「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」レビュー

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ラブコメ
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評価 ☆☆☆☆☆(6点) 全12話

あらすじ 私立穂積野高校1年生の可知白草は、現役高校生作家でとてつもない美人であり、学校でも有名であった。同引用- Wikipedia

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泥仕合

原作はライトノベルな本作品。
監督は直谷たかし、制作は動画工房

作画

アニメにおける1話、その冒頭は特に大事なものだ。
同時期に40本以上の作品が放送される中で、
そのアニメを見てもらうきっかけになるような1話冒頭でなければ
昨今は埋もれてしまい、人気が出ないまま終る作品も多い。

そんな大切な1話冒頭。この作品からはやる気が感じられない。見て分る。
あまりにもクォリティの低い作画だ。
1話の段階ですでに「作画崩壊寸前」のギリギリなキャラクターの顔には
不安しか覚えず、妙にキャラクターたちの肌の色が悪い。

日差しなどに対する「影」の表現であることは分る。
普通のアニメなら光8割、影2割で表現しているとしたら、
この作品は影8割、光2割だ。

学校の教室の中で教室の光をつけずに窓から差し込む
太陽の光源しかないような状況にあえてしていることによって
キャラクターの影がつねに濃ゆい。
恐らくは低クォリティの作画をごまかすためのものであることは分るが
見れたものではない。

ラブコメというジャンルに於いて大事な「キャラの可愛さ」が
まるで伝わらない。のっぺりしすぎた作画は明らかに予算も
スケジュールも間に合ってないことを1話から感じさせてくれる。
「カメラアングル」も斜めにしたりしてごまかしたりしているが、
ごまかせるレベルではない。

制作の動画工房は近年、優秀な制作進行とアニメーターが引き抜かれたことが
話題になっていた。かつての動画工房は女の子の可愛さの表現にかけては
群を抜いていたが、優秀な制作進行が抜けたことをこの作品から
ひしひしと感じさせてくれる。1話から制作が間に合っていない。

押入れ

ストーリー自体も作画のせいも相まって「古臭さ」を感じさせる。
本当にこれが2021年のアニメなのか?と思うほど
10年くらい前のラブコメラノベアニメを彷彿とさせるような
どこか「上滑り」した会話劇と特に笑えないギャグと言う名の
ジャンピング土下座を繰り返している。

1話の段階で主人公は片思いをしている。
幼馴染からは想いを寄せられており告白されたりするものの、
彼女の思いを主人公が受け止めることはない。

そんな主人公の片想いの相手に彼氏ができたやいなや、
何故か別に告白もしておらず、
片想いの相手に酷い事をされたわけでもないのに
復讐を誓う。

正直、意味がわからない。
物語の動機づけ、動き出す展開としての理由が非常に弱く、
主人公が幼馴染ほだされたとはいえ、復習を誓うという
流れにまるで納得ができない。
確かに主人公と片想いの相手は仲良くはしていた。
そんな相手に彼氏ができたからと言って復讐という流れになる意味がわからない。

どちらかといえば「逆恨み」だ。
初恋の相手は現役女子高生作家でスタイル抜群でアイドル的な存在だ、
そんな存在の子とすこし仲が良くて好意を持ち、
相手も好意を持ってくれると思っていたのに裏切られた。
厄介な勘違いアイドルオタクみたいな主人公だ。

1話からの作画の悪さ、物語の導入の悪さもあいまって、
1話切りした人も多いだろうなと感じさせてくれる。
復讐の内容もしょうもない。

初恋の相手の彼氏の「弱み」を握り、周囲にバラそうとする。
駄目男に捕まった駄目女というレッテルを貼れる!と意気込む
主人公に気持ち悪さしか感じない。
そんな主人公に対し幼馴染は「付き合ったフリ」を提案し、
幸せを見せつけることが復讐だというものの、
初恋の相手にとってはとんだ逆恨みと迷惑でしか無い。

初恋の相手の彼氏も「主人公」に負けないために初恋の相手と付き合っており、
この作品に性格のいいやつが一人も居ない。
腹黒さが売りなのかもしれないが、そこに魅力は感じない。

幼馴染

この作品のタイトルは「幼なじみが絶対に負けないラブコメ」だ。
幼馴染という属性はラブコメ、特にハーレム系のラブコメにおいては
いわゆる「負けヒロイン」になりやすい。
そういった印象があるからこそのタイトルであり、多くの人が
そういう作品を期待するはずだ。

しかし、この作品は期待はずれでしか無い。
なにせ出てくるヒロインはもれなく主人公の幼馴染である。
「そういうことじゃないんだよ」と思わずいいたくなるような
設定に頭を抱えてしまう。

1話で出てくる幼馴染は正統派な幼馴染のポジションだ。
話が進んでくると実は主人公の初恋の相手も主人公が覚えていないだけで
幼馴染だ。この時点で幼馴染が二人いる。
そこからさらに話が進むともうひとりヒロインが出てきて
しかも、また幼馴染だ。

この作品に出てくるメインヒロイン3人、全てが幼馴染だ。
ヒロインではないものの主人公のライバル的なキャラでさえ幼馴染であり、
幼馴染しか居ないと言ってもいい。
「実は幼馴染でした」という設定が明かされても、
そうだったのか!という衝撃よりも、がっかり感のほうが上回ってしまう。

ヒロインたちが隠している秘密もわりとあっさりと主人公に明かされ、
あまり引き伸ばさないのはいい点と言えなくもないのだが、
作画のせいでその「告白」のシーンの盛り上がらない。

これで「ヒロインを可愛い」と思えればいいのだが、
ヒロインの見た目は前述の通り、作画が悪く感じづらく、
どちらかといえば中の人、声優さんの演技だよりだ。
ヒロインを演じている佐倉綾音さんや水瀬いのりさんのファンならば
楽しめる部分もあるかもしれないが、純粋なキャラの魅力とはいい難い。

作画崩壊

主人公は子供の頃、子役をしていた過去があるものの、
トラウマのせいで演技ができなくなっている。
だが、そんなトラウマを乗り越え、片想いの相手を振り向かせるために
再び舞台に立とうとする。この流れ自体は決して悪くない。

しかし、また作画が邪魔をする。
主人公のライバルキャラが文化祭の舞台で歌いながら
とんでもないダンスを披露する(苦笑)
正直、別に歌うような曲でもないのに踊るの意味不明だが、
そこに主人公が乱入しタコ踊りを始める。地獄である。

本来はトラウマがあった主人公が好きな子を振り向かせるための、
復讐をきっかけに再び舞台に立つという展開なのは分るが、
作画崩壊したタコ踊りのせいで盛り上がりもクソもない。
一体、何を見せられているんだろう?という疑問すら湧いてくる。

盛り上げなければならないいけないシーンを作画のせいで
盛り下げられていない。台無しだ。
そもそも一応は元子役と俳優同士の勝負なのに歌や踊りの勝負なのが謎だ。

話自体も本来は3話で終る話をあえてキャラクターたちの
こじらせた感情のせいで引き伸ばしただけにしか見えない。
本来はそういったキャラの面倒臭さがキャラクターの愛くるしさ、
不器用ゆえの話の展開に愛着が湧く展開なのかもしれないが、
面倒臭さだけが際立っており、話も作画も面白みを感じない。

素っ頓狂

中盤になると話がより素っ頓狂になる。
特に一人目の幼馴染の行動は最早、理解不能だ。
主人公の告白をあえて断ったものの、主人公はある種のトラウマになる。
そのことに後悔しているのは分るものの、
都合のいい「記憶喪失」になりやり直そうとする。

記憶喪失になれば主人公が自分を助けてくれるはず。
そんな思いからなのは分るが、あっさりと嘘であることもバレる。
幼馴染なヒロインは味覚がおかしいという設定もあるのだが、
特定の期間だけ記憶喪失担ったという設定で味覚まで変わる。謎だ。

特定の期間の記憶だけの記憶喪失になると味覚が変わるという常識が
この世界にはあるのかもしれないが、見ている側としては意味不明だ。
「このシーンの意味はあるのか」と思わず考えてしまうほど
意味のないシーンがある。話が根本的につながっていない。

これで生まれたときからの記憶を失い、自分が誰だかもわからないという
記憶喪失ならば味覚が変わるのも理解できなくもないが、
ヒロインの記憶喪失はそもそも嘘であり、
特定の期間だけの記憶喪失でしかない。

ヒロインたちの主人公をめぐるラブコメ的な展開がどうでもよくなるほど、
作画の悪さよりも話の悪さのほうが余計に際立ち始め、
妙なシリアス展開なども起きるものの、心底どうでもいい話だ。
序盤はまだ見れる部分があったが、中盤からの話は
ストレートにつまらない。

唐突に起るCM対決など芸能関係の話の作り込みの甘さがすごく、
突っ込みどころが多い。
主人公が元子役だったという設定を活かしたいのは分るが、
そこを活かすために話が破綻していくような感覚だ。

芸能関係の話をやるなら芸能関係の話をやる、
ヒロインが記憶喪失なら記憶喪失の話をやるで
どっちかにすればいいのに同時進行に進めて変な感じになってしまい、
記憶喪失の話をする意味があったのか?と思うほどだ。
話がメチャクチャだ。

嘘をついたことがバレてもヒロインは謝らない。
それに苛立つ主人公に対して悪びれる素振りもない。
こんなヒロインに愛着を持つほうが無理だ。

ラブコメ

中盤以降になると主人公たちはYouTuberのマネごとのようなことを始める
それが別に面白いわけでもなく、そんな真似事の最中に
ラブコメ的展開が進んでいく。

ただ、どのヒロインとも結局は進展しているようで進展していない。
性格の悪い幼馴染よりも、幼馴染の妹のほうがいいのでは?と思うほど
話が進むほどメインヒロインに対する愛着が薄れていく。
中盤のCM撮影の話や記憶喪失の話もそうだが、
自然な展開ではなく強引な展開が多く、突拍子もない。

ヒロイン同士の主人公をめぐる駆け引きはあり、
そのあたりはラブコメらしい面白さがあるとも言えなくもないが、
作画や突拍子もない展開やヒロインへの愛着のわかなさから
ラブコメとしての面白さも感じにくい。

負けては居ない

ラストも結局は決着はつかない。
確かにタイトル通り幼馴染は負けては居ない、
どの幼馴染も勝っていないからこそ負けては居ないとはいえる。

ドキュメンタリー撮影の中で過去を振り返り、どのヒロインを選ぶのか。
終わらすことも出来る最終話だったのに、終わらせない。
続きは原作でと言いたいのかもしれないが、同じように
結末を引き伸ばしているだけなのでは?と感じるような
ストーリーでしか無い。

こういった結末引き伸ばしハーレム系ラブコメは2000年代初期くらいに
よくあったものの、その手の作品をまさか2021年にも見ることになるとは
思っても居なかった。

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総評:泥仕合

全体的に見て駄作だ。
1話の段階から作画が酷く、3話では作画が崩壊している。
それ以降は極端に崩れるということはないものの、
全体を通して低クォリティの作画は「動画工房」という制作会社の
ブランドの衰退すら感じてしまう。

作画がひどいだけならまだいい。しかし、この作品はストーリーも酷い。
物語の中における登場人物の動機づけや感情のブレが凄まじく、
突拍子もない展開や一帯どういうことなの?と言いたくなるような要素も多く、
一体、何を見せられているんだろうという気分にすらなる作品だ。

唯一評価できるとすれば声優の演技くらいだ。
声優さんたちの可愛らしい演技があるからこそ、ギリギリヒロインの可愛さを
感じ、最後まで見ることができたが、それでもギリギリだ。
ヒロインたちの性格の悪さ、腹黒いというよりも単純に性格が悪い
幼馴染に対する拒否感すら感じてしまった。

作画が良くてもストーリーが良くない。
作画とストーリーがもし良くても性格が悪いヒロインを受け入れづらいのに
作画もストーリーもすべて悪い。泥仕合を見ているような作品だった。

個人的な感想:いもいも…

作画の不安定さからあの「いもいも」を彷彿とさせる作品だった。
あの作品も、もし作画が良くてもと思える作品だったが、
この作品も似たような感想が出てきてしまった。
もっとも、あの作品ほど作画は酷くないのがせめてもの救いかもしれない。

この手の作品の場合、誰かしら好きになるキャラは居るが
この作品に関してはどの作品も好きになれなかった。
ラブコメという作品でここまでヒロインの可愛さを感じられない作品は
ある意味で珍しいかもしれない。

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