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鬼滅の刃逆張りアンチメタ「桃源暗鬼」レビュー

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桃源暗鬼 アクションアニメ一覧
画像引用元:©漆原侑来(秋田書店)/桃源暗鬼製作委員会
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評価 ★★☆☆☆(30点) 全24話

【スペシャル動画】5分でわかる桃源暗鬼【#桃源暗鬼 】

あらすじ 銃が好きな少年・一ノ瀬四季は、高校を退学になるほどの問題児。謎の男に襲われ、四季の運命は大きく動き始まる 引用- Wikipedia

鬼滅の刃逆張りアンチメタ

原作は週刊少年チャンピオンで連載中の漫画作品。
監督は野中阿斗、制作はスタジオ雲雀。

桃太郎

この作品の世界では桃太郎のあの物語が現実のものと語られている。
凶悪な鬼がいて、桃太郎が退治した。そんな日本のありきたりな物語だ。
そんな物語が物語ではなかった世界の現代で、
1話冒頭ヤンキー的な主人公が高校を退学するところから物語が始まる。

退学理由になにかもっともらしいことがあればマシだが、
問題児が喧嘩をして退学させられている。
主人公の家庭環境は複雑であり、実の両親はおらず、
義理の父のもとで育っている。

そんな平和な日常の中で主人公はいきなり「桃太郎」に
襲われるというところから物語が動き出す。
義父いわく主人公は「鬼の血」をひく鬼であり、
「桃太郎」は桃太郎の血をひくものだ。

桃太郎いわく鬼は人間に仇なす者であり、桃太郎は鬼と戦争しており、
鬼は人間の中に隠れて生活している。
そういった基本設定をわかりやすく1話では説明してくれるものの、
いまいちピンとくるものはない。

義父が実は桃太郎でーなどのバックボーンは描かれるものの、
キャラクター的なフックも薄く、物語としても弱い。
桃太郎いわく鬼は人間に仇なす者らしいのだが、
主人公は別に日光に弱いだけでも人間を食べるわけでもない。

なぜ桃太郎は鬼を殺すのか。
そういった疑問があるからこそ義父は幼かった主人公を
桃太郎の立場を捨ててまで匿っている。

桃太郎は鬼が凶暴だからこそ狩っているようだが、
刺激しなければただの人だ。桃太郎が刺激するから鬼が暴走する。
これが本人の意思と関係なく暴走したり、社会問題になるレベルで
鬼が暴走するなら桃太郎側の意見もわかるのだが、別にそうではない。
序盤の時点で物語がだいぶ矛盾しているように感じてしまう。

鬼は力に目覚めると「血」を操れるようになるという点も、
鬼滅の刃の血鬼術を彷彿とさせてくれるのだが、
父を失った主人公の前に唐突に「鬼」が現れ
鬼の養成機関に連れ去られる。いわゆる学園だ。

ジャンプで言えば王道的な展開、ジャンプらしい展開と飲み込めるが、
露骨にチャンピオン作品がジャンプを意識しまくった
作品を作ってるなーと、どこか10歩くらい後ろから見てしまう感覚になる。
王道的な作品を作ろうとして王道作品の要素を取り込んでいるのは分かるが、
それが王道ではなくテンプレ、よくある要素や展開になっている。

師匠的なポジションの先生キャラや生徒たちなど、
主人公含めどのキャラクターも基本的にオラつきまくっており、
ガラも悪ければ口も悪い。

序盤はそんなオラツキ先生とオラツキ主人公とオラツキ同級生が
掘り下げられて描かれているが、キャラの魅力が薄いため
話のどうでも良さも極まってくる。

CG

戦闘シーンのクオリティ自体はそこそこ高いのだが、
この作品はそんな戦闘シーンの描写において瞬間的に
「CG」を使うことが多い。引きのアングルで立体的な描写や
複雑な動きを見せるときに使っているのだが、そのCGが露骨に
CGっぽさがでていて悪目立ちしてしまっている。

CGになると一気にキャラの「重さ」のようなものがなくなり、
ふわっとした無重力感が生まれる、
何年前のCGの欠点だよという感じの欠点を露骨に感じ、
アニメのCGというよりはゲームのCGっぽい感じだ。

鬼たちが能力を使うときにいちいち
パチスロの演出のように「血触解放」と出るのもダサい。

ホスト桃太郎

桃太郎たちは白い衣装に身を包んでおり、
金髪で白いファーを巻いていたりもする。
どことなく「ホスト」っぽさが全開だ、桃太郎らしさは一切ない。
桃太郎らしさとは一体何?と言われたら謎では有るものの、
話が進んでも桃太郎側の行動には納得できない。

鬼が暴走すると市民に危険が及ぶ。だから鬼を倒す。
だから分かるのだが、視聴者目線では鬼が暴走して一般市民を殺すような
シーンが一切無く、桃太郎たちが暴走してない鬼の子供を虐待したり、
人体実験したりと、悪逆非道の限りを尽くしている。

鬼たちが桃太郎たちのアジトを襲撃したり、桃太郎たちを虐殺したり、
桃太郎たちをとらえて人体実験したりしてるわけではない。
桃太郎たちがホスト、鬼たちがヤンキーやヤクザっぽい感じもあいまって、
歌舞伎町あたりでホストとヤンキーが抗争してるような感覚だ。

世界観的にこの桃太郎と鬼の対立構図に、
なにか秘密があるのはわかるが、それを見せてくれないため、
ずーっと桃太郎と鬼との戦いに違和感がある。

この作品が明らかに意識している鬼滅や呪術廻戦といった
ジャンプ作品なら序盤の段階で敵の悪さがきちんと明確に描かれ、
それを見てる側も納得できるからこそ戦いに熱中できる。
だが、この作品ではそれがないからこそ違和感しか残らない。

鬼たちは桃太郎たちから隠れて住んでおり、
鬼は人間と血液構造が違うため、覚醒すると人間の病院にもいけず、
桃太郎から隠れるためにろくに学校にもいけないという
エピソードが描かれたかと思えば、その割には主人公は自らが鬼とも知らず、
呑気に高校まで通って中退している。

ちょっとこの世界における鬼の立ち位置がよくわからない。
鬼もそれなりの数がいるうえに組織的に行動しており、
それならば学校や医療機関がもっと発達してても良さそうなものなのだが、
見ていて飲み込みにくいものがずっと続く。

どうでもいい

序盤をすぎると鬼のアジトに桃太郎がやってきて、
大惨事になり、主人公の同級生的なキャラ達が戦うのだが心底どうでもいい。
そもそも主人公との関係性も希薄なキャラの戦闘だ。
そのキャラにはこういう過去があってこういうキャラですと
ご丁寧に回想付きで説明してもキャラの掘り下げにはならない。

キャラが多い割にはキャラの掘り下げ、描写が下手くそすぎて
キャラの印象がろくにつかず、似たような顔、似たような髪型の
キャラも多いため終盤になっても特に名前すら頭に入らず終わる。

設定も、キャラクターもいまいち上手く使いこなせていない。
主人公も同級生キャラの一人もヤンキーで被っており、
メインキャラの時点で属性が被っているというのは謎だ。

穢土転生

主人公は強敵と戦うことになるのだが、そんな強敵は
死んだ桃太郎を人形にして戦う。穢土転生だ(苦笑)
木の棺桶からでてくるあたりも露骨であり、この作品は
色々な作品の色々な要素を覆い隠さずにそのまま出してくる。

オマージュといえばオマージュでは有るものの、
オマージュという言葉では収まらないほどの露骨さがあり、
それで面白いならばいいのだが、面白くないからこそ厄介だ。

そんな強敵と主人公が戦ってるのに
どうでもいい観光客の避難をグダグダと描いている。
コレもメインキャラ、ヒロインの一人を掘り下げるための描写なのは分かるが、
せっかく主人公が強敵と戦ってるのに観光客の避難をグダグダ描かれても
話の腰が折れるだけだ。

主人公は実は鬼神の子と呼ばれる特別な存在の一人であり、
その力は「炎」だ。血はどこへ行ったんだと言わんばかりに
心を燃やし、戦って勝利を掴む。
鬼神の子は他にも7人いて、桃太郎の部隊は22部隊以上いて…と
先、物語のゴールが一切見えないのも問題だ。

実はいい桃太郎なんだよ!

桃太郎の死に際、そんな桃太郎の過去が描かれる。
鬼滅の刃でもやったような回想シーンで桃太郎の過去を語るものの、
結局、その過去も「桃太郎」が「鬼」を追い詰めたせいで
鬼が暴走して「桃太郎」や「桃太郎」の家族に被害がでてーという
自業自得な結末が描かれる。

桃太郎が手を出さずに鬼が暴走するシーンが一切ない。
だからこそ鬼滅の刃のごとく敵の過去回想を描いたところで、
そんな桃太郎の過去に何があろうが同情の余地もなく、
悪逆非道の限りを尽くしている桃太郎が実はいい人なんです的な
描かれ方をしても特に印象が変わるわけでもない。

この作品の構造はヤンキーアニメそのものだ。
ヤンキーたちもよくわからん理由で殴り合って、
敵のヤンキーがなんでヤンキーなのかが過去回想で描かれたりするが、
結局、よくわからん理由で殴り合ってるため面白さが生まれない。

その構図そのままであり、そこに鬼滅の刃などのジャンプ王道作品の要素を
逆張り的に詰め込んでいる。
だが、根本はヤンキーアニメのため、それらの要素が王道の面白さではなく、
テンプレ的な要素でしかなくなってしまっている。

出会い

中盤になると主人公は「桃太郎」と走らずに一人の人物と出会い仲良くなる。
相手も主人公のことを「鬼」と気づいていない。
つまり、桃太郎も鬼もなにか特別な電波や見た目とかでは
桃太郎か鬼か人間かを判断できないということでもある。

基本的に桃太郎が鬼を見つける手段は、鬼が血を使ったかどうかだ。
その地の力を使えば街の監視カメラなどで捉えられ見つかる。
ならば使わなければ一生見つからないのでは?と
根本的な設定の矛盾がいつまでも気になるが、
もはやここまでくると我慢するしか無い。

それでも鬼側のメインキャラの一人の父親が
「鬼」とは気づかずに結婚して子供も二人生まれている。
だが妻が鬼とわかり、娘も鬼とわかり父親に殺され、
メインキャラの一人も父親に殺されかける(苦笑)
結婚した桃太郎があまりにも滑稽だ。

そんなうっかり桃太郎が多いせいで鬼が暴走し一般市民の被害者も生まれ、
桃太郎が鬼とわからずに結婚して子供を作って鬼を増やしたり、
鬼とわからずに友だちになったりと、
桃太郎サイドのうっかりがあまりにも多い。

うっかり桃太郎さんとうっかり主人公は
互いの正体を知らずに出会ってしまい、策略にも巻き込まれ
勘違いされ戦うことになる。まるですれ違いコントだ。
主人公がいくら言い訳しても、基本的に桃太郎サイドは
人の話を聞かないバカが多いため主人公の言い訳を聞くこともない。

能力バトル

この作品はいわゆる能力バトルアニメだ。
ただ、その能力自体がいまいち面白くない。
桃太郎側は黒い細菌みたいな力で特殊な能力を使うが基本的には何でもありだ。
細菌みたいなものでタロットカードから色々なものを召喚する敵だ。
剣士だったり戦車だったり。

そんな敵に対して主人公側の強者である「先生」が戦う。
この先生は血を傘にして血の雨で戦うのだが、傘なのに血の弓兵を出したりする。
他にも血の形をした巨大な女性を召喚したりと、
傘なのに色々なことができすぎて謎だ。

他にも血の能力で「レーダー」みたいなことが出来るやつがいたりと、
「血」を操るでは納得できないキャラも多く、
このあたりの詰めの甘さが作品全体の詰めの甘さにも繋がっている印象だ。

主人公は銃を使って戦うものの、特にそこの面白みもない。
すれ違いコントの相方である終盤の桃太郎も、銃を使う。
バカスコバカスコ打ち合うだけの戦いは絵面としての面白みもなく、
ピンチで覚醒して、暴走してというありがちな展開だ。

そもそも、その銃自体の性能もそこまで高いようには見えず、
必殺技的な強力な技はともかく、通常攻撃するだけなら
本物の銃器のほうがいいのでは?と思ってしまう。
そう思ってしまうのは能力バトルとして致命的だ。

最後はそんなすれ違いコントがおわり、
桃と鬼の状況をなんとかしようと動き始めた所で
1期は終わる。

総評:結局ヤンキーアニメやないかい!

全体的に見て微妙な作品だ。
作画のクオリティは悪くないものの、戦闘シーンにおける
ポイントポイントでのCGの使い所はかなりの違和感を生んでおり、
戦闘シーンがメインの作品なのに戦闘シーンが記憶に残らない。

設定的にもあえて明かしてないせいか違和感があり、
桃太郎という正義の味方な存在が鬼に対して悪逆非道の限りを尽くし、
その理由も鬼が危険だからというものなのだが、
桃太郎のせいで鬼が暴走して桃太郎や人間が死ぬという
因果応報な状況になっている。

この世界における桃太郎や鬼の立ち位置がいまいちわからず、
彼らの能力の源である血や細菌なども説得力に欠ける部分があり、
そのあたりの根本的な設定の部分の説得力に欠けるため、
ツッコミどころも生まれてしまっている。

キャラクターたちも基本的にはガラの悪いヤンキーであり、
そんなガラの悪さや戦う理由の不明瞭さもあいまって、
ヤンキー同士が構想しているようにしか見えない。

週刊少年ジャンプ的な王道なノリをチャンピオン的な
ヤンキーテイストでやりたかったのはわかるが、
それが露骨に見えてしまう要素も非常に多く、
それで面白ければいいのだが、微妙故に露骨な要素の数々も
引っかかりに繋がってしまう。

露骨な下ネタもかなり好みが分かれるところであり、
セックス、生理、童貞などの言葉を当たり前のように使う。
下ネタは各々の好みもあるが、個人的には下品さと
雰囲気の合わなさもあって、笑いづらい要素だった。

個人的な感想:2期

一応2期の制作が決まっている。
ここから色々と設定が明らかになってくるのかもしれないが、
鬼神とやらの子供も残り7人もおり、
原作でもまだ主人公含め3人しかでてきてないようだ。

先の長い話である。
こういう終りが見えない話は個人的に受け付けないため、
2期は個人的にはおそらく見ることはないだろう。

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