マクロスFB7 銀河流魂 オレノウタヲキケ!

「マクロスFB7 銀河流魂 オレノウタヲキケ!」主題歌::娘々FIRE!!~突撃プラネットエクスプロージョン/ヴァージンストーリー

制作/ビックウエスト
監督/アミノテツロ
声優/小西克幸,神奈延年,西村朋紘ほか


あらすじ
西暦2059年、銀河中心へ向けて宇宙の長い長い旅を続けるマクロス・フロンティア船団は昆虫のような宇宙生物との戦争バジュラ戦役に突入する。ある日、フロンティア船団の民間軍事会社S.M.Sに所属するオズマ・リーは同僚のボビー・マルゴとドライブしている時に、鳥のような未知の生命体と遭遇する。



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マクロスFのキャラによるマクロス7のオーディオコメンタリー

本作品はマクロスシリーズの30周年を記念して制作された作品だ
マクロス7の映像をリマスターし、
『マクロスF』の完全新作映像を融合させた「ハイブリッド・ロック・アニメ」らしい。
コレに伴いマクロス7のバンドであるFIRE BOMBERの新曲も発表された

基本的なストーリーは総集編。
マクロスFのオズマがクルマを運転しながら、同僚と伝説のバンドFIREBOMBERの
話をしていると謎の生物に襲われたそ、その生物はVHSテープを残し去っていた。
そのVHSに写っていたのは伝説のバンド「FIREBOMBER」の記録だった
という感じだ

序盤のほんの10分程度だが、期待感が凄い。
マクロスFのオズマ・リーは劇中でもFIREBOMBERのファンという設定になっており、
その彼がFIREBOMBERについて探っていく感じや、
マクロス7から数年後がマクロスFという世界観がつながっているからこその雰囲気は
期待を感じられた。
だが、その期待はすぐにへし折られる。

VHSで流れるシーンはマクロス7の総集編映像、だが、この総集編映像、本当に酷い。
作画こそリマスターしてあるため劇場という大きなスクリーンに耐えられるが、
そういう問題ではない、「内容」がひどすぎる。

シーンとシーンのつなぎ方は「へたくそ」という言葉以外では表現できないほど
総集編のレベルとして低く、カットされるべきシーンがカットされておらず
カットしてはいけない部分がカットされているため、
「マクロス7を知らなければ意味不明」であり、「マクロス7を知っていれば苛立つ」
という、総集編の完成度として恐ろしいまで低い内容だ。

熱気バサラの歌も中途半端に切られており、中途半端な歌を繋げているため
「熱気バサラ」の歌が一切伝わらない。
マクロス7の序盤の彼の歌は伝わらないのが正解なのだが、
伝わらない以前に意味不明なシーンになってしまっており、
マクロス7を知らなければストーリーを理解することは不可能だ。

逆に知っていてもいらだちを感じる部分が多すぎる。
特に人物描写、ヒロインであるミレーヌの描写はほとんど無く
同時に熱気バサラのライバルキャラでもある「ガムリン」の描写も殆ど無い。
この二人の描写を削ってしまったことにより、
熱気バサラが歌う理由や彼が戦わないことが描写されない。

恐らくマクロス7を見た方なら、ガムリンが熱気バサラに言った
「お前は歌うんじゃないのか」というセリフは印象に残っていると思うが
そんなシーンはない。
バサラがなかなか自分の歌が伝わらず、周囲にも正しく理解されない描写など無い。
彼が一人旅をするシーンなどもカットだ。

そうかと思えば、敵キャラとして重要キャラである「ギギル」の歌うシーンは描写される
だが、ギギルが思わず歌を口ずさむ最初のシーンではなく(バサラ一人旅カットのため)
ギギル死亡直前の歌うシーンだけ。

本来、マクロス7は序盤は微妙な作品だ、だがストーリーと人物描写を重ねていき
徐々に周囲に理解され、同時に視聴者にも理解され
最後には熱気バサラのファンになっているという作品だ。
「積み重ね」が大事な作品なのに、要所要所、しかも偏った部分のピックアップによる
総集編のため、意味不明な総集編になっている。

恐らくマクロス7を見たこと無い人がコレを見ても
熱気バサラの魅力や歌の力は感じず、金龍隊長が歌いながらの特攻するシーンや、
ギギルが歌うシーン、最後の敵であるゲペルニッチが歌うシーンなど苦笑するしかない
当たり前だ、何の積み重ねもなくいきなり、あれらのシーンを見せられても困惑するだけ

更にマクロスFを目的に見に行った方も多いはずだが、期待はずれもいいところだろう。
基本的に本筋は「マクロス7の総集編」で、
マクロスFのキャラはその総集編をビデオテープで見ているシーンだけだ。他にはない。
ただマクロス7の総集編をマクロスFのキャラが見つつ感想を言ってるだけ。
全体の9割がマクロス7で1割がマクロスFという感じだ

いわば本作品は、アニメの特典映像によくあるオーディオコメンタリー状態だ。
特典映像としてならいいかもしれないが、これは映画だ。
1つの作品としては、制作者として「恥ずかしい」レベルの作品といえるだろう

活かせる伏線や設定はいくらでもある。
特にマクロスFのシェリル・ノームは「私の歌を聞け!」と劇中で叫ぶが、
それはマクロス7の熱気バサラの「俺の歌を聞け!」のオマージュだ。
それに関連する内容が少しだけ本作品でも描写されているのだが
何故シェリル・ノームが「私の歌を聞け」とバサラの真似をするのかは描写されない。

更に冒頭で「FIRE BOMBERの新曲がない」というようなセリフとシーンがある。
だが、本作品公開に伴いFIRE BOMBERの新曲が出ている、
私はこのシーンを見て「あぁ、最後ぐらいにオズマたちに新曲が届くのかな?」と期待した
マクロス7とマクロスFのコラボ的な企画なんだ、最後のほうで絡むんだろうと。

だが、新曲が届けられることはない、ただEDで流れるだけ。
マクロス7とマクロスFのキャラの絡みは、
マクロス7ではある意味印象的だったキャラクターが
オズマ・リーに何故かビデオテープを届けていた事がわかっただけだ
「何故」かは一切描写されない、まさに困惑美だ(苦笑)

全体的に何がしたかったのかわからない作品だ。
マクロス7ファンにとってはひどすぎる総集編は見る価値がない、
マクロスFファンにとっては出演シーンが短すぎて、
楽しめるのは最後のライブシーンくらいだが、
そのライブシーンもストーリーの流れでライブシーンがあるわけじゃなく

ED前にいきなり何の脈絡もなく差し込まれるだけ。
ちなみにマクロスFの主人公であるはずのアルトは出ない(苦笑)

前述したが、レベルとしては特典映像レベルの作品で
マクロスFキャラによるマクロス7のオーディオコメンタリーにしかなっていない。
両作品のファンが「劇場作品」として納得できるレベルに到達していない作品だ

正直に言おう、この作品に「1800円」の価値はない。
特典映像なら許せるレベルの作品であり、OVAや劇場作品としての域に達していない。
マクロス7という名作、マクロスFという人気作と誰もが期待する内容のコラボなのに
その期待感をへし折るどころか、見た後に「スピリチュア(精神エネルギー)」を
奪われたかのような脱力感を感じる作品だ。

もっとはっきり言えば、最初から無理のある作品だった。
マクロス7は4クールの作品、それを90分=約4話分の尺に
編集するのも無理があるのに、そこにマクロスFの新規映像を入れているので
もう無理どころの騒ぎじゃない、これで面白くできるのであればある意味で天才だろう

最初から90分という尺では分かっているのに制作してしまった作品だ
おそらくはマクロスFのBDBOX発売に合わせて、宣伝がてらに制作したのだろうが
本当に販売促進映像レベルの作品だ、お金をとれるレベルの作品じゃない

個人的に本当に怒りしか感じなかった。
この映画を見る前に、マクロス7のすべての作品を
改めて見直し、いざ映画を見たらこの有様だ。
マクロス7&マクロスFファンからお金を巻き上げるだけの作品という
印象しか残らなかった。

今からもし、見に行こうと思っている方が居るならばやめた方がいい
DVD待ちしてレンタル(100円)で十分な作品だ。
ファンであればファンであるほど見ていて悲しくなり、
ファンであればファンであるほど怒りしか湧いてこない作品だ

これがマクロス30周年作品というなのだから驚きだ。
河森正治氏やアミノテツロ氏にとってマクロスはこの程度の作品なのだろうか・・・
マクロスシリーズの今後が不安になるだけの作品だった

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