鼻下長紳士回顧録」

2016年6月29日

評価/★★★☆☆(56点)

スポンサーリンク

耽美なる世界へようこそ

本作品は日本アニメーター見本市という企画の中の一本、
原作は安野モヨコによる漫画作品、制作はコルク

見出して感じるのは「レトロ」さだろう。
まるでサイレント映画のように文字のセリフと映像が流れる
モダンな空気を匂わせる中でまるで「純文学」のようなセリフが綴られる中で
描かれている内容は「変態」だ(笑)

これだけおしゃれに、これだけシックに演出し映像として描写しているのに
描かれていることはフェチズムあふれる独特な変態性の数々。
これだけおしゃれに描かなければ下品過ぎる内容をあえて、
おしゃれに描くことで二律背反的な作品として作り上げており、
真面目なのかギャグなのか、よくわからない内容になっている(笑)

たとえるならば右半身はタキシードを着ているのに、
左半身は真っ裸のような何とも言えない衝撃をこの作品から感じ、
非常に癖のある作品ではあるのだが、
その癖がたまらなく妙に印象に残る作品だ

ただ、これは4分という短い尺だからこそ許される。
これが30分も続いてしまえばさすがにきつく、
4分という尺だからこそ、この癖のある演出を「面白い」と感じることができる
内容的にも浅いんだか深いんだか、見た後になにか残るようで残らない(苦笑)
非常に空虚な作品ではあるのだが、その空虚さが妙に癖になる。

こういった「モダン」でハイカラな作品は
テレビアニメでは絶対にできない、はっきりいって売れないからだ。
日本アニメーター見本市という企画だからこそ、
4分という尺だからこその作品といえるだろう。

全体的に見て出落ち的な感じのある作品でもあるのだが、
その出落ち的な感覚が4分間続き、
面白いのだが素直に面白いとは言いがたい癖を秘めている作品だ。
変態的な要素を描いて入るものの、不思議とあまり嫌悪感が湧きにくく
モダンなサイレント映画的演出と「変態」というストーリー内容が
絶妙なバランスで綱渡りしているような作品だ

ただ、いじわるをいってしまえば芸大の奇をてらった
卒業制作作品という感じも否めず、
言い方は悪いが「プロが作った卒業制作」というのも同時に感じてしまう作品だ
映像が非常によく出来てはいるがよく出来ているだけに
もう一歩そこから踏み込んだ何かがほしいという欲が生まれてしまう。

原作漫画もWeb上で同時に公開されているが、
アニメとは違い癖がないからこそ逆に続きが気になる感じがあり
原作も読んでみたいと感じさせる内容になっている。
この内容をどうやって広げてストーリーを展開していくのか・・・
物凄く気になって原作の続きを読んでみたいところだ