ハーレムラブコメかと思った?残念、青春アニメでした!?「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」レビュー

2016年7月1日

評価★★★☆☆(58点)全12話
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あらすじ 県立前ヶ崎高校に通うネトゲ好きな男子高校生の西村英騎は、MMORPGの「レジェンダリー・エイジ」内で女性キャラへと告白したものの、相手から「ネカマ」だと教えられ、激しいショックを受ける。そのトラウマから「リアルとゲームは別物」だと区別しながらも、現在は自分が所属するギルド「アレイキャッツ」の面々とゲームを楽しんでいた。
引用 – Wikipedia


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ハーレムラブコメかと思った?残念、青春アニメでした!?

原作はライトノベルな本作品。
監督は柳伸亮、制作はproject No.9

見だして感じるのは若干クセのあるキャラデザだろう。
女性キャラクターの目の大きさや、
キャラクターごとにきっちりと違う髪色、
女性キャラクターは必ず「下唇」がぷるんとしている。

ストーリーに内容も癖がある。
この作品は題材通り「ネトゲ」を基本とした学園ラブコメだ。
オタクな主人公がネトゲ内で結婚した嫁や同じギルドの仲間とオフ会をしたら、
ネトゲの嫁はネカマではなく女の子で、
しかも他の二人の男ギルドメンバーも同じ学校の女子でクラスメイトだった。
という感じの内容だ。

ネトゲの嫁も男かと思っていたギルドメンバーもすべて美少女、
しかも同じ学校という、はっきりいって
「都合の良すぎる設定」をどの程度受け止められるか、
人によって好みがはっきり別れるポイントだろう。

さらに言えばネトゲを題材にしているせいか、
いわゆるネットネタ、ネトゲネタなどが非常に多い。
「お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな」
などのセリフが平然とこの作品では出てきたり、
有名ドコロのパロディネタなどもしれっと織り込まれている。

1話の時点で「この作品を構成する要素」がはっきりと分かり、
この要素が嫌いな方は2話以降を見ても面白いとは感じにくいだろう、
逆にこの要素が面白いと感じた人は2話以降も面白いと感じる。
この作品の面白さと欠点が1話ではっきりと分かるのは、
最近の制作されるアニメの数を考えれば割りきった作り方だろう。

更に1話から「ヒロインの可愛さ」もはっきりと現れている。
前述した「下唇」のぷるっとした感じの印象と、
分かり易いまでにぷるんと揺れまくる「胸」、
妙に狙いまくって「ローアングル」で映しだされるお尻など
フェチズムを感じる描写の数々はダイレクトなセクシーシーンよりもエロい。

そのセクシーさとヒロインの可愛さの描写が素直に見ている側に突き刺さり、
その可愛さが面白さにもつながっている。
主人公に対して若干うざいくらいに好意を向ける「アコ」の
純粋な気持ちと可愛さなど、丁寧な女性キャラクターの描写のおかげで
素直に可愛いと感じられる。

ストーリー的にも2話以降、面白さが増していく。
この作品の主人公と3人のヒロインははっきりとした立ち位置で描かれている、
ヒロインの一人はネットと現実の区別が無くネトゲと同じように主人公に接し、
ヒロインの一人はネットと現実の区別をしっかりつけ主人公に接し、
ヒロインの一人はネットと現実の区別をつけているつもりだが、
割りきった区別をつけられないで主人公に接する。

そんな3人のヒロインの立ち位置に主人公が振り回される。
振り回されながらも主人公は1つ1つにしっかりと対処する、
これで主人公もネトゲと現実の区別がつかないなら
痛さが爆発して面白さを感じにくかったかもしれないが、
主人公がきっちりとネットと現実の区別をしているおかげで、
主人公に対しても愛着が湧きやすく、愛着が湧いた主人公が
可愛らしいヒロインに振り回される様子が面白い。

前述したネット&ネトゲネタもわかると非常に面白い(笑)
「見抜き」ネタや、ボトラーネタなど、
ネトゲ題材の中の禁断とも言えるネタをぶちこんでくる。
ネトゲネタがわかれば爆笑できるポイントも多いが、
分からないと笑いにはつながらない。

1話である程度、この作品の視聴者を選定してはいるからこそ、
濃ゆいネタをネタとして取り込んでおり、
本来なら嫌悪感を感じやすいネット用語もこの作品では嫌悪感を感じにくい。

たまにシリアスなストーリー展開にもなるのだが、
この作品は重くなり過ぎない。
ネトゲにハマっているヒロインだからからこそ抱える問題を
主人公が非常にまじめに対処する。

1話で感じたご都合主義の設定からは考えられないほど、
主人公は真剣にヒロインの抱える問題を受け止め、
決して説教臭くならずに問題を解決するストーリーは素直に面白く、
丁寧なキャラクター描写が相まって、
ストーリーが進めば進むほどキャラクターに強く感情移入することができる

この作品の面白いところは「ラブコメ」ではあるが、
「ハーレムラブコメ」ではないという所だろう。
基本的に恋愛要素は主人公と「あこ」だけであり、
他の二人のヒロインは主人公に対して恋愛感情はない。
そこに「ブレ」は一切なく、三角関係にも発展しない。

本来はハーレム的展開になる要素と設定ばかりだ。
しかし、敢えてこの作品ではハーレム展開にせず、
わかりやすいまでに主人公とメインヒロインである「あこ」の関係性が描かれる。
話が進んでもいわゆる「イチャラブ」的なバカップルシーンが非常に多いが、
そのイチャラブ感もこの作品の魅力だろう。

最初から最後までキャラクターに「ブレ」がなく、ストーリーにもブレがない。
ただ、そのブレの無さは8話くらいまではきっちりと盛り上がり
面白さにつながっていている要素だったのだが、
9話くらいからブレないせいでストーリーが平坦になってしまっている感じが強く、
ストーリー構成的に8話あたりの内容が最終話でも良かったのでは?
と見終わったあとに感じてしまった

全体的に見て好みが分かれる部分はあるものの、
1話で好き嫌いが別れる要素がはっきりと描写されており、
ツボにハマれば最終話までしっかりと楽しめる作品だ。

1話では想像もできなかった「青春ラブコメ」と「ネトゲ」の
2つの要素をうまくあわせたストーリー展開と
それに伴うキャラクターの描写も素晴らしく、
女性ヒロインは多いが「ハーレムラブコメ」ではないラブコメを
最初から最後まで貫き通しているのはこの作品ならではの面白さを生み出している。

ただ、その反面でギャルゲーで言えば「攻略できないヒロイン」が多い作品でもあり、
ラブコメ要素は基本、主人公とあこで8話ですでにに完結しているようなものであり、
あとはネトゲあるあるネタでストーリーを上手く作ってはいるものの、
「これ以上のストーリーの広がり」が見えず、
個人的な意見になってしまうが1クールで綺麗に完結して欲しかったと
感じてしまう部分も大きい。

さらに言えば濃ゆいネトゲネタや、ネット用語の乱用など
元ネタがわかれば笑えるが、元ネタが分からないと笑えない。
濃ゆいネトゲ作品なだけに解説などもあまりないため、
ネトゲの知識がないと楽しみにくい部分も多い。

ネトゲ題材の作品は最近増えてきたが「攻城戦」などもキチンと描かれるのは
ネトゲ経験者としては面白く感じられるが、
ネトゲ経験者でなければ何のことだ?と思うセリフやシーンも有るだろう。

好き嫌いがはっきりわかれる作品なため高い評価はしづらいが、
個人的には始まる前は「テンプレート的ラノベハーレムラブコメ」を
想像してしまっていたのだが、いい意味でそれを裏切ってくれた作品だった。

売り上げ的には2000枚前後とやや厳し目。
2期は厳しいかもしれないが・・・
ストーリー的に伏線や先延ばしになっている要素はほぼなく、
1期である程度、ストーリーがまとまっているためすっきりと見終われた作品だった。