PERSONA – trinity soul –


PERSONA - trinity soul - 感想


評価/★★★☆☆(45点)


PERSONA - trinity soul - 感想

制作/
監督/
声優/岡本信彦,子安武人,沢城みゆきほか


あらすじ
日本海に面した富山県の新興都市“綾凪市”。10年前から東京の親類に預けられていた神郷慎と洵の兄弟は、兄である諒のいる実家に戻ってきた。



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がっちがちの硬派アニメ

原作はPS2で発売された「ペルソナ3」を元にしたオリジナルアニメ
ペルソナ3の10年後という設定ではあるが、
ペルソナ3をやっていなくてもほぼ問題はない。
やっていれば「楽しめる」要素があるだけだ

基本的なストーリーはサスペンスファンタジー・・・と言うところだろうか?
とある事情で昔住んでいた街に戻ってきた兄弟、
しかし、その街では人が唐突に「無気力」になってしまう現象が起こっており
それに並行して人がまるでひっくり返ったように殺される
「リバース事件」が起こっていた。
その裏ではペルソナと呼ばれる不思議な力が関わっていたという感じだろうか?

ストーリーについて語る前に本作では語らなければならないことがある。
それは戦闘シーンだ。
ペルソナという作品はシリーズを通して自分からもう一人の自分を
神様や魔物の姿に模して具現化させ、それを持って戦う。
今作でもそれは同じだ。
だが、その大事な部分は基本的にダメすぎる

なぜかペルソナは半透明に描かれているという意味不明な描写。
戦闘シーンは夜に行われる場合が多く、なおかつ半透明なので
「目を凝らせなければ戦闘シーンがよくわからない」という
迫力不足どころではない描写だ。
なぜ半透明にしたのだろうか?霊的存在だから半透明という感じなのだろうか
理解に苦しむところだ。

後半にかけて、ややペルソナの色が濃ゆくなったのは
視聴者の意見を反映したということなのかもしれないが
若干濃ゆくなってもバトルシーンの迫力のなさは残念だ。

だが、その反面ストーリー的には面白い。
ペルソナが原因で起こる事件に徐々に巻き込まれていく兄妹、
この前半部分は伏線を張り巡らされるために使われている
尺的に全26話というのを上手く使っているといえるかもしれない

前半の主人公は主人公の兄が主人公といえる。
彼は10年間主人公たちと離れて生活しており、冷たい態度で彼らに接する。
だが内心では彼らを大切に思っており、長男という立場で
体を酷使しペルソナを使うさまは魅力的だった
前半最後での彼の行動とその結果は、それまで地味だった本作品に
一気に引き込まれる内容になっている。

後半からはそれまで登場したキャラクターの過去や
隠していた心情が明らかになる、だが、
前半からの伏線を生かしための要素が「難解」だ。
ストーリーの流れはわかるのだが、細かい部分が理解出来ない場合が多い
大まかにはわかるのだ、だが、逆に細かい部分を突っ込まれると
説明に困るという感じだ。

だが、逆に言えばこのアニメらしいとも言える。
このアニメはひたずらに硬派を貫き通しているのだ
あえて細かい説明はしない、あえて激しくは描かない、あえて余計な描写はしない。
男は背中で語るじゃないが、細かい部分は視聴者になんとなく
「悟らせる」事に重きを置き、独特の雰囲気を醸し出している

この部分は名前を出すのはなんとなく気が引けるが
「新世紀エヴァンゲリオン」に似ている。
DVDの補足説明や解説サイトを見た後で、もう1度作品を見直すと
分かる部分が多い。

さらに言えば後半からは主人公よりもサブキャラのストーリーが光る
各々の抱えた事情のストーリー展開は泣ける話も多く
主人公よりもサブキャラクターが魅力的に描かれており、
特に「森本」は人間的な魅力と丁寧な心理描写が光っていた

ただメインであるストーリーが最終話付近でいっきに
過去話でいろいろな伏線を回収したりするといういきなりの急展開。
この最終話付近は色々なことを詰め込みすぎてしまっていて
難解な内容と伴ってついてくのが厳しい。

全体的に見ていろいろな部分が惜しいと感じる。
戦闘シーンはなぜかペルソナが半透明で、透明感が薄まっても
迫力にかける戦闘シーンは残念だ。
「記憶に残るシーン」というのがあまりない。

ストーリーに関しても前半のゆっくりとした丁寧な描写は
人によっては退屈に感じ、その中でいろいろな伏線を盛り込み
最終話付近で旧展開させるという尺の使い方を間違えているストーリー構成は
かなり致命的だ。
だが、根本にある硬派なストーリーは昨今の説明しまくり
ご都合主義全開のアニメとは違い、敢えて語らず敢えて無駄な描写をせずに
堅実に本作品を作り上げていた。

恐らく2回見れば面白さが伝わるが一回見ても伝わりづらいという感じだ。
だが、2回見るには2クールという尺や盛り上がりに欠ける序盤や戦闘など
精神的にも体力的にも時間的にも厳しい。
堅苦しすぎたといえばわかりやすいだろうか?
もう少しだけ肩の力を抜いて作られていれば見やすさが変わったかもしれない。

面白いか、面白くないか。
そう問われれば本作品は「独特の面白さ」があるのだが、
逆に面白くなるまでの時間がかかりすぎてしまっていた。

しかしながら、沢城みゆきさんの双子の男の子と女の子の声の演技の違いや
子安武人の演技など声優さんの演技が光る部分も多く
そういった意味での見所もある。

良い意味でも悪い意味でも原作ゲームの
それまでの「ペルソナ」シリーズの取っ付きにくさを
再現してしまっていたような印象だ。

個人的には昔1度見て、レビューにあたって見なおしたが
昔よりも本作品が面白く感じられた。
当時は「なんでペルソナ透明なんだよ!」と突っ込んだだけで
ストーリーの面白さを味わう前に視聴をやめてしまっていた(苦笑)

もし本作品がリメイクされれば・・・いや、
劇場版などで2時間版ほどの尺で描けば非常に面白くなるのでは?と
私は内心思っているのだが・・・その可能性はかなり低そうだ(笑)

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