009 RE:CYBORG

SOUND OF 009 RE:CYBORG


評価/★★★★☆(64点)


SOUND OF 009 RE:CYBORG

制作/Production I.G、サンジゲン
監督/神山健治
声優/宮野真守,小野大輔,斎藤千和ほか


あらすじ
かつて世界の危機を救ってきた9人のサイボーグ戦士たちは、故郷へと帰りそれぞれの人生を送っていた。しかし、2013年、各国で同時多発爆破のテロ事件が発生、ギルモア博士により再び集結する。その頃、009こと島村ジョーは、その記憶をリセットされ東京で高校生として暮らしていたのであった。



ハイクォリティで蘇る009


本作品は009の映画版。
原作はいしの森正太郎による漫画作品で、1966年にアニメ化され
劇場版アニメも製作され、2001年にもTVアニメ化された
本作品は前作から約10年、声優も一新され攻殻機動隊などで同じもの神山健治氏によって
2012年に公開された

基本的なストーリーはSF
かつて世界の危機を救ってきた9人のサイボーグ戦士たち、
9人は祖国に帰り、あるものは警察に、あるものは歴史学者に、あるものは高校生に
それぞれの生活を送っていた。しかし、世界中で自爆テロが多発し始める
そんな中「009」は自らも自爆テロをもくろんでいたというところかストーリーは始まる

まず見だして感じるのは映像美だろう。
わたしは3Dは苦手なので2Dで本作品を見たが、すばらしいまでの映像美
CGで描かれた世界観、キャラクター、演出は序盤からクォリティの高さを感じさせた

その映像美をもっとも実感できるのは9人のサイボーグ戦士たちの能力を使うシーンだろう
もはや「009」といえばお馴染みの加速装置を使うシーンは、
周囲の動きがゆっくりになり、その中で009は普通に動くことができる
能力としては見慣れたものだが、能力の演出、スピード感がすばらしく
彼が能力を使うたびに思わず「すごい!」と唸ってしまうほどすばらしい演出だ

前半と後半で能力の演出を買えていたものもすばらしかった。
前半は009目線で彼が能力を使うたびに周囲がゆっくりと流れ、
飛び交うミサイルを踏み台にし、
後半は外部からの目線で彼が目の前から消え一瞬にして
何人もの敵を一瞬で倒していくシーンと
前半と後半で加速装置という009の目玉のシーンの演出を変えてきたのは好感が持てた

ほかのメンバーの能力を使うシーンもすばらしい。
特に飛行能力を持つジェットの空中シーン、
マクロスとまではいかないが、戦闘機同士の空中戦、さらには彼自身が飛行し
空を自由に駆け回る姿、そしてラストの「大気圏」でのシーンなど
迫力いっぱいに画面を使い描いていた

肝心のストーリーだが、序盤から終盤直前までかなり魅せる。
高層ビルでの自爆テロが多発しており、その犯人たちは直前に周囲のものに
「彼の声」を聞いたという。
記憶を封印していた009もまた高校生という立場で彼の声をきき、自爆テロをもくろんでいた
その彼の声とは何なのか?というのを主軸に物語りは進んでいく

彼の声自身は作中で「神の声」のような扱いだ
作中で明確に彼の声が何なのかを断言する様子はなく、
あくまでもそれは特定の誰かではなく、自分の中にいる神様の声というような解釈
それだけにややこしい。
いつ誰がどこでその彼の声を聞き、いつ誰がどこで自爆テロを起こすかわからない
つまり具体的な敵がいないのだ。

だが、彼の声を聞くものたちは軍人の中にもおり核ミサイルを発射しようとしたりする
そんな彼らを009たちは必死で止めようとする
そんな中で「002」が彼の声に操られてしまったり、
007や008が彼の声に導かれて行方不明になる。

序盤から中盤までの「わくわく」感はアニメ映画にふさわしい展開で、
そのストーリー展開を迫力ある映像が後押しする。
しかし、ここからが問題だ。

明確な敵がいない、自分の中の神様の声に従ってしまうというのは非常に厄介で
本作品のラストも「発射されたミサイルをとめる」という感じでボス的な存在はいない。
そしてストーリー的にも「彼の声」が一体どうしたかったのか曖昧で、
「彼の声」=「神様にあながう」ための009達の立場というのが少し甘く、
その甘さがラストの何とも釈然としない結末につながってしまった

コレには原因がある、本作品の原作である009、その009の未完の天使編というのを
題材にしており「未完」であるために、その天使編をモチーフにした本作品も
彼の声や天使について明確な「答え」を描写せずに曖昧に濁してしまった感じもある
ある意味で「未完」という重みに逃げてしまった印象もあった
言いたいことは分かるし、説明も納得できなくはないのだが
「彼の声」の解釈や結末が、いまいちしっくりとこない感じだ

更にいえば、ゼロゼロナンバーのサイボーグ達全てが結集することはない。
途中で二人は行方不明になってしまうので、
行方不明になってしまった二人の見せ場は少ない。

全体的に見てラストまではストーリーに勢いもあり、テンポよく進んで行き面白いのだが
そのラストで「ん?」と噛み砕けない骨が残ってしまった感じだ
映像と終盤までのストーリーがいいだけに、
それを締めくくるラストが残念な感じになってしまったのは惜しまれる。

だが、本作品は面白い。
さすがはプロダクションIGと言うべきの映像のクォリティの高さ、
「攻殻機動隊」の神山健治という2つの名前で期待できる以上の内容になっており、
声優さん達の演技も光る。

個人的な話になるが私は「009」というものを「あぁ、奥歯の加速装置ね」ぐらいの
知識しかなく本作品を見た。
ほぼ予備知識はない状態で見たのだが、十二分に楽しめた。
もし、私と同じように「009」をあまり知らないけど、
予告や出ている声優さんが気になる!という人は見に行っても後悔はしないだろう

更に個人的なことを言えば、この映像美でセクシーシーンがあることだ(笑)
いや・・・もう、本当に003こと「フワンソワーズ」がえろい。
初登場シーンは網タイツでエロいと感じさせたと思ったら、
下着姿で「009」に抱きつき、濃厚なキスを交わすシーンは
ある意味で序盤の山場だろう(笑)

色々と問題はある作品だが1つの映画作品としてクォリティの高い作品だった
ラスト以外は面白い。そう断言できる作品だろう。
このクォリティでぜひTVシリーズをやって欲しい気持ちもあるが、
予算的に厳しいかもしれない。
だが、このクォリティの作品を009達の活躍をもっと見たいと感じさせる作品だった

過去の009シリーズのアニメも見てみたいと思います。