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「僧侶と交わる色欲の夜に…」レビュー

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評価 ★★★☆☆(50点)全12話

あらすじ 大学生の美桜は中学の同窓会でかつて片想いしていた隆秀と再会するが、彼は実家の寺を継いで僧侶になっており、頭は剃髪して丸めていた。引用 – Wikipedia

君も出家しないか?

原作はネットの広告でよく見かける電子書籍サイト、
めちゃコミックなどで連載中の漫画作品。
監督は荒木英樹、制作はアニメーションスタジオ・セブン。

1話5分ほどの短編アニメであり、地上波版とアニメZONEという
配信サイトで配信されているものと描写が違い、
いわゆる本来はR-18な作品となっている。

この作品をきっかけに「僧侶枠」という言葉が生まれ、
なんと2023年現在までそれが続いている。
誰が6年前にこの放送枠が6年も続くことなど想像しただろうか(苦笑)

初恋の人は出家

1話というか作品全体で作画の予算はかなり低い。
1話冒頭からヒロインの自分語りという名のモノローグとともに
同窓会での飲み会の光景が映し出されるが、
クォリティの低い1枚絵をだらーっと見せるだけだ。

ヒロインのキャラクターデザインも古臭さが凄まじく、
2017年の作品というよりは90年代くらいの作品にすら見えるほど
キャラクターデザインの古臭さは凄まじい。

学生の時に好きだった男子が居たものの告白もせずに卒業し、
同窓会で再開すると彼はツルッパゲになってしまっている(笑)
ハゲたのではなく、彼は実家を継ぐために「僧侶」になるために
剃ってるだけなのだが、
ヒロインにとってはかなり衝撃的な出来事だ。

「初恋の人が坊主、私の人生ってなんだろう」
「へんなの、坊主のくせにまつ毛めっちゃ濃い」

こんなセリフ、この作品くらいでしか聞くことができない(苦笑)
初恋の人が出家してしまえば衝撃的なのは分かるが、
坊主のくせにまつ毛が濃いというツッコミは意味不明でしか無い。
坊主はまつげが長いと駄目なんだろうか(笑)

僧侶の前に男

初恋の人が出家し僧侶になってしまう。
そんなとんでもない展開だが、僧侶も僧侶で
「僧侶の前に俺だって男だよ」
と言い放ちヒロインを襲う(笑)

僧侶は僧侶でも今作の場合は「生臭坊主」だ。
酒も飲めば肉も食し、女も食らう。
僧侶らしい部分といえば「坊主頭」くらいだ。

この作品は僧侶枠であるがゆえにセクシーシーンも多いが、
YouTubeなどの場合は規制されてるシーンも多い。
そんな規制シーンを隠しているのが「TERA劇場」だ(笑)
僧侶のかっこいい1枚絵とともに僧侶がかっこいいセリフを吐くシーンを
セクシーシーンに被せることで規制している。

この謎のTERA劇場が唐突に挟まれるせいで
妙なシュールさが生まれてしまっており、
「僧侶」の印象がみている側に強烈に残るようになっている。

話によっては1話あたりの尺のうちの8割ぐらいが
TERA劇場のこともある、本編で何をしているのかまるで分からないが、
僧侶の印象だけは残るストーリー構成だ。

婚約者

そんな生臭坊主に襲われたヒロインだが、
唐突に彼の実家に連れ込まれ「婚約者」として家族に紹介される。
意味不明だ(苦笑)
お見合いを避けるために彼女を婚約者のふりをサせたのは分かるものの、
展開があまりにも唐突すぎてヒロイン同様に展開についていけない。

彼のことは好きだが、彼の本心がわからないのに、婚約者のふりをさせられ、
彼の実家でも構わず襲われる。
自分の気持ちと彼の気持ちと今の状況に混乱しながらも、
彼の婚約者として寺に家族とともに住み込んでいる。

ヒロインが状況に流れすぎて笑うしか無い(笑)
嫌といいつつも抵抗せずに彼を受け入れる彼女と、
彼女をからかいつつも、彼女に嫌われることが嫌な僧侶。
この二人の恋愛関係が丁寧に描かれている。

このあたりは僧侶枠の初期作品ということもあり、
1クール全12話という最近の僧侶枠のアニメに比べて長いからこそ、
丁寧にキャラクター描写できる部分があるのだろう。
多少の強引さや流されっぷりはありつつも、
物語の起承転結が意外に整っている。

当て馬

僧侶枠は伝統的に「当て馬」キャラが存在する。
ヒロインと思いを寄せる男性の恋路を邪魔するかのような
第三者が物語の中盤で現れることはもはやお約束だ。
そんなお約束が1作品目から生まれている。

僧侶枠と呼ばれて6年、そんな僧侶枠を構成する要素が
一作目でぎゅぎゅっと詰め込まれている。
流されるヒロイン、1話目でパコパコ、大人のキッザニア要素、
当て馬キャラ、ツッコミどころのある展開。

流石は僧侶枠という名前が生まれることになった1作目にふさわしく、
僧侶枠の面白さ、僧侶枠らしい要素が1作目に詰め込まれている印象だ。

しかも、今作の当て馬キャラは僧侶の弟だ。
兄は出家、弟は家出。
なにかのジョークだろうか(笑)

お幸せに

弟が平然とヒロインに手を出そうとする中で、
自分を安心するために、自分のものであることを証明するために
弟の前で事に及ぶ。
とんでもない展開に笑うこと以外できないのが元祖僧侶枠だ(笑)

互いの気持ちのすれ違いや僧侶が僧侶になるための学校に通ったりと、
色々とあった中で最後は雨降って地固まる展開だ。
1クールで物語の起承転結がスッキリしており、
初代僧侶枠作品にふさわしいどっしりと構えた面白さのある作品だった。

総評:これぞ聖典!アニメ界の風雲児!

全体的にみて僧侶枠が始まったばかりの頃は
この作品に対して色々と思うところがあったものの、
僧侶枠が6年も続いた今だからこそ評価も変わってくる作品だ。
後の僧侶枠に受け継がれている要素の数々、シュールな要素や
怒涛の展開の数々は僧侶枠らしいつっこみどころがうまれている。

放送当時は低クォリティのセクシーアニメでサンプル動画を地上波で流す
やり方があまり好みではなかったが、6年ぶりに見返すことで
かなり視点や印象が変わる作品だ。

キャラクターデザインのふるさや作画の悪さは感じる部分はあるものの、
6年ぶりに見返す原点という名の聖典は感慨深いものがある。
規制の強さはかなりあり、その規制ゆえのTERA劇場などの
シュールなシーンの数々が妙にツボに入る。

私自身の僧侶枠に対する印象が変わったからこそ、
6年という月日がこの作品の評価の変化にも繋がった。
時代が僧侶枠に追いついたと言えるかもしれない(笑)

個人的な感想:なんだと…?

レビューを書き直すに当たり原作がどうなってるのかを調べたところ、
驚くことに未だに連載中である。
2014年から連載が始まった本作品だが、今年で9年目を迎え、
来年には10年だ(苦笑)

アニメを見た限りの内容しかしらないものの、
この内容だけで10年、コミックにして9巻もどうやって
引き伸ばしているのだろうか…
ちょっとよくわからない原作の長期連載ぶりに、
僧侶枠の謎と魅力は深まっていくばかりであった

「僧侶と交わる色欲の夜に…」は面白い?つまらない?

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