャラだけではない。メインキャラもだ。
主人公には闇を封じる力があるが、
闇を封じると完全に主人公は消滅する事実が明らかになる。

一部のメインキャラは「そんなことはできないよ!」と言うものの、
一部のメインキャラは「この世界のために消滅させるるしか無い…」と
勝手に召喚して勝手に消滅させる。自分勝手全開だ(笑)
そんな事を聞いて闇落ちしないほうが不思議だ。

同じく闇落ちしたファントムのほうが正しい。
「ただ召喚され、命じられ、戦っていただけ」
彼らの意思とは無関係に錬金術師たちに使われていただけだ。
闇落ちするのも納得の展開だ。
手のひらをくるくる、自分勝手全開のこの世界の住人に力を貸す理由はない。

闇落ちの展開もあっさりだったが、闇落ちから戻る展開もあっさりだ。
メインキャラの一人が「最後まで責任を持つ!」
「貴方はもう友達なんだから!」と言い放って闇落ちから元に戻るものの、
友達というにはキャラクター同士の関係性の描写は浅い。

敵側の主張のほうが正義のように聞こえてしまう。
生者と死者が入り交じるいびつな世界、そんな世界を1度無に帰し再生する。
それが敵の目的だ。勝手に呼び出され勝手に使われる。
死者が文句の1つも言いたく鳴るのは当たり前の世界だ。

誰?


画像引用元:映画『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』本編より
©2019 FgG・gumi / Shoji Kawamori, Satelight

終盤の30分のラストバトル、何処の誰だか知らないキャラがいっぱい出てくる。
本当に誰?と言いたくなるような大量のキャラ追加投入だ。
Wikipediaの劇場アニメのキャスト欄や劇場アニメの公式サイトに
出ていないようなキャラクターも「私も居ますけど?」みたいな感じで出てくる。
せめてキャスト欄や公式サイトには載せてあげてほしい(苦笑)

力も完全覚醒した主人公の力はもはやアクエリオンだ。
魔人を光の魔人として操り、その魔人の手のひらの上に乗って戦うのだが、
「誰ガ為ノアルケミスト」というファンタジーな世界で
やってることはロボットアニメだ。

主人公は最後の力を使う際に二人のキャラに感謝の言葉をのべるが、
明らかに二人のうち一人とはそんなに交流はない。
色々と終盤は力技でやってしまった感じも否めない作品だった

スポンサーリンク

総評:必要性


画像引用元:映画『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』本編より
©2019 FgG・gumi / Shoji Kawamori, Satelight

全体的に見てアニメオリジナルの主人公が河森正治監督の手によって
「誰ガ為ノアルケミスト」の世界でアクエリオンをやってる作品だ。
「誰ガ為ノアルケミスト」のキャラはおまけでしかなく、
「誰ガ為ノアルケミスト」である必要性も感じない。

白猫プロジェクトや、そこらへんのソシャゲの世界でも
全く問題ないようなストーリーとシーンの数々、
特に終盤はいつ「1万年と2千年前から愛してるー」と曲が流れ出しても
おかしくない雰囲気全開だ。

主人公に対する異世界のキャラの反応や態度もひどく、
手のひらを返しまくる姿は笑えはするものの、
突っかかるようなテンポの悪さや、そうかと思えばあっさり闇落ちからの
あっさり復帰したりと展開がコロコロ変わる。

作画も3DCGの質は高いもののキャラクターの作画との違和感は強く、
色々な部分で「バランス」を取れていないような印象だ。
原作未プレイヤーには余り優しくなく、
原作ファンのために作られたともいい切れないような
なんとも中途半端な作品になってしまっているのは残念でならない。

結局最後は河森節で強引に片付けてしまったような感覚が強く、
「誰ガ為ノアルケミスト」というよりはアクエリオンを見終わったような
感覚が残ってしまう作品だった。

個人的な感想:謎


画像引用元:映画『劇場版 誰ガ為のアルケミスト』予告編より
©2019 FgG・gumi / Shoji Kawamori, Satelight

いきなり映画化というのもかなりの勝負を仕掛けてる感じだったが、
内容自体も結果的によくわからない感じになってしまっている。
映画オリジナルの主人公を原作の世界に飛ばして
俯瞰的に原作の世界観をみせるというのは面白いものの、
結局は河森節に染められてしまっている。

少なくともこの作品を見て「原作をやりたい」とは思えない。
そんな作品だ。

コメント

  1. ICON より:

    一応昨年まで原作ゲームの熱心なプレイヤーでした。

    この作品は悪名高きフジテレビ系テレビマン出身のFgg今泉淳出たがりプロデューサーの記念事業・自慰行為として作られたアニメ作品です。

    我々プレイヤーも「またあいつがゲームそっちのけで暴走してるよ」冷ややかに見ていました。知人のプレイヤー含め、一応みんな劇場に見に行きましたがゲーム内アイテムとキャラのミニフィギュア目当てだったとは言うまでもありませんw

    ちょうど同時期に劇場ではガルパンや青ブタが上映していて、私はそちらも観に行きましたが、それらの作品と同列に語れるような真っ当な「アニメ作品」ではありませんでした。

    プロデューサーの思い出作り(自慰行為)に付き合わされるのはプレイヤーでもきつかったので、一般の鑑賞者はさらに辛いでしょうね。正直、元原作ゲームプレイヤーとしても残念な作品でした。