劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ

評価/★★★★★(80点)

劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ 評価

110分
監督/藤田陽一
声優/杉田智和,阪口大助,釘宮理恵,高橋美佳子,山寺宏一ほか

あらすじ
“ある力”によって、唐突に自分のいない未来の世界に投げ出された銀時は、崩壊した江戸の町並みを目の当たりにする。 荒れ果てた地球に残されたのは、貧しい者、これを機に政府を潰そうとする攘夷志士、法の緩みを利用するゴロツキども、そして、ケツまくって逃げるのが性に合わない頑固者だけ。

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主役は映画泥棒、銀魂集大成作品。

本作品は銀魂の映画版。
前作は紅桜篇を再編集したものだったが、今作は完璧に劇場オリジナルストーリーになっており
「アニメ銀魂 ラストエピソード」と銘打っている。

基本的なストーリーはSFコメディ。
ある日、銀さんは映画泥棒のあまりのしつこさに怒っていた。
映画泥棒が映画泥棒になった理由や彼の悩みを聞き、
彼がとった「あれ勃ちぬ」の映像を確認しようとするとその映像は新作の銀魂の映像だった
ネット流出を心配していた銀さんが我に返ると、そこは何もかも変り果て
「銀さんが死んだ」5年後の世界だった、という所からストーリーは始まる

このあらすじを見ての通り、序盤から酷い(笑)
最近の映画を見た方にはお馴染みの「映画泥棒」をパロディした
アニメーションが流れたかと思えば、銀さんがそれにつっこむ。
冒頭かくどく、長く、だらだらっと映画泥棒と銀さんの会話が続き、
こっそりとジブリ最新作である「風立ちぬ」をパロディしていたりと
細かいポイントでも笑わせてくる。

しかし、あまりにもそのシーンが長くいつ本編が始まるんだ?と感じていると、
まさかの「映画泥棒」が銀さんを未来へ連れて行く役になっており
更にこの「映画泥棒」は本作品では重要なキャラになっている(笑)
この作品は基本的に一切予想のできない展開の数々だ

5年後の「銀さんの居ない世界」で変り果てたおなじみのキャラクターたちは
もはや、予測すらできない変わり様だ
詳しく書いてしまうとお楽しみを減らしてしまうので省略するが、
エリザベスが「神谷明ボイス」になるほどの変貌を遂げており(笑)
他のキャラクターの予想外の変化は出る度に出落ち的な笑いを生んでいる。

そんな5年後の世界はシリアスだ。
「白詛」と呼ばれる謎の死の病が流行っており、江戸は廃れまさに世紀末状態
いつものようにギャグをやるムードではないはずなのだが、
シリアスな5年後の彼らに対し、5年前からやってきた銀さんはつねに
いつもの銀さんのリアクションで驚きまくりだ。

銀さん自体もまわりからは「珍宝さん」に見えるなど、
本来はシリアスなストーリーなはずなのに、それを感じさせないギャグをガンガンに盛り込んでる。
シリアスになるのか?感動するシーンになるのか?と感じる次のシーンにはギャグ、
真面目に展開しているストーリーなのにギャグ、
いつもの銀さんらしい少し臭いセリフを吐いても外見が「珍宝さん」なので締まらない(笑)
など、序盤から中盤までギャグの連発で笑いが耐えない内容になっている。

中盤からはきちんとシリアスになる。
突然流行った白詛とはなんなのか?誰が流行らせたのか?
銀さんはなぜ死んでしまったのか?銀さんはなぜ未来に来たのか?
という伏線やストーリーをきっちり展開しており、
中盤で「敵の正体」が分かった時は予想できた方も居るだろうが
その先の物語をどう締めるのか全く予想のできない展開になる。
ここまで銀魂で「ストーリー」が気になる展開になるのは予想外だったといえるだろう

冒頭でギャグとしか思えなかった「けいおん商法批判」と「あれたちぬ」が
終盤の伏線になっていたり、もう予想するのが不可能なシリアスからのギャグ(笑)など
終盤の展開は怒涛の展開といえる。

しかしながら、終盤の展開はストーリーがかなり散らかってしまっており
色々とタイムパラドックス的な問題や、状況がよくわからない状態になってしまっており
若干細かい設定と展開の描写の甘さに首を傾げてしまう感じはあり、
ご都合主義と矛盾が目立ち気味になってしまったのは残念だが、
終盤の「15年前の攘夷志士戦争」が激しく描かれている。

テレビアニメの銀魂でもときおり素晴らしいまでの戦闘シーンがあったが、
本作品もそれを彷彿とさせるほどの素晴らしい作画とアクションシーンで終盤の戦いを盛り上げる。
スピード感のあるカメラワークと激しい戦闘シーンは
劇場という大きなスクリーンを大胆に使っており、劇場版の名に恥じぬシーンだった。
その勢いで終盤のストーリーの散らかりも貫き通した感じもあった

最後のシーンは物語のエピローグではなく、いつもの「万事屋」で締めるところも
1本の映画を見終わった印象がとても強く残り、
あぁ、ヤッパリ銀魂面白いな~とひしひしと感じられるポイントだろう。

全体的に見て予想以上に素晴らしい出来栄えの作品だった
もちろん「銀魂」という作品を知っている前提に鳴ってしまってはいるが、
真面目でシリアスな本筋のストーリーを怒涛のギャグとパロディ、
銀魂らしいセリフ回しで決してシリアスに感じさせないストーリー展開になっており、
そうかと思えば「中盤」からはきっちりとストーリーをまとめあげ・・・
そうかと思えばギャグになる(笑)
最初から最後まで銀魂らしい内容だったといえるだろう

残念な点は終盤のストーリーの散らかりとタイムパラドックス的矛盾ぐらいだが、
終盤のシーン自体は怒涛の展開や銀さんのもとに集結するいつもの仲間たちなど
勢いのあるシーンで「ごまかしてはいる」ので、そこさえ気ににしなければ
非の打ち所の無い作品になっている。
終盤は見せ場や決めているシーンも多いのでファンにとっては歓喜するシーンも多いだろう

本当に全編ギャグが冴えていた(笑)
映画泥棒からの本筋のストーリー、銀さんが珍宝さんに見える、けいおん商法批判、
あれたちぬ、5年後の変わりすぎなキャラクターたち、
もう笑いっぱなしになってしまうほどギャグのレベルが高い。
見終わった後に「あぁ、やっぱり自分は銀魂が好きなんだな」と実感できる作品だ

個人的には中盤で小林ゆうさんの予想外の熱演に驚いた。
小林ゆうさん演じる「猿飛あやめ」は銀魂ではギャグ要員でしか無いが
そのギャグ要員な彼女が予想外にシリアスな演技で熱演をしており、
その予想外さと「お妙さん」の状況で涙腺をくすぐられそうになった。
こういった真面目な部分でもギャグではない予想の裏切り方をしているのは本作品の魅力の1つだ

銀魂の様々な要素を集大成にしたようなそんな作品だ。
本来なら終盤のストーリーと設定の散らかりと「銀魂を知っている前提」の作品なので
もう少し評価を下げるところだが、作品全体の完成度の高さ、
そしてアニメ銀魂「完結編」ということを考えて少し評価を甘くした。

これが銀魂最後の作品になってしまうのか、
それとも「終わる終わる商法」なのかは今のところ分からないが、
銀魂らしく何事もなかったように万事屋の外観から再会することを期待していますw

それにしても公開前のジブリの映画をパロディして大丈夫なのだろうか・・w
「風立ちぬ」制作発表されたのが去年の12月ということを考えると
急いで作品の中に盛り込んだのだろう(笑)
さすが銀魂スタッフとしか言えない危ないパロディだ、
公開前の作品をパロディするというのは本作品が初めてかもしれないw

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