青の祓魔師

2011年10月10日


青の祓魔師感想

評価/★☆☆☆☆(13点)


青の祓魔師感想

制作/A-1 Pictures
監督/岡村天斎
声優/岡本信彦,福山潤,藤原啓治,神谷浩史ほか
全25話


あらすじ

主人公・奥村燐は修道院で暮らす少年。同じ修道院に住み、有名高校へと進学する
双子の弟・雪男とは違い、高校にも行かず、就職先までもが見つからずにいた。
そんなある日、喧嘩相手の不良に起こった異変と同時に、燐は「悪魔」の存在を、
そして自らが魔神(サタン)の息子であることを知る。




超展開の連続だぜ!どうなってんだ

原作はジャンプスクエアで連載されている漫画作品、
表題的にも内容的にも放送枠的にも「鋼の錬金術師」と
かなりカブる部分がある気がするのは私だけだろうか(苦笑)

ストーリーはファンタジーアクション系
修道院で暮らす主人公が些細なキッカケで「悪魔」の存在が見えるようになる、
そして、自らがサタンの息子であることを知る、
しかし育ての親はサタンに取り憑かれたことで命を落とし、
主人公は自ら「祓魔師」になることになるという感じだろうか

序盤のストーリーは主人公の秘密と学園へ通い、
祓魔師になるための塾に通うところまで展開する。
ファンタジーな設定なのだが、舞台は現代でなおかつ日本、
この一見ミスマッチな舞台設定は世界観に入り込みづらい
更には「予想できる」ストーリー展開は意外性があまりない。

よくいえば王道的なストーリーではあるのだが、
「?」となる部分も多い。
主人公は序盤でエキソシストになると宣言する、だがその理由が
父親を取り憑き殺した「サタンをぶん殴る」為・・・
復讐とか、殺す!などの表現ではなく、何故かぶん殴る為。

これが主人公が本当の父親であるサタンや悪魔というものに対し
「自分も悪魔だから」という理由で、殺すとか復讐という表現を使わないという
描写などがあるならばまだしも、なぜか「ぶん殴る」という表現なのは非常に謎だ

ストーリー的に序盤で大きな展開があってから淡々と学園生活を描く
だが、話が進めば済むほど作りこみの甘さが目立ってくる。
本来、こういったファンタジーなストーリーの場合、
最初に設定があり、その設定に徐々に加えつつストーリーを展開してくか、
最初に設定を完璧に作りこみ、ストーリーをつけていくというパターンがあるが、
この作品の場合、最初の設定だけでストーリーを進める。

主人公はサタンの息子で狙われている、エキソシストになるという設定だけで
ストーリーを進めてしまい、その芯となる設定の他の設定が全くない。
その設定だけでストーリーが面白いのならいいのだが、
主人公が学園に来てからのストーリー展開は淡々とし繰り返す。

簡単にいえば「伏線」と言えるような伏線がなく、
唐突に誰かが襲ってきたりイベントが起こってストーリーが展開し
物語への終へ向ける根幹のストーリーが進んだか進んでないのかがわからない。

基本的に一話完結で次の話につながるような話ではないのが、そもそもの原因なのだが・・・
本来なら1クールという節目でもっと盛り上がりのある話をつけるところなのだが、
1クールの節目でも淡々とした話で面白みが感じられない。

主人公がエキソシストになるために「強く」なった描写や、
サタンを殴るためのストーリーが進んだようにも1クールでは感じられない。
1クールで進んだのは「主人公が色々ふっきれた」、
「主人公がエキソシストの中のパラディンになることを決めた」と
もう少し序盤でやってほしいことをようやく1クールという節目で行う
逆にその2話後、15話からようやくストーリーが盛り上がりだす。

主人公の秘密がクラスメイトにバレ、主人公が自らの力を制御しようと訓練する
1クールすぎてから、いきなりストーリーが動き出す。
これがもう少し早い段階で動き、間に淡々とした日常ストーリーを入れる
ストーリー構成なら、淡々とし過ぎる印象を薄くできたかもしれないのに残念だ

ただ、15話あたりからアニメオリジナルストーリーに切り替わり、
20話超えたあたりからの異様なまでのストーリー展開の速さは、
ちょっと許容できないほどの超展開だった。

それまでに散々淡々としたストーリー展開をしていたのに、
本当にびっくりするほどのストーリー展開。
これが面白いのならいいのだが、ストーリー構成から脚本まで
めちゃくちゃと言わざる負えないほど破綻した出来栄え(苦笑)
展開も異常に早いため「え?え?え?」と思ってる間に次の展開になり、ついていけない。

驚愕の展開といえば聞こえはいいが、まさにとってつけたような展開は
原作を愚弄しているんじゃないのか?と思うほど酷い
わざわざ2クールという尺を取りながら、
原作ストックがそんなにない状態でオリジナルストーリーを入れるしか無いと
わかっているのに、この出来栄えは製作は何を考えているんだろうと疑問視したくなる。

恐らくこの状態では原作通りの2期を作る事は不可能だ。
鋼の錬金術師のように原作準拠で作りなおすしか方法法はないだろうが、
鋼の錬金術師はある程度最初の作品も完成度が高く、人気も高かったが
本作品は本当に駄目にしてしまった。

これでは、原作ファンも本当に浮かばれない・・・
しかも、最初はあれだけ悪そうで主人公を悪魔の世界に連れ去ろうとしたサタンが
「いい悪魔」的な描写までしやがります。
と思ったら、サタンはいい悪魔じゃなくて悪い悪魔です展開に戻る。

意味不明だ。
サタンもあっさりと消えてしまい、俺達の戦いはこれからだ!END。
確かに序盤は淡々としすぎており王道展開が多かった、
だが、駄作と言い切れるほどのレベルではなく、キャラが気に入れば作画の良さもあり見れた

しかしながら、後半のオリジナル展開は見ていられない。
作画がいいのが唯一の救いだった
流石日曜日5時枠というべきか、A-1 Picturesの作画能力の高さもあり
クォリティは高く、迫力のある戦闘シーンは見ていて心地の良いアニメーションだ
特に主人公の能力である「青い炎」演出は美しく描かれており、
絵面的には高クォリティの作品だ

声優さんもきっちりとした配役でキャラのイメージと合っており不満はない。
オリジナル展開で林原めぐみさんを出したのは、
ファンとしては嬉しいのだが・・・なんか・・・うん・・・
劇場版も決まってるらしいが、監督と脚本家を変えなければ
更なる原作への愚弄が待っていそうだ。

全体的に見てアニメ化が早すぎた作品ではないのだろうか?
原作は現在7巻まで発売されており、アニメで言えば4巻までの部分から
オリジナルストーリーへと変わっている。
5巻からは長編ストーリーになり、ようやく物語にアクセルがかかってきたところらしい。

なぜ、オリジナルストーリーをやらずにこの長編までアニメ化したのだろうか。
同じ時期に2クールで放映された「日常」は原作の最新刊あたりまできちんとアニメ化、
青のエクソシストはなぜか2クールのうちの半分をオリジナルストーリーで構成・・・。

恐らく1クールでのアニメ化作品なら序盤の淡々とした印象も薄まり
テンポを上げて描写できたはずだ。
少ないストックを引き伸ばして更に引き伸ばしてしまったせいで
王道なストーリーと相まって、淡々とした印象が強く残ってしまった。

なんとも原作ファンが浮かばれない作品に仕上がってしまった。
原作ファンの方はかなり歯がゆい思いをしているのではないだろうか・・・
劇場版がどんな内容になるのかはわからないが、
同じ監督と脚本家では全く期待できない。
いろいろな意味で、どんな作品になるか楽しみではあります(苦笑)