ラブコメ

地方キャバクラ感「道産子ギャルはなまらめんこい」レビュー

道産子ギャルはなまらめんこい ラブコメ
©伊科田海/集英社・道産子ギャルはなまらめんこい製作委員会 
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評価 ★★★☆☆(41点) 全12話

TVアニメ『道産子ギャルはなまらめんこい』第2弾PV|2024年1月8日放送開始

あらすじ 東京から北海道北見市に転校してきた男子高校生の四季翼は、クラスメイトでギャルの冬木美波と出会い、いつしか彼女から目が離せなくなってしまう引用- Wikipedia

地方キャバクラ感

原作は少年ジャンプ+で連載されている漫画作品。
監督は湊未來、制作はSILVER LINK.、BLADE

北海道

この作品はタイトルでも分かる通り「北海道」を舞台にした作品だ。
主人公は東京から北海道に引っ越してきた高校生であり、
引っ越初日に「生脚ミニスカギャル」と出会うというところから
物語が始まる。

ヒロインはかなりギャル全開のギャルだ。
がっつりと化粧をして髪の色も金髪で、北海道という寒い地域なのに
彼女はタイツすら履かず生脚を貫き通している。
どんな「道産子ギャル」な彼女と出会うことで、
彼は北海道という巨大な地の洗礼を味わう。

新居までは歩いて3時間、隣の市なのに3時間もかかるのが北海道だ(苦笑)
そんな北海道の知識を一切知らない東京人である彼に
ヒロインは興味津々だ。

がっつりと「方言」を使いながら喋る様子は可愛らしく、
東京では目立たない男子だった主人公に、
ヒロインは興味津々で、好感度も高い、更に距離感もバグっている。
初対面で出会って5分で腕を組んでくるほど積極的だ。

同級生と知るやいなやタメ口で話だし、積極的に彼に迫ってくる。
そんな彼女にある種一目惚れした主人公は、
素直に彼女を褒め、彼女も顔を赤らめる。

かなりド直球なラブコメ模様になっており、
テンポが良すぎるくらいによく、展開も異様に早い。
ギャルだけど彼氏がいるわけでもなく、純朴な少女だ。

こういったギャップ設定もかなりベタであり、
「北海道」で「方言」を喋る道産子ギャルというのが
この作品の特徴であり、同時にそれだけともいえる。

しかも、転校した学校では同じクラスで隣の席だ。
黒髪清楚な女性が好きだった主人公は、
徐々に「道産子ギャル」にハマっていく。

北海道ネタ

北海道ネタともいえるものもふんだんに描かれている。
北海道の広さや、北海道の寒さ、方言の数々など、
色々と盛り込まれているのはわかるが、
それが面白さになっているかどうかは微妙なラインだ。

同じローカルネタな
「八十亀ちゃんかんさつにっき」が名古屋ネタそのものの
面白さがあったものの、この作品にそういう面白さはない。

どことなく、そういう要素の盛り込み方にわざとらしさすら感じてしまう。
連呼する「なまら」という方言、ローカルネタの数々は、
面白さよりも、盛り込まなければならないという
強制感すら感じる。

あくまで北海道弁を喋る積極的だが純情なギャルの
積極さを楽しむ作品であり、それ以上でもそれ以下でもない。
出会って5分で腕を組み、出会って1日で家に誘う。
この積極さは凄まじく、ちょっと展開についていけないほどだ。

どことなくギャルという見た目だからかもしれないが、
その積極さも相まって「キャバクラ嬢」のようにも見えてしまう(苦笑)
東京のサラリーマンが北海道のキャバクラで接待されている、
そんな光景にも見えてしまうのがこの作品だ。

展開の速さや、馴れ馴れしさ、見た目などの要素が絡み合った結果、
地方キャバクラの様子を見ているようになってしまう。
1話の終盤ではほぼ下着のような薄着な格好をしており、
その格好もまたキャバクラに見えてしまう原因だ。

序盤はそんなキャバ嬢なヒロインが積極的に主人公に話しかけ、
二人の仲が深まっていく。
安易なセクシーシーンやド直球な展開は多いものの、
お手軽ラブコメとして楽しめる部分はある。

黒髪清楚系ギャル

3話になると別のキャバ嬢、もとい黒髪清楚系ギャルが出てくる。
無口でおとなしい彼女はヒロインがいくら話しかけても反応せず、
クールだ。見た目は美人ではあるものの、陰キャなギャルだ。

メインヒロインが見た目はギャルだが純朴なのに対し、
もう一人のヒロインは見た目はギャルだが陰キャという
どちらもギャップ萌えを狙っているキャラクター像だ。

そんな陰キャなギャルの「秘密」を主人公は知ってしまう。
彼女は汗っかきだ、そんな体質だからこそ体育が苦手で、
陰キャなゲーマー故に人と関われないでいる。
そんな秘密を知った主人公は彼女との距離を一気に縮める。

最初のヒロインもそうだが、2番目のヒロインも、
ぐいぐいと距離感を主人公もヒロインも詰めていくパターンであり、
丁寧な心理描写というよりは「チョロい」という印象を受ける。

ギャルだからチョロい。
そういうイメージのもとにストーリーが作られている感じだ。

登校

基本的に北海道の日常を淡々と描きつつ、ラブコメを描いている。
ただの登校1つでさえ、北海道という場所ならエピソードが生まれる。
ただ、キャバ嬢にしか見えないせいか、
雪の中車で送られる様子が「送迎」にみえたり、
一緒に投稿する姿が「同伴出勤」にしかみえないのが欠点だ(苦笑)

ヒロインの積極さも凄まじく、
お風呂に入ってる写真を主人公に送りつけたりもする。
更にお風呂に入ってるシーンを生配信したりもする始末だ。
キャバ嬢の過激な色恋営業と、それに悶え苦しむ主人公、
1度そう思ってしまうとそれにしか見えない。

狙ってやってるのでは?と思うほどそういう展開も多い。
キャバ嬢との店外デート、アフターのカラオケデートetc…

露骨にキャバ嬢に見えるような展開が多い印象だ。

ピアノ

中盤の盛り上がりと言えるのがバレンタイン回だ。
二人のヒロインが主人公のためにチョコを作るが、
道産子ギャルである「冬木」は手作りチョコを台無しにしてしまう。
そのことで落ち込んでいる彼女を見て主人公はどうするのかと思いきや、
唐突にピアノを引き出す(苦笑)

あまりに唐突にピアノを引き出す主人公の行動の
ぶっ飛び具合に妙な笑いすら生まれてしまう。
弾いたのはヒロインがカラオケで歌っていて好きだった曲ではあるものの、
それまでピアノのピの字もでてこなかったのに、
唐突にピアノをひきだすのは謎でしか無い。

主人公は子供の頃からピアノを習っており、
彼女の祖母は高校生の男子に厳しい門限を決めているほどだ。
彼がなぜ転校してきたのか、母は居ないのかなど、
色々と気になるところもある。

そんな祖母にテストで学年10位以内に入らなければ
東京に返すと言われてしまう。
そもそも引っ越した理由も明らかになっていないため、
いきなり返すと言われても話についていきにくい。

なぜ彼が北海道に引っ越してきたのか。
その導入部分を濁しているため、
この中盤の祖母の介入が理解しにくいものになっている。

和服フェチ

中盤を過ぎると更にヒロインが増える。
高校のミスにも呼ばれる美人であり、勉強もできる優等生な先輩だ。
だが、そんな先輩にもギャップがある。
彼女は「和服」フェチだ(笑)

主人公が祖母に言われて茶道をするために
和服に着替えている姿を見るやいなや、
彼女は主人公に抱きつく始末だ。

そんな先輩から勉強を教えてもらうことになり、
もし、学年10位以内に入れたら彼女は主人公と
デートをする約束をこぎつける。

他のヒロインもそうだが、展開が唐突すぎる。
特にこの先輩の展開の速さにはあまりついていけない部分があり、
ただの和服フェチというだけで、ここまでいきなり、
好感度マックスになるヒロインに感情移入もしきれず、
他のヒロインと同様に、どうも魅力を感じきれない。

歴女で和服デートがしたいという彼女の願望はわかるものの、
その姿からどこか「高級ホステス」感すらある(苦笑)
道産子ギャルである「冬木」は北海道のキャバ嬢、
陰キャギャルである「秋野」は東京のキャバ嬢、
歴女な先輩である「夏川」は高級ホステスと、夜の香りがすごい。

この夜の香りの原因は主人公に特に好かれる理由があるほどの
「魅力」が決定的に足りないからだ。
だからこそ、夜のお姉さんたちによる接待、営業に見えてしまう。
アフターで焼き肉を食べたりと、それっぽい要素が多いのも原因だ。

主人公がいなくとも「冬木」は、陰キャなギャルや
歴女な先輩の心に踏み込みつつも、彼女たちのことをしっかりと理解し、
仲良くなっている。むしろ主人公が居ないほうが
この作品は面白くなるかもしれないと感じるほどだ。

ラブコメとして陰キャギャルや年上の先輩なども居るものの、
彼の本命は「冬木」であることは変わらない。

デート

終盤にはそんな冬木とのデートが描かれる。
はたから見ればカップルであり、相思相愛だ。
だが、主人公はその一歩を踏み出せない。
そんな彼の答えが「別れ」につながる。

冬木は美容系の仕事を目指すために韓国への留学を決めている。
いわゆる終盤のシリアスイベントなのだが、
たった2週間の短期留学だ(苦笑)

主人公の父は主人公を見て
「やっぱりお前を北海道につれてきて正解だな!」というのだが、
結局、彼はどうして北海道に来たのか。
そのあたりが濁されて終わってしまい、モヤモヤする作品だった。

総評:ラブコメ?いいえ、色恋営業です

全体的に見て、いろいろな部分でわざとらしさを感じる作品だ。
ヒロインの北海道弁もかなりわざとらしく、
ことあるごとに「なまら」や「したっけ」を連呼しているのは
可愛さや魅力というよりは違和感のほうが強い。

恋愛関係の描写に関してもスピード展開過ぎる。
出会って数秒、数分で高感度マックスで腕を組んでくるわ、
次の日には家に誘い込むわと距離感バグってるのか?と思うほどに
グイグイに迫ってくるヒロインには違和感しか感じない。

その見た目と距離感のせいか、どうにもキャバ嬢に見えてしまい、
東京から来た主人公が北海道という地方のキャバ嬢に
色恋営業でもされてるのをひたすら見ているかのような気分だ。

他のヒロインに関しても東京のキャバ嬢、
銀座のホステスと、どことなく夜の匂いが漂う雰囲気を出しており、
その原因はやはり、主人公に魅力がないのに
ヒロインたちの距離感と惚れっぷりに違和感を感じるからだ。

そもそも主人公はどうして北海道にきたのか。
父の仕事の都合なのか、彼自身になにかあったのか。
そのあたりを濁して描いているせいで、過干渉な祖母の態度などにも違和感を感じる。
おそらく出てこない母親に何かしらの原因があるのかもしれないが、
1クール引っ張って結局何も明かされないのは謎だ。

作品全体としてかなりお手軽なラブコメになっており、
ヒロインを気に入れば楽しむことが出来るが、
ヒロインを気に入らなければ楽しみにくい作品だった。

個人的な感想:キャバ嬢

どうにもキャバ嬢っぽさが凄まじい作品だった。
過剰な色恋営業でもしてるかのような距離感や、
シチュエーションの数々が主人公という太客を逃しまいとする
キャバ嬢にみえてしまい、そのせいか他のヒロインも
夜の女性に見えてしまう。

セクシーなシーンの作画はしっかりしているものの、
ヒロインに個人的にあまり魅力を感じなかったため、
楽しみきれなかった作品だ。

この手のヒロインに何らかの特徴があるラブコメは最近多いが、
結局、ヒロインを可愛いと思えるかどうかで楽しめるかどうかが決まる。
私は夜のお姉さん系にはなびかないことを実感できてしまう作品だった(苦笑)

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