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イヴの時間

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評価/★★★★☆(70点)


「イヴの時間 劇場版」 [Blu-ray]

制作/スタジオ・リッカ
監督/吉浦康裕
声優/福山潤,野島健児,田中理恵ほか


あらすじ
「未来、たぶん日本。“ロボット”が実用化されて久しく、“人間型ロボット”(アンドロイド)が実用化されて間もない時代。」




イヴの時間は心のあるものが集まる喫茶店です。


本作品は2008年からネットで公開されたOVA。
2010年に全6話のファースト・シーズンを映画として編集した完全版が公開された

基本的なストーリーはSF
家にいるアンドロイドがどこかに寄り道していることを知る。
その寄り道先を突き止めようと行動データを頼りに、同じ場所に行ってみると
そこは「人間とロボットを区別しない喫茶店」だった

序盤から面白い。
アンドロイドが普通にいる、おそらく日本で無表情なアンドロイドが人間に仕えている
ロボット三原則に忠実に彼らは行動し、人間とともに暮らしている。
そんな中で喫茶店「イヴの時間」は人間とアンドロイドを区別しない喫茶店として
こっそりと運営している。

そんな喫茶店では「アンドロイド」たちに「豊かな表情」が宿っている
見た目では人間と区別できない彼らを唯一判断できる、
頭の上にあるリングと無表情な表情と喋り方、
それがその喫茶店の中では「人間と区別できない」アンドロイドとなる。
喫茶店には常連がおり、最初は「誰がロボットで人間」かがわからない

彼らは喫茶店では本当に人間らしい。
だが、アンドロイドである事実はかわらない。
人間に恋しているもの、アンドロイドに恋をしているもの、
アンドロイドがきらいなもの、アンドロイドが好きなもの。
人間もアンドロイドも様々な事情を抱えつつ喫茶店に訪れている。

基本的に本作品は会話劇なのだが間が上手い。
会話と会話の間が、その会話の内容によって使い分けており
時にはテンポよくサクサクと軽快なほど会話が進むかと思えば、
深刻な話になった時にはそのテンポをわざと崩しながら、間を生み
見ている側も思わず息を止め次のセリフが出てくるのを待ってしまう

その会話の間が「イヴの時間」の世界観と空気を生んでいる
この空気感の良さは他の作品ではなかなか味わえない

ストーリーとしては「アンドロイドに心はあるのか?」というのが本筋だ。
彼らは普段はアンドロイドらしくアンドロイドとしてアンドロイドの仕事をしている
だが、そんな彼らにも少なからず「心」は存在し、人間との関係性に悩んでいる。

演出面でもかなり面白い。
「明らかにアンドロイドなロボットが椅子に座る」
この動作だけで笑いを取ることは相当なセンスが必要だ。
緊張と緩和の差を間の中で取り入れ、
刺激の少なく抑揚の薄いストーリー展開を「ストーリーのリズム」で
面白みに変えていた。

全体的に見て完成度は高い。
しかし、残念なことにこれは1stシーズンであり、
まだ伏線も残りまくっておりストーリーも完結したとはいえない。
だが、「イヴの時間」という作品の空気感と生き生きしたキャラクター、
アンドロイドという無機質なものを扱った作品なのに
作品全体に暖かさを感じ、味わい深く匂いのある作品だ

声優さん達の演技も光っている、福山潤、佐藤利奈、田中理恵、ゆかなetc…
実力派の声優さんたちがただの会話劇を「面白い」物に変える演技は
新人声優や芸能人にはできない、きっちりとした魅せる演技だった。

気になるのは続編が制作されるかどうかだ、
今の状況では伏線が残りまくっており続編が出ないとモヤモヤ感が残ってしまう
前作から約3年経っているが果たして作られるのだろうか・・・
期待も込めて若干評価を高めにしました。

続編、待ってます。

「」は面白い?つまらない?

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