評価 ★★★☆☆(50点)
あらすじ 人間と獣人が共存する世界で、タバコを吸ってダラダラ生きる獣人・ヤニねこ。金なし!生活力なし!ろくでなし!マナーやモラルは吸い殻と一緒に捨ててきた 引用- Wikipedia
生理的に無理?
原作は『週刊ヤングマガジン』で連載中の漫画作品。
監督は木村拓、制作はバイブリーアニメーションスタジオ。
なお、本記事は1話が話題で気になってしまったため見てしまったので、
1話レビューとなる。
汚
冒頭からかなり「汚さ」を感じる作品だ。
シンクの洗っていない食器の数々、ボロアパートのさびた柵、
そんな柵に平然とタバコを押し付け、大家に缶コーヒーをぶっかけ、
たまたま主人公の着替え現場を目撃しエレクチオンした大家の股間まで映り、
大家がそれを鎮めるシーンや、カビたしけもくに平然と口をつけて腹を下し、
トイレで脱糞する。
これがヤニねこである(苦笑)
1話が始まって3分足らずで、性的な汚さ、物理的な汚さ、生理的な汚さと、
汚さのオンパレードを見せつけてくる。
原作は漫画だが、漫画はここまで汚くはない。
もちろん脱糞やエレクチオンなどはあるものの、
鉄格子の汚さや畳の汚さなど「背景」の汚さはアニメ特有のものであり、
原作にある「汚さ」をアニメでかなり誇張している印象だ。
それは確かに「リアル」ではある。
だが、そのリアルさが必要かと言われれば疑問なところだ。
道に落ちている「う◯こ」1つにしても、色があるのとないのとでは印象が違う。
アニメではリアルに、現実的に、ハイクオリティに描いているからこそ、
「汚さ」が極限にまで強調されてしまっている。
可愛いキャラクターを、高い作画クオリティで、全力で汚く描く。
この作品の異様さはそこにある。
偶然、道端のう◯こに自分のタバコが刺さってしまい、
1回は諦めるものの「刺さった部分を切って」持ち帰る。
それがヤニねこの主人公だ。
彼女は強烈なニコチン中毒である。
ニコチン
この世界は人間と獣人が共存している世界だ。
獣人は人間よりも立場が弱いのか、ろくな仕事はない。
ヤニねこは定職にすら就かず、金がないのにタバコを吸い続ける。
たとえ仕事中であろうとも、彼女はヤニを手放すことはできない。
貧乏暮らしでニコチン中毒、家事もろくにできない。
家事をしようと考えただけで「嘔吐」する始末だ。
1話から脱糞、嘔吐と出すものを全部出し尽くしている。
この汚さとヤニねこのクズっぷりを楽しむ作品であり、
禁煙すると宣言して妹の前で禁煙の話をしているのに、
タバコに火をつけるような女だ。
「好感」が持てる主人公ではない。
このクズっぷりを蔑みつつ笑うのが正解の作品だ。
着替えや風呂などのセクシーシーンはあるのだが、
その着替えを行っている部屋や風呂が汚すぎる。
ヤニねこが風呂に入って裸というエロスを映しつつ、
風呂の排水口の「大量の吸い殻」という汚さを描くことで、
見ている側をそういう気分にさせない(苦笑)
可愛いキャラクターデザインとセクシーな構図。
本来なら視聴者にサービスするための要素なのに、
そのすべてを「汚さ」で台無しにしてくる。
この汚さは「よんでますよ!アザゼルさん。」などを思い起こさせる部分がある。
ニコチン中毒すぎて風邪のときすらタバコが手放せない。
1話のラストでは「死」を想像して反省し、涙を流すのだが、
5分も経たないうちに彼女はタバコに火をつける。
2話以降どうなるかはわからないが、
彼女の肺がタールで埋め尽くされるのが先か、
視聴者の倫理観が折れるのが先かの勝負になりそうな作品だ(苦笑)
総評:汚すぎて炎上?
1話放送後、この作品は賛否両論で溢れている。
「汚すぎる」「生理的に無理」という否定的な反応が出る一方で、
この徹底した汚さや作画へのこだわりを評価する声もある。
それも納得の「汚さ」がこの作品にはある。
生々しいボロアパートの寂れ具合、ヤニねこの汚すぎる生活。
それがあまりにも「リアル」に描かれているがゆえに、
生理的に受け付けないという人が出てくるのも納得だ。
ある種の下ネタに近い。
下ネタも程度によって受け入れられる度合いがあるが、
この作品は常に強烈に下品な下ネタをやっているような印象だ。
コロコロコミックのような笑える汚いギャグではなく、
もっとおぞましい何かを秘めている。
なまじ主人公のデザインが可愛らしく、
作画のクオリティが良すぎるからこそ、この賛否両論が生まれている。
適当な作画で描かれていれば、ただの汚いギャグで終わったかもしれない。
しかし、この作品は背景のさびや畳の染み、部屋の空気感まで丁寧に描く。
作画が良いからこそ、見たくないものまで鮮明に見えてしまう。
海外と日本でも、この生々しい「汚さ」に対する反応は
かなり違っているように見える。
どこまでをギャグとして受け入れられるのか、
その線引きが視聴者によって大きく分かれる作品なのだろう。
個人的な感想:バイブリーアニメーションスタジオ
制作のバイブリーアニメーションスタジオは、個人的には
「アズールレーン」のイメージが強く、
作画が良い制作会社というイメージはあまりなかったのだが、
今作は相当気合を入れてやっている感じがある。
1話冒頭のヤニねこのカメラワークなど、
気合を入れて凝っている作品でなければやらない部分だ。
それほど気合を入れて彼らはタバコを、吐瀉物を、う◯こを描いている。
本気で汚いものを描こうとしている。
その線引きも悩みどころだろう。
タバコはリアルに、
う◯こはモザイクをかけ、吐瀉物は虹色にする。
う◯こにモザイクをかけない選択肢もあったはずだ。
吐瀉物も虹色にしない選択肢があったはずだ。
しかし、あえてそこは濁している。
リアルに描くこともできるのに、ギャグ的にそこは濁すことで
「汚さ」の線引きをしている。
考えられたギリギリの汚さだ。私も許容できるギリギリである。
1話の時点でかなり人を選ぶ作品だが、
2話以降、果たしてこれ以上汚くなるのか。
それとも出落ち的に1話だけが特に汚いのか……。
作画のクオリティを上げれば上げるほど、
普通なら作品は美しくなる。
しかし、「ヤニねこ」は作画のクオリティを上げることで、
より汚く、より生々しくなっている。
2話以降が色々な意味で気になる作品だった。




