true tears

true tears感想

評価/★★★☆☆(59点)

true tears感想

制作/P.A.WORKS
監督/西村純二
声優/石井真,高垣彩陽,名塚佳織,井口裕香ほか


あらすじ

絵本作家を目指す高校生「仲上眞一郎」は、仲上家に引き取られてきた同じ高校に通う「湯浅比呂美」、そして両親の4人で暮らしている。眞一郎の母は、ある理由から比呂美につらく当たっていた。
ある日、眞一郎は学校の裏庭で、木に登って降りられなくなった少女「石動乃絵」と出会う。彼女は過去に起こったある出来事がきっかけで、涙が流せなくなったのだという。眞一郎は彼女との出会いをきっかけに比呂美、親友「野伏三代吉」、幼馴染み「安藤愛子」らとの関係や、自分自身との向き合い方に変化を生じさせていく。彼らはそれぞれに悩み、すべきことを模索し、成長していく。

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昼ドラ的青春恋愛アニメ

まず最初に見て思うのは、背景の凄さ。
木やロッカー、家、丁寧に細かく描かれた背景は近年稀に見る出来栄えだった。
キャラクターも肌の質感や表情もしっかりと造られており
まさに「美人&美少女」ここにありというキャラクターデザイン。
ストーリーは、電波的な少女に木の上から話しかけられたところから始まる。
三角関係を中心としたラブストーリーだが、その中に昼ドラ的要素を織りまぜている。
主人公に鶏の餌を上げる電波的な乃絵、清純な優等生の比呂美、
明るく活発で背が小さい愛子と3人のヒロインのキャラクターがいい。
全13話の中で3人のヒロインの問題や過去に触れながら、
主人公に対する恋愛に素直になっていく様がしっとりと切なく描かれている。
秋や冬の空気感も出ており、リアルな雰囲気を醸し出していた。
ただ、せっかくの良い雰囲気を昼ドラ的要素が邪魔をする。
特に主人公の母親、かなり強烈(苦笑)
ヒロインの一人である比呂美には異常なまでに冷たく厳しい。
夫と比呂美の母親が不倫していたのではないか?という疑問があり
冷たく当たっていたというのはわかるのですが、その疑問がすっきりと解決しない。
更に3人目のヒロインである愛子の扱いが酷い。
好きな人の紹介で好きな人の友人と付き合う時点でおかしな感じがしているが、
今も主人公が好き。
主人公が別ヒロインと付き合う宣言をしたら、唐突にキスまでする始末。
健気で可愛らしくて個人的には好きなキャラクターなんですが・・・
後半になるにつれて空気的存在になり、思い出したかのように出て来る。
可愛らしいキャラクターなだけに生かしきれていないのが残念。
全体的に良くも悪くもギャルゲー原作だな。という感じ。
所々で「あ、ゲームだったらこっちルートあるのかな?」というような
ストーリーに釈然としない感じが残る。
1つ1つのルートは面白いのだが、色々なルートをかけ合わせてしまった結果、
ストーリーの展開につまずきを感じた。
更に主人公と比呂美の血縁疑惑や父親の不倫問題、冷たすぎる母親など
この作品の中に馴染めない要素が入り込んでおり、
ストーリーを芯を支えるものが安定しておらず、
見終わったあとに「すっきりとしない」感じが残ってしまった。
しかし、全体的にキャラクターの心理描写は丁寧に描かれている。
上記のようなマイナス点はあったが、普通のアニメなら描かないような
キャラクターの心の深い部分を表現しており、リアリティのある人間関係や複雑模様を描き、
アニメで1つの「恋愛」を表現している作品だ。
ある種、本作品は素直な視線で見れば傑作だ。
ヒロインの心情と主人公のすれ違いや絡みは見ていて引き込まれるものがある。
しかし、私のようにレビューするために「あら」を探したり
作品の世界観に張り込めない人にとっては微妙な印象が残ってしまうかもしれない。
最近のアニメにありがちなセクシー要素はなく、
あえて言うならリアリティのある着替えシーンぐらいだが
「真面目」なアニメをお探しの方には是非、このアニメを勧めたい。
若い世代の複雑な恋愛模様と人間関係を味わえるだろう。
非常にレビューの難しい作品です。
作画や音楽、声優さんはとても素晴らしく底だけ見れば名作。
しかし、ストーリーがリアリティを演出すために過剰に出すぎており
比呂美、愛子、乃絵、この3人のうち誰好みかでも作品の評価が分かれる。
今後、この作品に似た作品は今の風潮から考えると少なくなっていきそうですね(苦笑)
そういった意味では貴重な作品です。