「夢王国と眠れる100人の王子様」レビュー

評価 ★★☆☆☆(21点) 全12話

あらすじ引用- Wikipedia

何とも言えない微妙さと無難感

原作はソーシャルゲームな本作品。
監督はひいろゆきな、制作はproject No.9。
なおシリーズ構成は「高橋ナツコ」女史。

ソシャゲ感MAX


引用元:©GCREST/夢100製作委員会

夢の王国が魔物に襲われ戦った100人の王子、
王子は戦いの中で指輪に封じ込められてしまう。
そんな中でヒロインは目覚めると夢世界にいて「ナビ」に導かれて、
指輪に封印された王子を解放する。

もう、言われなくても「ソシャゲ原作です!」感のある設定であり、
アニメなのにソシャゲのチュートリアルを見ているような1話冒頭だ。
指輪から王子を目覚めさせて(ガチャ)世界を救うという
ものすごくテンプレート的なストーリーの新鮮さは薄い。

女性向け物の異世界召喚タイプのアニメは古くからあり、
割とベタベタなファンタジー道中は懐かしすら感じる部分はあるものの
あくまでも「キャラクター描写」に重きをおいてる所は
ソシャゲ原作アニメの悪い部分だろう。

総勢23名


引用元:©GCREST/夢100製作委員会

この作品はタイトルの通り、原作には100人以上の王子が登場する作品だ。
流石にアニメでその全員を登場させるのは無理だ。
高橋ナツコさんの手に抱えれば不可能など無いだろうが(笑)

しかし、キャラ数を抑えても23人もキャラクターが出る。
メインとなるキャラクターはヒロインを含めて4人であり、
彼らが世界を救う旅をする中で色々な国の王子と出会い、
王子のキャラ描写を深めつつ、また別の国へと言う感じだ。

メインになるキャラをきっちりと決めている分、
他のソシャゲ原作アニメよりは話に芯が通っており、印象に残るキャラは多い。
大体、2話ごとに違う国が描かれて出てくる王子も違う。

だが「王子」なのに扱いの悪いキャラクターも多く、
話によっては一気に5人も王子が出るのに活躍するのは二人くらいだったり、
キャラ数が多い割には必要なキャラクターが少なく、
話によっては物語の中心にいるはずのヒロインの存在感が薄い。

基本的に各国の王子も「使い捨て」であり、
国が変わると一切出てこなくなってしまう。
メインで描かれるキャラも4人中二人がアニメオリジナルキャラであり、
原作ファンとしてはアニオリキャラよりも他のキャラをメインに据えてくれ!と
思ってしまうのではないだろうか。

無難すぎるストーリー


引用元:©GCREST/夢100製作委員会

基本的に話は無難の極みだ。
「ドコかで見たことがある」「ドコかで読んだことのある」話であり、
各国の王子を活躍させるためだけのストーリーだ。

メインとなるストーリーも
原作のゲームにはストーリーがきちんとあるようなのだが、
それを無視してアニメオリジナルキャラ関連の話にしてしまう。
原作ではアニメにも出ている「ナビ」の正体なども分かるようなのだが、
アニメではしゃべるぬいぐるみ扱いで終わってしまう。

原作のストーリーだけでも現在は1部だけで12章あり、
現在は第二部が始まっているようだ。
つまり、わざわざアニオリな話を展開しなくても、
原作の話を紡ぎながら個別エピソードを入れれば十分、話が出来上がる。

しかし、それでは出てこなくなってしまう王子がいる。
さすがは「高橋ナツコ」女史、なるべく多くのキャラを登場させるために、
オリジナルキャラを追加し各国を回らせ、
総勢23名のキャラが出るようにしたのだろう。
その結果ストーリーが無難でも致し方ないのかもしれない。

悪くなる作画


引用元:©GCREST/夢100製作委員会

1話こそ作画が良いのだが、話が進むと悪くなってくる。
戦闘シーンも多い作品なのだが、かなりごまかしているシーンも多く、
遠いアングルで映したり、無駄にアップにしたりするシーンも多い。
特に「肩に手を置く」シーンの多さと、
その手をアップにするシーンの多さは見飽きるほど出てくる。

なるべく多くのキャラを登場させて、キャラのかっこよさを
アニメで描写しなければならないはずなのだが、
安定しない作画とかっこよさが伝わらない作画の数々は、
ファンにとっては残念でならないだろう。

シーンにってはキャラの顔が「・ー・」という感じになってるシーンも有る。
たった3文字くらいで表せるほどのキャラの顔の描写は、
流石に見ていて目立ってしまっていた。
せっかくのイケメンが台無しになってしまうシーンがあまりにも多い。

敵もオリジナルキャラ


引用元:©GCREST/夢100製作委員会

序盤から匂わせるように敵が出ている。だがこれもアニメオリジナルキャラだ。
ヒロイン側のアニメオリジナルキャラと、敵側のアニメオリジナルキャラの
ストーリーが終盤は展開されてしまい、
引っ張った割には大したことのない伏線を回収してあっさり終わってしまう。

結局は「俺たちの旅はこれからだ」的な感じで終わってしまい、
結局アレは何だったんだ?と感じる要素もあり、
スッキリ終わってるようで終わっていない感じはややモヤモヤした
消化不良感の残る作品だった。

総評:この微妙さはなんなんだ


引用元:©GCREST/夢100製作委員会

全体的に見てなんとも微妙と言わざる得ない作品だ。
ヒロインが異世界に召喚されて旅をする中で各国の王子に出会い、
皇子たちのキャラ描写と個別ストーリーが終わると別の国へという展開は、
原作のキャラファンならば楽しめる部分はあるかもしれないが、
所々の作画の悪さはキャラクターのかっこよさが露骨に損なわれるほど厳しい。

メインストーリーの部分は「記憶喪失」のアニメオリジナルキャラと、
そのアニオリキャラに関連するアニオリキャラな敵で展開されてしまう。
原作では100人以上もキャラが居て、きちんとストーリーもあるのに、
わざわざそれを無視してまで描くほどのストーリーだったとは言えない。
引っ張った割にはあっさりと終わってしまい、微妙な感じが残ってしまった。

ただ原作ファンならば楽しめる部分もあるだろう。
20人以上のキャラが登場し、やや影の薄いキャラクターはいるものの、
メインキャラとゲストキャラという区別がしっかりついてるため、
演じている有名男性声優たちの実力も相まって印象残るキャラは多い。

良くも悪くも「無難」に作られている作品だ。
ありきたりなストーリーや作画の悪さは気になるものの、
イケメンキャラや原作ゲームが好きならば楽しめる部分はある作品だった。

個人的な感想:さすがは高橋ナツコ


引用元:©GCREST/夢100製作委員会

シリーズ構成の高橋ナツコさんはやっぱり流石だ。
原作通りのストーリーをあえて展開せず、あえてアニオリキャラを出し、
あえて無難なストーリーを魅せる。この何とも言えないやっつけ仕事感は
「高橋ナツコ」感をすごく感じてしまう。

ただ同時期にやっていた「千銃士」と似ている部分があり、
あちらのほうが悪い意味で目立ってしまっており、
この作品の無難な地味さのせいで影に隠れてしまった感じは否めない。
女性が見る分には楽しめるシーンやキャラクターも多く、
男性が見てもそういう要素が強いだけに楽しみづらい作品かもしれない。

ただなんやかんや最後まで見れてしまうのは
「高橋ナツコ」氏のシリーズ構成の賜物かもしれない(笑)

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