面白さまでふやかした風呂アニメ「アンジュ・ヴィエルジュ」レビュー

評価☆☆☆☆☆(5点)全12話
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あらすじ ある日、世界は連結した。突如として開いた門(ハイロゥ)と、5つの世界の連結。私たちの住む青の世界―――地球 夜と魔法が支配する黒の世界―――ダークネス・エンブレイス 祈りと神々が守護する赤の世界―――テラ・ルビリ・アウロラ 科学と電脳が管理する白の世界―――システム=ホワイト=エグマ 武器と軍隊が統治する緑の世界―――グリューネシルト 天使、悪魔、妖精、魔女、女神。お伽話の中にしかいなかった存在が、現実のものとして現れた引用 – Wikipedia


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面白さまでふやかした風呂アニメ

原作はトレーディングカードゲームな本作品。
メディアミックス展開の一環としてアニメ化された。
監督は田村正文、制作はSILVER LINK. / CONNECT

見出して感じるのは淡々とした感じだろう。
制服姿のまま謎の力で飛んでいる少女が謎の物体と戦う。
もう、簡単に言ってしまえば劣化ストライクウィッチーズ臭がする

1話から大量のキャラクターを出しまくり、
名前も世界観もよくわからないままにバトルシーンを展開するが、
このバトルシーンの演出が甘い。
作画自体はそこそこのクォリティを維持しているのだが、動きが平凡だ。
バトルシーンを盛り立てしようとする制作側の気持ちが感じられない。

冒頭のシーンが終わるとながーーーい世界観説明が始まる。
ストーリーの中でキャラクターの行動や言動などから
世界観や設定を理解させるのではなく、ナレーションベースで全て片付けてしまう。
専門用語による専門用語だらけの世界観説明では
「なるほど、わからん」で終わってしまう、

多すぎるキャラクターの一人ひとりもまったくもって無個性だ。
何処かで見たことのあるデザイン、何処かで見たことのある設定、
既視感溢れるキャラクターの数々は、原作では数多あるカードの1枚なのだろう。
1話から大量に人気声優の声による認識以外は不可能なほどのキャラを出し、
キャラクター紹介をしているつもりなのだろうが、誰一人として名前を覚えられない。

売れないギャルゲーのような印象に残らないヒロインが大量に出てきて、
「風呂」に入る。そこに意味はない。
「艦これ」では原作ゲームに風呂システムが有るからこそ、
風呂シーンを描く理由がわかるが、この作品の原作には風呂要素はない。
無駄に長風呂しているだけだ。

線が細いキャラクターのセクシーシーンや風呂シーンを見せられても、
そこに何のエロチシズムも感じない。
湯けむりで直接的な描写を隠してDVD・BDを売りたいのはわかるが、
湯気の下はどうせ「残念な描写」なのが湯気の上からでもわかる描写だ。
フェチズム的なこだわりを感じず、キャラを無駄に脱がしているだけにすぎない。

アニメにおける「風呂回」や「水着回」の特別さを分かっておらず、
特別感が一切無く、安っぽさだけがにじみ出る。
キャラクターの裸の描写に対する「こだわり」を感じず、
ただ脱がし、ただ湯けむりで隠しているだけ。
売れないグラビアアイドルが深夜ドラマで脱がされているのを見るような、
エロさよりも「切なさ」を感じてしまうセクシーシーンだ。

ストーリーも異様なまでに展開が早い。
世界観もキャラクターの名前もきっちりと理解していないのに、
敵が味方を操りだしてもう誰が敵なのか味方なのかもよくわからず、
バトルが展開しても盛り上がりに欠ける。

戦闘シーンの演出もひどく単調だ。
「動きの面白さ」というアニメーションの芯の部分が甘く、
似たような動きや同じような動きを繰り返したり、
派手なエフェクトやキャラの顔のアップで誤魔化す。
戦闘シーンが多いのに、戦闘シーンがつまらないのは厳しい。

キャラクターを掘り下げるために日常描写もあるのだが、
基本的に序盤から味方が敵に操られたり、大ピンチな状況で平和ではない。
そのせいで日常描写は基本的に「過去回想」が多く、
敵陣営にいる味方と、味方陣営にいる味方の日常描写も描いているため、
場面展開が激しい。

更に似たような他パターンのストーリーも多い。
同じような展開で同じようにキャラを掘り下げるため、
先が読めてしまう。

キャラクター数が多いからこそこういった感じになったのはわかるのだが、
キャラを掘り下げるための日常描写がグダグダで面白くない。
20人のキャラにそれぞれスポットを充てるのは1クールという尺では難しいのに、
原作の宣伝のためにもスポットを当てないといけない矛盾のせいで、
見終わった後にキャラの印象に残らない。

キャラの名前を呼ぶ必要のないシーンで
無駄にキャラの名前を呼んでる場合もあり、話のテンポを悪くする。
どうにかキャラの外見と名前を印象付けようとしているのだが、
声優による声によるキャラの判別以外は難しく、
しばらく出ないと「こいつ誰だっけ?」になってしまう。

ストーリー的には無難にまとめている感じが有り、
その無難なストーリーを大量のキャラクターで同じように紡いでいる。
特定の声優さんのファンや原作のゲームをやっている方ならば、
ある程度の感情移入もして見ることができるかもしれないが、
それ以外の人にとってはとっつきにくい。

全体的に見てキャラクター数の多すぎる作品だ。
一人ひとりを活躍させるために一人ひとりの掘り下げを
同じような展開の仕方でやっているだけであり、
キャラの印象を強めようと風呂シーンを長くしたり、
キャラの名前を必要以上に呼んだりとテンポが悪い。

風呂シーンを入れまくることで作画の枚数を減らしたりしたのだろう。
使い回しのシーンも多い。
結局はメディアミックスの宣伝の一環でしかなく、
原作の世界観やキャラクターをお風呂でふやかしたような作品だ。

恐らくは予算がかなり厳しかったのだろう。
作画崩壊しなかったのは評価したいが、
ソシャゲの宣伝文句でおなじみの「豪華声優陣起用!」が、
アニメを作る際に枷になってしまっている。

売上的にはBOX売りなのだが全3巻。
カードがついているため原作ゲームをやってる人が購入するかと思っていたのだが、
Amazonランキングによる予想段階では500枚前後と爆死。
デッキで72枚もカードが入っているようだが、
逆にこれだけ豪華特典でこの売上だと厳しそうだ。

TCG原作のアニメは他にもあるが、
やっぱり遊戯王のように実際にプレイしている様子を
アニメ化したほうが成功しやすいのではないだろうか?
カードゲームの世界観を描く作品はZ/Xもそうだったが、
どれも似たような感じで失敗している。

個人的には非常に見るのがきつい作品だった。
好みの問題もあるだろうが面白みというのがほぼ無く、
作画が安定していないほうがネタとしても楽しめるのに、
そこだけは安定ており、話はワンパターン。
結局、見終わって1時間ばかり立ってますがキャラの名前をほぼ思い出せない・・

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