評価 ★☆☆☆☆(19点) 全12話
あらすじ 神城タケルは、ごく普通のサラリーマン。だが、ほんの少しの非日常を望んだとき、剣と魔法の異世界に転生させられた 引用- Wikipedia
虚無わんこそば
原作は小説家になろうな本作品。
監督は小高義規、制作はタツノコプロ、SynergySP
唐突
1話冒頭から唐突だ、社畜な主人公がいきなり死んで
神様的な存在に「マリウス」という惑星に飛ばされることになる。
当然のように神様から特別な能力をもらう。
魔力は極限で魔法を使えて、可愛いパートナーを手に入れたり、
言語に、身体能力に、素材収集のためのスキルに。
ありとあらゆるスキルをてんこもりで盛り込まれている。
なろう系異世界転生ものにありがちな何の努力もせずに
チートを手に入れる展開だ。
散々こすり倒された展開で新鮮味は0どころかマイナスだ。
異世界に転生しても飲み込みが早く、
探査魔法で色々なアイテムを探し出しアイテムボックスにいれ村で売る。
主人公が見つけ出したアイテムはレアで、雑貨屋の主人に
「ミスリル鉱石」の収集を依頼される。
あまりにも唐突だ、冒険者でもない素材収集家な主人公に
モンスターが出る場所にあるミスリル鉱石の収集依頼をする
雑貨屋の主人も謎であり、展開のための展開で
そこに納得の行く理由はない。
特に盛り上がりどころも面白みもなく、
1話から頭の中に「つまらない」という言葉がよぎる。
トントン拍子に話が進むのだけが唯一の救いでは有るものの、
話が進んで色々な展開が起こっても面白みがない。
ミスリルを探しにいったらドラゴン的なやつがいて、
孵らない卵をどうにかしてほしいと依頼され、主人公が魔力を込めると卵が孵って、
その卵から生まれたドラゴンが仲間になる。
唐突な展開が多すぎてつまずきまくる感じだ。
虚無
2話以降になっても虚無でしか無い。
ドラゴンの子供と共に旅をすることになるのだが、
だからといって面白くなるわけでもない、主人公が異世界の魔法を
使って驚いたりするのだが、それがオーバーリアクションすぎるのも
引いてしまう部分であり、そういった引いてしまう部分のせいで冷めた目線で見てしまう。
当然、異世界なので魔物などの存在もおり、時には戦闘になることも有る。
だが「魔力極限」な主人公にとって相手になる敵など存在せず、ほぼ1発で倒す。
その戦闘シーンが面白ければ救いが有るが、面白くはない。
アップばかりで低予算感全開の作画によるアニメーションは
「とりあえず動いてればいいよね」というような割り切り感すら感じる。
コミカライズを試しに読んでみると設定なども細かく描かれている。
だが、アニメではそういった細かい部分が排除されている。
そのわりには見れば分かるような馬車を引く馬の
説明などは無駄に入る。
アニメのテンポ感を生むためなのはわかるが、
そういった設定の細かさが世界観を作り上げている部分もあるがゆえに、
それを排除してしまったがゆえにトントン拍子でわんこそばのように
味わうのを無視して「食べる」ことだけに集中しているような感じだ。
面白さを味わえず、ただただ「見る」ことしかできない。
流れてくる味のしないわんこそばをひたすら食べるだけだ。
虚無だ。
冒険者
序盤は一応、素材採取家という特徴があるのだが、
その序盤をすぎると「いつもの」になっていく。
いつものギルドで、いつものチート見せつけて、いつものように冒険者になる。
ランクFからスタートして依頼をこなしてーと
もう3億回は見た光景だ。
冒険者になるとサブキャラ的なキャラが一気に増えるのだが、
まるでストーリーを飛ばしたかのように、
いきなりでてきて主人公と知らぬ間に仲良くなっている。
思わず1話見逃したのか?と思うほど
3話と4話の間で話を飛ばしている感じだ。
キャラクターが増えることでワチャワチャ感は生まれるものの、
面白みは生まれない。
冒険者になったことで仲間も増え、そんな仲間とともに素材採取という名の
お使いクエストを淡々とこなす。それだけだ。
中盤で領主に呼ばれて、領主の妻の治療をしたりする。
別に主人公が努力したわけでもない、神様から与えられただけの力で、
どんどん主人公の立場が上がっていく。
いかにもな、なろう系らしい展開に辟易してしまう。
女神とエルフ
終盤で主人公が一瞬ピンチになるのだが、
ここでご都合主義が大爆発し、女神がいきなり現れ助けてくれるうえに
仲間になる。唐突でご都合主義全開の展開だ。
魔法に関しても基本的に主人公が思いつけばなんでもできる、
治療もバリアも、テレポートだって特に努力もなく思いつけば可能になる。
終盤はエルフの問題を解決する流れになるが、
特に新鮮味も面白みもなく、
素材収集家のはずなのに医者の真似事をまたやり始める。
タイトル通りにやれとは言わないが本筋がぶれている。
一応思い出したかのように素材収集し始めることも有るのだが、
そもそも、そこの面白みがないため素材収集したところで
この作品らしい面白さが生まれるわけでもない。
最初から最後まで味がしない作品だった。
総評:制作側もつまらないと思って作ってます?
全体的に見ていつもの「アルファポリス」作品らしい薄味さだ。
アルファポリス小説原作のアニメは作画崩壊か薄味かのどちらかであり、
この作品の場合は後者だ、ひたすら薄い。
よくあるなろう系の要素にほんの少し素材収集家という要素を足しただけで、
何の新鮮味もなければ盛り上がりどころや面白みみたいなものもない。
主人公の目的らしい目的はなく、色々な仲間とともに
のんびりと旅を続けるだけで、それの何が面白いのだろうかと思うほど味がしない。
キャラクターの魅力も特になく、アニメーションとしての見所もない。
主人公の旅をきっかけに世界が変わっていくというのをやりたいのはわかるが、
この世界に対しての興味がわかず、繁栄しようが滅びようがどうでもいい。
なろう系作品も多く生まれ、そんな中でも作品としての特徴を
出そうとしている作品が多い中で、この作品はそれをしていない。
そもそもアニメ前はwikipediaすらろくになく、
アニメ放送中にできたものの、申し訳程度のあらすじと
キャラ紹介くらいしかない作品だ。
制作側もこの作品のどこが面白いのかを理解していないのだろう。
だから作品全体にフックがなく、面白みというものがない。
オモシロイと思って作っていないのだから面白くなくて当然だ。
そんな制作側の気持ちが伝わってきてしまうほど
薄い味付けになってしまっている。
なぜアニメ化したのか、そもそもの部分での疑問を感じる作品だった。
個人的な感想:無味
びっくりするほど最初から最後まで感情が揺り動かされず、
ひたすら味のしないストーリーとキャラを見ているだけの作品だった。
作画崩壊したり、設定的にすごいツッコミどころがあれば、
そこを逆に楽しむということもできるが、それすらない。
テンプレな設定でどこかで見たことのあるようなキャラで、
先が読める話をやってるだけだ。
チートな能力もあっても俺つえー的な爽快感はあまりなく、
本当に何が面白いのかわからない。
なろう系作品も限界であることを象徴するような作品かもしれない。



