機動戦士ガンダムAGE

機動戦士ガンダムAGE 第1巻 【豪華版】(初回限定生産) [Blu-ray]


☆☆☆☆☆(3点)


機動戦士ガンダムAGE 第1巻 【豪華版】(初回限定生産) [Blu-ray]

制作/サンライズ
監督/山口晋
声優/豊永利行,江口拓也,神谷浩史ほか


あらすじ
類が宇宙に進出して数百年が経過した未来の地球圏。宇宙の覇権をめぐり人間同士で争う血の時代を経て、地球連邦の成立を期に平和が訪れたかに思われたが、それは一瞬に過ぎなかった。
A.G.101年、突如地球圏に襲来した謎の敵UEによって、スペースコロニー「エンジェル」が破壊された事件「天使の落日」を端緒とし、UEと地球連邦軍の戦いは終わることなく続いていた。



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強いられてるんだ!色々と!


本作品はガンダムとしては14作目。
恐らくこのアニメに関して少しでも知識がある方は、
この作品の評判、及びストーリーを書いた日野氏の発言については色々と知っているはずだ。

本作の1話が放映された後からTwitterで不評が始まり、
ストーリーを書いた「日野」氏への様々な否定的なツイートが多く発言され、
話が進めば進むほどそれは増える。
また、それに対抗して「日野」氏もいろいろな発言をし、
いわゆる炎上の原因になってしまった。

そのせいか、作品本来の面白さを無視して叩くことがこの作品の見方の1つのような
感じになっている時もあり、1つの作品としてもったいない。
ただ、よくも悪く批判的な発言は的はずれなことではない(苦笑)

基本的なストーリーはロボットもの。
人類が宇宙に進出し数百年、人間同士の争いもあったが解決し
平和なときが訪れるかとおもいきや謎の敵UEによってスペースコロニーが破壊された
謎の敵の目的もわからぬままUEと地球連邦軍の戦いは続いていた
そんな中、主人公であるフリットは母の死に際に「AGEデバイス」を渡される
そのデバイスには「ガンダム」の設計図が入っていた。
この時から3世代に渡る戦いが描かれる・・・という感じだろうか?

見だして気になるのはキャラクターデザインだろう。
SEED、00はわりと「青年」が主人公として描かれていたが本作品では「子供」
そのせいかキャラクターデザインも幼く、
簡単に言えば線の少ないキャラクターデザインだ

制作しているのはレベルファイブというゲーム会社で
レイトン教授シリーズやダンボール戦機などを作っている。
そのせいかキャラクターデザインも子供向けの等身の低いデザインになっており、
今までのガンダムシシリーズとは違う。

また、肝心のガンダムの作画が悪い。
のっぺりとしたガンダムといえばわかりやすいかもしれないが、
ガンダム自体の頭身も低く、戦闘シーンの迫力も薄い。
作画的に崩れているような感じのシーンも多く、
思わず笑ってしまうような間抜けな戦闘シーンはロボット物としては致命的だ
「ガンダムが走る」、これだけでも笑えてしまうのだから
ある意味ギャグアニメとしてはすごい出来栄えだ

戦闘の中でご都合主義全開の「AGEビルダー」が登場する。
これはコンピューターが実戦データにあわせて武器を作るというもの。
ただ時間が問題だ。なんとこのシステム、一瞬で武器ができる(苦笑)
ロボット物といえば「こんな事もあろうかと用意しといたのだ!」という
セリフを思い浮かべる方も多いだろうが、これはそれのはるか上を行く
「いまつくる!」なのだから(笑)

この恐るべき製造スピードと実戦投入の速さは
新しいアンパンマンの顔を作るシーンを思い出す、
へたすればアンパンマンの顔を作るより早いだろう

ただ序盤のストーリーは割と王道だ。
母親の死に際に渡されたAGEデバイスをもとにガンダムを作り上げたフリット、
唐突に襲いかかってきたUEに対し彼はガンダムに乗り込む。
しかし、敵の攻撃のせいでコロニーは壊滅、更には育ての親も死亡。
失意の中、彼はUEとの戦いに身をとおじる

そんな王道なストーリーの照合性すらとれていない。
特に第一世代終盤の強引さはひどく、
いつの間にか敵の機体のことをモビルスーツといっていたり、
終始セキュリティの甘い施設だったり、UEを倒すために連合軍無視、
パイロットスーツを着ないで生身で宇宙、
主人公機以外はまともな武器を持っていないのに総力戦など無理矢理な展開が多い。

そんな唐突で無理やりな展開が多い中で登場人物に感情移入できない。
第一世代はとにかくキャラクターの使い方がヘタだ。
特に第一世代のヒロインでもありキーパーソンでもある「ユリン」。
彼女は特殊な力「Xラウンダー」=「ニュータイプ」の力を持っており
戦場リットと出会い、いい関係になっていた。

だが、それ故にUEに狙われた。
しかし、彼女がUEの元に来た理由はフリットに会いたかったから。
意味がわからない、そんな理由にせずに無理矢理連れてこられて
無理やり乗せられたというような理由でもいいはずだ。

なおアニメ版とは違い好評な小説版では
学校と「ミンスリー」を人質にして連れてこられたことになっている。
こちらのほうがよっぽど理解しやすい(苦笑)
彼女の死は多くの視聴者に「AGE見る価値がなくなった」とつぶやかせた

フリット編ラストの戦闘も一切盛り上がらなかった。
敵に戦艦を木馬と言わせたり、ビグザムのような敵が出てきたりと
オマージュと呼ぶにはあまりにもレベルの低いパクリ要素まで入れて
インパクトの薄い戦闘シーンを展開してしまった。
もう少し戦闘シーンの迫力があれば、フリット編はマシに見えたかもしれない。

そして次の世代になる。
フリットは地球連合軍の司令になり、フリットは40歳になっている。
そして2世代目では彼の息子アセムが主人公となる
アセムの誕生日の日、フリットはAGEデバイスを彼に渡す。

主人公であるアセムは好青年で、彼は学園生活の中で
UE=ヴェイガンの少年と仲良くなる。
だが、その仲良くなる描写がほとんど回想シーンのような感じで進んでしまい
あっという間に学校での話が終わる(苦笑)

本来ならアセムとヴェイガンである少年のゼハートの友情と
それぞれの立場というのが、しっかりと二人の友情が描かれてこそ生きるのに
回想シーンと唐突な展開でストーリーを構成してしまったいるので
登場人物に感情移入できない、2世代目になってもキャラの使い方は雑だ
積み重ねが薄いので、キャラクターの裏切りがあってもどうでもよくなってしまう

積み重ねが薄いのに友人同士の戦い・・・SEEDでいえばアスランとキラ状態になる。
しかしながら、あの作品と違って積み重ねが非常に薄いので
二人が戦い合っても、憎しみあっても薄い。

更に2世代目ではUEが人であることが判明しているので、敵キャラも増える。
だが、その敵キャラすら浅い。もう浅すぎて底が抜けそうなくらいだ。
せっかく有名な声優さんを使った敵キャラをたくさん出しても、2~3話で死んで終わり。
敵キャラの心理描写などが薄く、表面的なキャラクター描写でしか無い
例えば「キザなキャラ」といった印象だけで終わる。深みなんてものはない。

2世代目では1世代目での主要キャラも結構死ぬ。
だが、1世代目から言えることだが「死の演出」がキャラ描写の次にヘタな本作品は
主要キャラの死も「あっさり」しており、深みはない。
2世代目のストーリーはあっさりと終わってしまう。

3世代目からはフリットの孫であり、アセムの子供であるキオが主人公になる。
この3世代目からは「今まで何だったのか」と感じさせるほど出来栄えが上がっている。

特に戦闘シーン、それまでは止め絵連続だったり面白みのかけらもない戦闘ばかりだったが
3世代目になってから急に戦闘シーンの激しさが増し、
見れる戦闘シーンが増えている。
そして、最初に出てから姿すら見なかったAGEシステムが武器を作る様子が描かれる。
このシーンを見た時に「ようやく面白くなるのか?」と期待した。

だが、期待はずれだった。
確かに戦闘シーンの演出や作画は圧倒的に上がった、
だがストーリーとキャラクターの使い方だけは本当に相変わらずだ。

主人公であるキオと仲良くなった「シャナルア」という登場人物がいる、
彼女は本当に意味不明だ。
主人公の面倒を見る→ヴェイガンのスパイだった→死亡
までの流れが2話ぐらいしかない(苦笑)
3代目になっても「死の演出」がへたでキャラクターの動かし方が雑だ。

彼女のキャラクターは悪くなかっただけに、すぐ死んでしまってはもったいない。
深みなんてものはない・・・という言葉が3代目になっても出てきてしまう
更に2代目であるアセムはなぜか海賊になっている(苦笑)
最初出てきた姿を見たときは思わず笑ってしまった

ただ、そんな祖父・親・息子の3世代での考えが交差していく展開は悪くはない。

祖父であるフリットは「ユリン」をヴェイガンに殺されたことを
今でも恨んでおり、ヴェイガンを殲滅することを望んでいる。
親であるアセムはヴェイガンであったゼハートとの友情関係を忘れられず
彼らの中には悪い奴ばかりではないと考え、現状維持のままがいいのではと考える。
そして3代目であるアセムは、ヴェイガンの本拠地に拐われたのがキッカケで
ヴェイガンの事実と彼らの事情を知り、和平を望む。

さぁ、ここからどうする。
3世代、100年に渡るストーリーをやる意味はここにある。
しかしながら、そんな壮大なストーリーを視聴者が納得できるレベルで
作るなんて「日野」氏には無理だ。

アセムVSゼハートという、2世代目の最も盛り上がる対決はわずか1分足らずで終了。
盛り上がらなければならないはずなのだ、ゼハートとアセムという
友人同士の戦い、更にはアセムの「スーパーパイロット」としての腕。
そういった見せ所を外す。

そして最終話。
これがもう意味不明だ、なにせ最終話で新キャラを投入する(苦笑)
誰かが死ぬ、誰かが登場することでしか物語を動かせないのだろうか?
たしかにそのキャラはそれまでに「寝ている状態」で思わせぶりにシーンには出ていたが
最後の最後でいきなり出てくるので深みなんてものは0だ。

全49話終わった跡に「え・・・終わり?」と思わず叫んでしまうほどの結末

100年の物語の内37年はナレーションで飛ばす始末、
もう最後まで見たこちらがわの気持ちの積み重ねを一気に崩された気分だった。

最初から3世代に分けるのではなく、いきなりキオ編から初めて
親と祖父のストーリーはその間に回想シーンのように挟む形で
4クール構成すれば違ったかもしれない。
無駄に死ぬキャラクターがあまりにも多かった

全49話やって記憶に残るセリフやシーンはない。
特に戦闘シーンに関しては「00」や「SEED」に圧倒的に劣る
ロボットアニメにおいて1番大事なのは戦闘シーンだと私は思う
ストーリーやキャラクターが稚拙でも、戦闘シーンの熱さや激しさで
強引に押し通す事ができるはず。

だが、戦闘シーンの致命的なつまらなさ・・・
いや、センスの無さは「ガンダム」というネームバリューのある作品を作るにおいて
もっとも欠いてはいけない部分だった。
ガンダムのデザインに関しても
「ガンダム」「Zガンダム」「ZZガンダム」など大いにパクっているだけで新鮮味がない。

全体的にみて「ストーリー構成」という時点で破綻している。
1クールずつ、それぞれの世代の主人公が描かれ、
残りの1クールは3世代同時活躍という感じだが、
1クールではそれぞれの世代の主人公、及びサブキャラたちの描写が不足しており
キャラクターに感情移入ができない。
キャラクターに感情移入できないのに4クールのストーリーを見続けるのは辛いものがある

更に戦闘の演出。
第一世代はキャラクターデザインからロボットデザインまでひどく
戦闘シーンは見る価値がなく、第二世代はぎりぎり見れる。
第3世代からは作画が向上しロボットデザインもましになったが、
「戦闘の演出」が単調で面白い戦闘シーンになっていない。

肝心のストーリーに関しても「どこかで見たような内容」がものすごく多い。
いろいろな作品の色々な部分を取り入れて面白いならまだわかるが、
色々な作品を「パクって」面白くない作品に仕上げてしまったら
パクった作品に対して失礼だ。

あえて3世代それぞれに評価をつけるならば
・フリット編 5点
・アセム編 18点
・キオ編 25点
と徐々に良くなっていった感じはある。
しかしながら、三世代編と結末で評価をさらに落としてしまった。

ストーリー自体はパクリや強引な部分、練り込みの甘さなど色々あるが
ものすごい悪いというわけじゃない。
だが、肝心のストーリーを紡ぐキャラクターの描写不足が最大の欠点だろう

敢えて言うが本作品最大の謎は「ジラード・スプリガン」だろう
彼女は41話で出てきたキャラだが、本当に意味がわからない
彼女のためにわざわざ42話を使い彼女の過去を描き、そして死ぬ。
ストーリー的には別に必要がない。明らかに話数を稼ぐために出したキャラクターだ。
新キャラを出すくらいなら、使い余して描写不足なキャラクターが沢山いるのに
なぜ新キャラを出して1話も消費したのだろうか?本当に謎だ

この作品は少なくとも「ガンダム」ではないだろう。
いや、それ以前にロボット物としての出来栄えもひどくSFとしてのストーリーも酷い。
3世代に渡る100年の物語も結局は「フリットの話」になってしまっており、
100年の内37年はナレーションで片付けてしまっている。
あまりにも物語が浅く、あっさりと終わってしまった
3世代、100年の物語、全49話という「重み」が一切ない作品だった

正直言ってしまえば、ゲーム制作会社がアニメを作る必要はない
餅は餅屋とは言うが、ゲームのイベント進行のようにしかストーリーを作れない日野氏は
4クールという構成や100年(笑)の物語を作る能力はなかったようだ。
ちなみに本作品の売上は各巻2000枚以下のいわゆる爆死、
100万本売れると自負していたゲームの売上は2つ出して36000本以下(笑)
口だけは達者なようだが、そこに実力がついてこなければ意味が無い。

個人的には本当に見終わった後に「喪失感」のようなものを感じた作品だった
49話見たのに、その49話の重みがない。
終わった後に終わったことを感じさせない、見終わった感じがないのだ
私はガンダムという作品をほぼ全て見ているが、
それぞれ良い部分、悪い部分が多からず少なからずある。

それでも「記憶に残ったシーン」というものがどの作品にもある。
だが、この作品において「記憶に残ったシーン」というのがない。
ふわっとした感じで残り、1年後には忘れてしまうような作品だった

次回のTVシリーズのガンダムはどうなるのだろうか。
UCガンダムは人気だが、TVシリーズのガンダム=新しいガンダムファン層を掴むためには
そろそろ「クロスボーン」のアニメ化ではないだろうか?
バンダイさん、今度は口のうまいだけの人間に騙されないようお願いします。

全49話は辛かった(苦笑)
この作品が映画化なんて事にならない事を切に願います。