放浪息子


放浪息子感想

評価/★★★☆☆(50点)


放浪息子感想

制作/AIC Classic
監督/あおきえい
声優/畠山航輔.瀬戸麻沙美,南里侑香,南條愛乃ほか
全11話


あらすじ

「女の子になりたい男の子」である二鳥修一は、転校先の小学校で、
背が高くてかっこいい女の子高槻よしのと出会う。最初は女の子になりたいという
気持ちを隠し通していた修一だったが、クラスメイトの千葉さおりに
偶然女装しているところを見られてしまう。かねてから修一に好意を持っていたさおりは、
それ以来彼を積極的に女装させたがるようになり、誕生日にワンピースを贈る。




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お値段以上ニトリ

原作は漫画な本作品、ノイタミナ枠で放映された作品です。
基本的なストーリーは青春もの。
女の子になりたい男の子を主人公とし、中学生になった登場人物たちの心情の変化や
女装、男装、同性愛など恋愛や性についての考えに悩み
行動してくというストーリーといえばわかりやすいだろうか。
短文では説明しにくいストーリーだ。
まず目につくのは独特すぎる作画だろう。
水彩画のようなタッチで描かれており、慣れるまで若干時間がかかる、
中途半端に3DCGで描かれたような妙な立体感があり、
光沢のあるテレビやモニターで見たら目がチカチカしそうだ。
全体的に白いモヤがかかっているような演出は製作が「やりすぎた」感が強い
こういった独特の雰囲気と絵面の見にくさから、序盤は世界観に取っ付きにくい。
更にはキャラクターにまともな奴が少ない。
主人公は女装趣味があり、その友達はホモ、男になりたい少女など
特殊なキャラばかり集まっている、まともなキャラがほんとうに少ないので、
キャラクターに感情移入しにくい。
更に言えば、キャラクターの区別ができない。
同じ顔で髪型が違うだけのキャラも多く、作画的にも上で書いたように
白い靄がかかったような3DCGな感じなので見た目的な区別がしにくい。
登場人物も多く、特徴的な名前も主人公の「ニトリ」以外もなくて覚えにくく
キャラクターを覚えきれない。
本当に序盤は取っ付きにくい、女装や同性愛にある程度の理解してる人なら問題ないが
私は主人公声優のせいも大きいが主人公が可愛い&女の子みたいと言われ喜んでいる様が
「気持ち悪い」と感じてしまい第一印象は最悪だった。
ただ登場人物達が小学校時代にすれ違ってしまい中学生で徐々に仲直りし
以前のような仲の良い関係になっていくストーリーはゆっくりと自然に描かれており、
また中学生からの新しい友だちの交友関係は現代の子どもらしい反応も多く、
そういったストーリーになってからは徐々に世界観に入り込めた。
前半部分は設定の濃さに若干引いてしまう部分も多かったが、
世界観に慣れてしまったのか後半のストーリーはうまく出来ている。
特に丁寧過ぎるともいえるキャラクターの心理描写は水彩画風の作画とあっており、
徐々に引きこまれていった。
それだけに後半の時間経過の速さが気になる。
1話から7話までが中学生になってからの半年間、
8話からいきなり2年生になったときはすこしばかり驚きました(苦笑)
クラス分けというイベントが必要だったのは分かるのですが、
あまりにもテンポが早くなってしまい時間経過をもう少しだけ丁寧にしてほしかった
ただ最終話のまとめ方は素晴らしく、キャラクターの成長の最終型ともいえる結果もあり
意外にすっきりと終えたことは意外だった。
作品の重さを考えるともっとモヤモヤが残るような最終話かと思ったが意外だった。
全体的に見て、本作品はTVアニメ向きの内容ではなない。
むしろ劇場アニメや実写ドラマで描かれたら、
最初の部分のとっつきにくさがなくなったはずだ
特に劇場アニメなら、もっと面白くなり万人にも受け入れやすくなったのでは?と思う。
構成がゆっくりしているため、その分、本作品の嫌われやすい部分が際立ってしまう。
後半部分のあせりぎみな時間経過もアニメ映画なら納得できた。
その分、2時間に纏めたストーリー構成のアニメ映画なら
そういった部分も薄れ、なおかつ本作品の魅力を最大限にいかせたはずだ。
逆に前情報でこういった内容を描くとあらすじでわかっているのだから、
そういった要素が嫌いな人達は見に行かないだろうし、
同性愛や女装などを受け入れている人は観に行っても嫌悪感を抱かないはずだ。
根本的に土壌を間違えてしまったのではと感じる。
更に言うなら濃ゆい・・・。
主人公の女装癖、主人公友人のホモ、男になりたいヒロイン、
主人公を女装させたいキャラと本当に濃いすぎる。
これでコメディ色があるならばまだその濃ゆさが薄まったのかもしれないが、
真剣に描いているのでその濃ゆさを目の当たりにしたとき
女装や同性愛にある程度の許容性がなければ本作品は閲覧すらキツイ。
本作品は常識に外れたキャラクターたちの世間的には気持ち悪いと言われている世界観で
青春ストーリーを展開している。
この世界観やキャラクターを受けいられるかどうかが最大の問題だ。
根本的なストーリーの流れや心理描写のレベルは非常に高い。
受け入れられれば本作品は楽しめる、受けいられなければ苦痛だ。
最近はやりの男の娘な作品を想像してはいけない、本作品はガチだ。
見る人の同性愛や女装などに対する考え方ひとつ次第で見方が変わる作品だ。
見る人によって評価が最高にも最低にもなりえる内容なだけに
高い評価はできなく、低い評価もできない。
私自身は女装には一切興味はなく、正直偏見もある。
同性愛に関してはある程度許容はあるが、この作品で描かれている同性愛は
また違った方向の同性愛なので難しいところだ。
主人公の声優の演技も相まって私のこの作品に対する個人的な評価は低い。
ただこう行った作品がある事自体は今のアニメ業界にはいい刺激だ。
毎期、こういったテイストのアニメが1つくらいはあってもいいだろう、
萌えアニメや激しいアクションばかりのアニメじゃなく、
こういうしっとりと静かに描かれる作品はアニメーションというものをどういかすかという
スタッフのアイデアや実力が試され、実に面白い。
今回の水彩画タッチは悪くはないが、白すぎるのはもう少し押さえて欲しかったところだ
2期の可能性は低いかもしれないが、あったらあったで見てみたい作品だ