魔弾の王と戦姫

2014年12月30日

評価/★★☆☆☆(32点)

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予算と尺が3倍欲しい

原作はライトノベルな本作品。
アニメーション制作はサテライト、監督は佐藤竜雄

見出して感じるのは名前を覚えられないことだろう
1話の冒頭早々に主人公とヒロインが名乗り合う。
だが、物凄く長い横文字の名前で一瞬忘れる。
ティグルヴルムド=ヴォルン、エレオノーラ=ヴィルターリアと
Wikipediaからコピペしないと正式なキャラ名を書けないほどだ。
この作品はいわゆる「ファンタジー戦記」ものだ
非常に多くの登場人物が登場し、物語を展開していく

画面に描かれていなくとも名前だけ出るキャラクターも非常に多く、
それだけに次々と出る覚えづらい名前を覚えなければ
キャラクター名が出ても「それだれ?」となる場合が多い

名前が長いのはファンタジーものだから仕方ないにしても、
その名前と「キャラクターの外見」が結びつかなければ意味が無い。
特にキャラクターデザインに関してはどこかで見たような感じのキャラクターが多く
キャラクター数が多いのにキャラクターの「印象付け」が弱く
そのくせ「名前のでないサブキャラ」も結構台詞があるため
余計にキャラクターが覚えられない。

設定は割とシンプルだ。
シンプルにいろいろな国が戦争をしているファンタジー世界であり、
特殊な設定といえば「戦姫」という竜の武器を持つ少女が7人居るくらいだ
最近のライトノベル原作アニメにしてはシンプルなファンタジーものといえるだろう。
キャラクター設定に関してもシンプルだ、変な設定や語尾をつけるキャラもおらず
最近のラノベというよりは90年代位のラノベアニメのような印象を覚えるほどだ
だが、それゆえに、シンプルであるがゆえに丁寧に作りこまねば面白さは生まれない。

特にキャラ描写が重用だ
シンプルなファンタジー線着物だからこそ敵も味方もきっちりとしたキャラ描写をすることで
シンプルなストーリーが面白くなる。
だが尺の問題からか「キャラクター描写」を省いている印象を覚える箇所があり、
どんどんキャラクターは増えていくのにキャラクターはなかなか掘り下げられない

更に戦闘描写。はっきりいおう、つまらない。
作画の質が作品全体として「低い」ためもあるのだが、止め絵のシーンも多くテンポも悪い
多くの兵士が同時に動いて戦いあうからこそ戦記モノの「戦争」シーンとしての面白さがあるが
この作品で力を入れているのは主人公が使う「弓」の描写ばかりで
その他の部分の戦闘シーンの描写が甘い。

きちんとした戦略、考えぬかれた戦術で圧倒的な敵の数の敵と戦うという内容自体は非常に面白い。
戦略と戦略がぶつかり戦況が変わっていく面白さはきちんとあるのだ
だが大人数と大人数がぶつかり合うと急にCGっぽさが増してしまい絵に厚みが生まれておらず
迫力がいま一つになってしまっている。

更にそれだけならまだいいのだが戦闘シーンの間に「チェス」を用いた解説までつける
はっきりいって別にそんな説明をされなくとも今どういう状況なのか分かる場合が多く
いちいち説明シーンが挟まれるとテンポが落ちてしまい興醒めだ
そんなに1~10まできちんと説明しなくともアニメとしてのシーンの中で理解できるのに
解説をいちいちつけられると少しばかり「バカにされた」気分にもなるほどだ

だからこそ「ピンチ」のシーンの緊張感と、「打破」した時の開放感が薄く
せっかく作りあげている戦争の「雰囲気」を戦術解説とチェスによる戦争の描写で壊し
せっかく盛り上がりそうな戦闘シーンなのに、せっかく盛り上がれそうなのに状況なのに
いちいち腰折られたように盛り上がらない。

ストーリー展開もテンポが無駄に良いため状況を理解しづらい。
前述したように「キャラ名」の覚えにくさと、そこに「地域名」の覚えづらさもあいまって
状況がめまぐるしく変わる6話以降はキャラクターも増えだして
「今どういう状況で、ダレと戦ってるのか」を理解するのに忙しくなってしまう。
本来はもっと丁寧なストーリー運びで見ている側に状況をじっくり理解させないといけない所、
無駄にサクサクと進んでしまいあっさりと展開していってしまう。

主人公に協力する味方も「なんで協力している」のか理解できぬまま進んでしまう
主人公もいきなり強くなったり、ようやく現れた強敵もあっさりと死んでしまったり
中盤以降の展開は正直「ついていけない」と感じるほどトントン拍子進んでしまう
主人公が二千VS二万という圧倒的な戦力差のある戦いもあっさり終ってしまい、
序盤の「戦術の面白さ」も話が進めば進むほど無くなってしまう。

終盤はゴチャゴチャしたままに何か戦闘が終わり何か解決して終った感じが強く
出てきたはいいものの出た意味を感じないキャラも多く
OPで出ているのに本編には全く出てこないキャラクターも居る。
結局終った後に「あれはなんだったんだ」と感じるような作品だ

全体的にみて尺も予算も足りなかった作品だ
本来この作品は2クール・・・いや4クールぐらいでがっつりと描くべき作品だ
きちんと尺で恐らく省いたであろう原作の細かい部分もきっちりと拾い上げ
丁寧に積み重ねることで「戦記ファンタジー」としての面白さが出てくる作品だ。

だが1クールという尺の割には進めているストーリー量が多く、
話が進めば進むほどテンポが早くなってしまい、じっくりと描いて欲しい部分が
尽くあっさりとストーリーが展開してしまう。
そのせいで大量のキャラの行動理由や戦争している理由なども理解するのが難しくなっており
今何のために誰と誰がどこで戦っているのかが「ふわっ」っとしたままで見てしまう

これで作画が良くて戦闘シーンが魅力的ならば「ふわっ」っとしてても面白くなるだろう。
だが、作画の質は終始悪い。
戦闘シーン以外の作画でも崩壊ギリギリの作画でつねに不安定であり、
せっかくの女性キャラクターのセクシーシーンもセクシーに感じない。
戦闘シーンは手抜きとも思えるほど止め絵やCGを多用して迫力がなく、
作品としての「圧」を一切感じないままに淡々と見終わってしまう作品だ。

明らかに予算が少ない。
もうそれが見ている側にダイレクトに伝わってしまうほどの予算の低さを感じてしまう。
戦争シーンなど大量のキャラが動くシーンはお金がかかるのは当たり前だ
だが予算がないからこそ「チェス」や「解説」といった表現でごましており、
その演出が面白くはなく戦闘のテンポと雰囲気も崩してしまっていた。

この作品にふさわしい予算と尺があれば王道「戦記ファンタジー」として
面白い作品に仕上がっただろう。
女性キャラクターも魅力的だが、敵もかなり個性的なキャラも多く
もっときっちりとした「キャラ描写」で「重厚なストーリー」と
「圧倒される戦闘シーン」が見たかったと感じてしまった。

せっかくそういうシーンを、素晴らしい作品を作り上げられる土台があるのに
本当にもったいない。
余談だが主人公が弓使いだから仕方ないのだが「頭」に
矢を放って終わりになるパターンは後半は飽きてしまった。
なぜか主人公に相対する敵に限って「兜 」をかぶっておらず剥き出しだ(笑)

ED曲を歌っている「原田ひとみ」さんが演じるキャラクターも
シーン的には2シーンのみだったりとよくわからない作品だった。
もし2期があればがっつりとした尺と予算で作り上げて欲しい所だ