「D_CIDE TRAUMEREI THE ANIMATION」レビュー

ファンタジー
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評価 ★☆☆☆☆(18点) 全13話

あらすじ「ウィアード」と呼ばれる、現実世界に侵食している悪夢を打ち砕く物語。 引用- Wikipedia

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劣化ペルソナ

原作はサムザップ・ドリコム・ブシロードによるメディアミックス作品。
簡単に言えばソシャゲ原作アニメだ。
監督は今義和、制作はサンジゲン。
ソシャゲのシナリオにはペルソナやカリギュラの里見直氏が関わっている。

フルCG

この作品はフルCGで制作されている。
制作のサンジゲン特有のやや硬さを感じるフルCGのクォリティは高いものの、
キャラクターデザインがその硬さにひっぱられてしまい、
どこか「人形」のような印象を受けてしまう。

ソシャゲ原作の作品だからというわけではないが、
PS4のゲームの中でのCG映像を見ているようなそんな気分に若干なってしまう。
いい意味でも悪い意味でも「サンジゲン」らしい映像だ。

苦手な方はこのCG感あふれる描写にはやや否定感が生まれるかも知れない。
いかにもCG感はやや古さを感じる部分すらある。

主人公はある日、化け物に襲われる夢を見る。
謎の怪物の正体もよくわからず、自身を助けてくれた武器を持つ二人組の
正体もわからず、化け前とした日々を過ごす中で、
彼は「悪夢」の世界にいざなわれていく。

主人公が夢と思っていた夢は現実だ。
悪夢が現実に侵食してる現象が起こっている世界、
力に目覚めたものは「ノッカーアップ」と呼ばれ、
ウィアードと呼ばれる悪夢の化け物と戦う宿命を追う。

非常に丁寧な導入だ。
何も知らない主人公がとある出来事をきっかけに力に目覚め、戦う。
どこかゲーム的なシナリオの導入ではあり、
1話は説明台詞のオンパレードだ。

「ノッカーアップ!」

わざわざ声高らかに主人公が叫び変身する様は
どこか戦隊ヒーロー的な要素すら感じるものの、
音楽と変身シーンのはずなのに服がちょっとかわって
腕に武器がつくくらいしか変わってない。
こんなに変化のない変身シーンは初めてだ(笑)
変身バンクをわざわざ用意しているのに、変化が薄い。

殴る、撃つ、蹴るなど戦闘シーン自体はかなりシンプルであり、
それゆえに戦闘シーンもシンプルだ。
せっかく変身して闘うのに必殺技のようなものもなく、
どこかエフェクトだよりになっている部分も大きく、
敵を倒すと「爆発」するのもどこか特撮ヒーローっぽい描写だ。

人の夢や希望が生み出す怪物、そんな怪物と殺された兄に
関係していることを主人公が知ったことで物語が動き出す。

ペルソナ臭

話しが進めば進むほど「ペルソナ」っぽさがましてくる。
ソシャゲのストーリーにペルソナの「里見直氏」が関わっているからこそ
なのかもしれないが、ペルソナをやったことがある人にとっては
どこかで見たことのあるような既視感がどんどんと出てくる。

例えば2話。
委員長タイプのキャラクターの一人は親が警察官僚であり、
父は母にDVをしており、彼女自身も父の命令を聞くことを強いられている。
抑圧されている高校生だ。父への恐怖から父に言い返すこともできず、
偽りの「仮面」を被って生きているようなものだ。

そんな彼女が「夢」の世界に逃げる。だが、そこは悪夢の世界だ。
悪夢の世界で彼女は一時的に「ウィアード」になってしまうものの、
主人公とその仲間たちによって我に返り、自らの殻を破り、
「ノッカーアップ」のちからに目覚めて主人公の仲間になる。

ペルソナこそ出てこずにあくまで変身ヒーロー的に
変身してそれぞれの武器を手に入れるだけだが、
この流れはペルソナシリーズをやってた人ならばよく見た展開だ。
ある種の王道の流れではあるのだが、
どうにも常にペルソナ臭が常にただようような感じだ。

社会の闇

序盤はメインキャラを仲間にしながら、それぞれのキャラを掘り下げていく。
ソシャゲ原作ではあるものの、メインキャラは5人しかおらず控えめだ。
これという要素やシーン、ストーリーはないものの、王道なストーリー展開だ。

一人ひとりがかかえている問題は意外と重い、
うつ病の母親を抱える少年などもいるものの、
その重いテーマの割には掘り下げ切れていない印象だ。
メインキャラのエピソードはそこまで気にならないものの、
サブキャラやモブキャラのエピソードは特にそれを感じてしまう。

簡単に言えば扱いが雑だ。
メインキャラは死なないもののサブキャラやモブキャラはあっさり死ぬ。
それだけならまだしも、メインキャラたち自体がメインキャラ以外の
キャラに厳しい。

例えば5話で姉が性的暴行を受けて殺された弟が出てくる。
そんな心の闇を敵につけこまれ、彼は力を求めてウィアードになってしまう。
当然、彼は姉を殺した男を殺すのが目的だ。復讐のために力を得た。
護送中の犯人を彼は殺そうとする。ここまではまだ納得できる。

そんな彼の行動を主人公たちは全力で止めようとする。
直前の主人公たちの会話で一部のキャラは法でさばくのではなく
復讐をするとまで言っていたのに、全力で彼を止めようとする。
殺人犯を全力で守ろうとする主人公たち。
主人公自身も兄を見ず知らずのやつに殺されている

「それはただの殺人だ」と主人公は言い放ち、
殺人犯を守り、ウィアード化した少年を倒す。少年は当然死んでしまう。
主人公がやったことも「殺人」なのだが、だれもそうは言わない。
自分たちの価値観が絶対であり正義という傲慢さだ。

こんなことをいっていたはずなのに物語終盤で
兄の仇がでてきたときは主人公は殴りかかる(笑)
発言が矛盾しまくっている。

話が進みながら夢を、力を求めるものに力を与えている
教団の存在が明らかになってくるものの、
徐々にしか情報が開示されない。
そのわりには「都会の奴らがにくい!」みたいな浅い理由で
ウィアードになる敵が現れたりと、脚本のレベルが
話しが進めば進むほどオチていく。

ご乱心

8話の話などあまりにもくだらない。
7話で田舎からきた2人の少年少女に主人公は対抗心を抱く。
この7話の流れもやや強引なのだが、そんな2人と
仲良くなるための話が8話だ。

エレベーターに閉じ込められた主人公と田舎からきた少年少女。
主人公はエレベーターが止まったことに苛立ちを隠せず、
扉をたたきまくり叫びまくる。
冷静な田舎の少年のセリフに対し、彼はこんなことを言い放つ

「島じゃこういうことなくてよかったな」

6話まではバカではあったものの熱くまっすぐな主人公だった。
しかし、7話と8話の主人公は無駄にいやみったらしい性格になっており、
シンプルにうざい。
話自体も別に面白いわけでもなく、3人の会話が別に面白いわけでもない。

この7話と8話だけに出てくる田舎の少年少女は
ソシャゲにおける主人公であり、
この2人を出すためだけのエピソードでしか無い。
あっさりと8話の終わりには田舎に帰ってしまうう。
9話ではエンドレスエイトの真似事をする。

1クールという限られた尺しか無いのに
別に必要性のないエピソードが多すぎる。
戦闘シーンも話を追うごとに短くなっていく。

ごちゃごちゃ

10話の終盤でようやく話が動き出す。
余計なエピソードを省けば6話くらいで描けそうな内容を
余計なエピソードを入れることで水増ししている印象だ。

メインキャラも5人しか居ないのに掘り下げ不足のキャラも多く、
1回メイン回をやったらあとはほとんど戦闘要員でしかない。
5人しかメインキャラが居ないのに掘りさげも、
使いこなすこともできていない。

終盤は話がぶっ飛んでおり、何百年も生きる人物や
「クトゥルフ」要素まで出てくる。
そうかとおもえばヒロインの一人がウィアード化してしまう。
もうめちゃくちゃだ。
説明台詞のオンパレードと怒涛の展開にまるで話についていけない。

謎の組織が企てていた化け物の召喚も成功してしまい、
主人公の独断先行のせいで渋谷は血の海とかしてしまっているのに、
そんなことよりも化け物になってしまったヒロインのことが主人公は心配だ。
仲間たちはヒロインを倒す選択をするものの、
主人公はそれを否定し、そんな仲間との戦いが始まる(笑)

もうシッチャカメッチャカだ。
同時進行で色々なことが終盤で一気に起こってしまう。
渋谷が血の海になり、化け物も現れ、ヒロインは化け物化、仲間割れしながら、
化け物とも戦い、ヒロインも救わないといけない。大混乱だ。
裏切った主人公の友人もよくわからない闇落ちをしている。

最終話はどこの誰だか知らない奴らが主人公にパワーをおくり
元気玉状態で勝利でめでたしめでたしだ。

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総評:劣化ペルソナ

全体的に見て練り込み不足のシッチャカメッチャカな作品だ。
序盤こそ劣化ペルソナのような、それぞれのキャラが自分自身と向き合いながら
力に目覚めていく展開は王道で悪くないものの、
話しが進めば進むほど色々な要素が雑になっていく。

悪夢に魅入られるサブキャラやモブキャラの理由もどんどんと浅くなり、
都会が憎いだの、いじめっ子が叩かれてて世間が憎いだの、恋だのと
序盤の重苦しい要素はどこへいったというほど浅い。
終盤はこの作品を構成する要素を一気に蔵出ししたような展開になり、
ごちゃごちゃしたストーリーになってしまった。

掘りさげ不足のキャラも多く、その割には無駄なエピソードも多い。
詳しく知りたい方や続きが知りたい方はゲームをやってね!という
ことなのかも知れないが、少なくともこの作品の主人公は
最後まで好きになれず、どこかで見たことのあるようなキャラには
何の興味も持てないまま終わってしまった。

CGのクォリティこそ高いものの、序盤から中盤までほぼ毎話ある
主人公の変身シーンは不必要でしかなく、殴る蹴る撃つの
ワンパターンな戦闘シーンは盛り上がりに欠けてしまっていた。

もう少しシンプルにできたはずなのに
ゲーム原作が故の設定過多に作品全体がひっぱられてしまった感じの作品だった。

個人的な感想:うぅーん

序盤こそ劣化ペルソナでしかないが、そこそこ楽しめていたが
話しが進めば進むほど面白みが欠けていく作品だたった。
ラストの思わせぶりなシーンも原作をやらせるためなのはわかるが、
少なくともこの作品を見て原作に手を出そうとは
微塵にも思わない。

ソシャゲは9月にリリースされてるようだが、
盛り上がってる様子もあまりない。
OPを「東京事変」が歌っていたりするものの
世界観と合ってる感じもなく、色々とちぐはぐな作品だった。

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出演声優 阿座上洋平, 伊藤彩沙, 高野麻里佳

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