最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。

☆☆☆☆☆(8点)

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色々な要素が中途半端、もっと貫いて欲しかった

原作は漫画作品。
監督はこの作品が初監督の「畑博之」、脚本、シリーズ構成は倉田英之氏、
実写映画化もされた作品だ。

基本的なストーリーはセクシーラブコメ。
親の再婚で高1の妹が出来た主人公、しかし、両親は急に海外へ出張、妹との仲は険悪と
先行きが不安の最中、そんな気まずい二人だったが妹が倒れて目を覚ますと
幽霊に取り憑かれていた・・・というところからストーリーが始まる

見だして感じるのはテンポの悪さだろう。
淡々と登場人物たちの状況を説明している感じが強く、
丁寧といえば丁寧なのだが1話なのに惹きつけられる何かを1話前半では感じにくい。
しかしながら、幽霊が登場すると物語が一気に加速する。
なにせ妹に取り付いた幽霊は唐突に「行為」をする(苦笑)

このアニメはいわゆるセクシーな描写の多いアニメだ。
放送中に「BPO(放送倫理・番組向上機構)」で審議の対象になり、
放映時間が22時から深夜に変更させられたほど過激な描写が多い。

更にそんなセクシーな描写や過激な描写が「大きすぎる規制表現」のせいで
非常に画面が見づらい、見づらいだけならまだ許せるが
はっきりいってこのセクシー描写の数々はやりすぎだ。
一時期(2010年ごろ)、アニメ業界でセクシーかつ過激なアニメが流行った時期があったが、
その時期に放映された「聖痕のクェイサー」「れでぃ×ばと!」「kiss×sis」などに比べると
この作品がいかにひどいセクシー描写をしているかわかる。

「聖痕のクェイサー」はあれ自体がシュールギャグなようなものになっており、
「れでぃばと!」や「Kisssiss」はセクシー表現がギャグにもなっていた。
しかしながら、この作品は直接的な表現が非常に多く、
面白い面白くない、エロいエロくない以前に酷く「下品」だ。

私は本来セクシーアニメは好きなジャンルだ、前述した作品も楽しめた作品だ
しかし、このアニメのセクシー表現は下品なだけで面白みがない。
ただ女性声優が演じる女性キャラ同士に「行為」をさせて喘がせるだけで
キャラクターの可愛さやセクシーラブコメにありがちなギャグにすらなっておらず、
「セクシー描写」をするためだけの「シーン」づくりにしかなっていない、
BPOの審議対象になるのもなってしまうほど制作側が表現を「自重」していない。

同じようなシーンでも描写の仕方1つでもっと笑えて
なおかつ「エロい」と感じるようなシーンも有るだろう
だが、この作品の描写は「わかっていない」とぼやいてしまうほど
セクシーシーンの見せ方の1つ1つが「下品」な表現にしかなっていない。
はっきりいってしまえばこういったシーンの表現や描写に対する「センス」がなく
中途半端な描写で声優だよりのシーンになってしまっているためフラストレーションが溜まる。

下品なだけならまだ我慢できるが、キャラクターがかわいそすぎる。
この作品のヒロイン「美月」は唐突に取りつかれた幽霊にTSTというものを装着させられる。
このTSTは「貞操帯」であり、取り付いた幽霊が満足しないと外せない
外せないうえに外しても3分間しか外せないという厳しい条件であり、
その貞操帯と幽霊から開放するために幽霊に協力するというのが本筋なのだが、
その設定のせいで「美月」を追い込むような状況ばかりだ。

トイレを我慢、失禁、風呂の鍵が不自然に壊れたり、
妹がピンチの時に限って兄が毎度余計なことをしでかしたりと無駄に追い込む状況が多く、
その状況が「ワンパターン」で展開にひねりがなく面白みが薄い。

これでテンポがよければ「ギャグ」にもなっただろう。
だが、無駄にテンポが悪いせいで「美月」が追い詰められている状況が長引いてしまい
見ている側の不快さがどんどん溜まっていき、その不快さが開放されるシーンが非常に短い。
だから見れば見るほどフラストレーションが溜まっていく。
執拗に「美月」を追い詰めるような展開も多く、
追い詰めてセクシーシーンをしたいがための展開が多い。
ストーリーの展開が「不自然」といえばわかりやすいだろう

更に幽霊。
この幽霊は「成仏するため」にヒロインに取り付き、
ヒロインの兄とラブラブな行動をしようとする。それだけだ。
とり憑いてしまったヒロインに対し「申し訳ない」というような気持ちはなく、
TSTのせいで不便な生活を強いられて苛立っている彼女を見ても
なぜ怒っているのだろうと首を傾げるようなキャラクターだ。

彼女のせいで強制的に兄とのラブラブな行為をしなければ
「貞操帯が外れない上に死ぬ」というリスクを背負ってしまっており、何の救いもない。
強制的に義理の兄と恋愛的な行動をしなければならない設定の兄と妹のラブコメなど
何の共感もできず、設定が明かされる度に「不快」になってしまう。
これで幽霊が申し訳ない態度があるならばまだ見れるが、
幽霊はつねに兄との恋愛以外は何も考えていない。

中盤以降は露骨にセクシー描写が減る。
1話~3話くらいまでは過激な描写が多かったが、5話以降は急にセクシー描写が減り
「幽霊に取り憑かれている妹」と義理の兄のラブコメ要素が増える。
不自然なほど急激に減ることで話のテンポ自体は悪くないと感じるのだが、
結局はいろいろな部分で感じる中途半端な要素のせいで面白さに繋がっていない。

セクシー描写で作品を作りたいなら最初から最後までもっと貫くべきだ、
義理の兄と妹の恋愛描写を描きたいなら幽霊の要素ははっきりいって邪魔だ、
中途半端かつ唐突にパロディ回をやったり、中途半端なところでストーリーが終わったりと
作品の「芯」がなく色々な方向に行ったり来たりしているような感覚だ。
なぜもっとセクシー描写を貫かない、なぜもっと芯の通ったストーリー展開にしないと
前半は下品なセクシー描写で苛立つが、中盤以降は中途半端さにいらだちを覚える。

幽霊を見えるキャラクターも居たり。兄も見えてるのかもしれないのだが、
これもまあ中途半端だ。
見えるなら見える、見えないなら見えないで面白みが生まれるのに
「存在を微妙に感じる」というなんとも中途半端な設定や
なぜか見えてる時となぜか見えない時がある描写のせいでその設定が活かされない。

全体的に見て中途半端な作品だった。
序盤こそセクシーなアニメのような描写が多く下品な印象だったが、
中盤以降は急にその描写がなくなり、
中盤以降は義理の兄とのラブコメをやりつつ中盤以降で笑えないパロディや
設定がブレすぎていて幽霊が見えているのか見えていないのかわからなかったり、
淡々とストーリーを進めるだけで面白みにかける。

そして根本的にキャラクターを一人も好きになれない。
メインヒロイン自体はひどい状況になって可愛いよりも可哀想に見えてしまい
幽霊ははっきりいって「悪霊」でしかなく、自分勝手でひどい。
義理の兄はラブコメでありがちな勘違いや鈍感さが際立っており、
そのせいで義理の兄の幼馴染のキャラクターの好意も中途半端な描写しかなっていない
他のサブキャラは出番が少ないためなんとも言えず、
この作品に出ているキャラクターに「好感」が持てず
キャラクターに対して「可愛い」という感情が浮かばない

全体的にもっとテンポが欲しかったと感じる部分がある。
そのせいでこの作品の「欠点」がアニメ化したことで目立ってしまったのではと思うところが多く、
テンポを上げてギャグに出来るシーンや、テンポを上げてキャラクターに対する嫌悪感を減らしたり
悪い部分をごまかす事ができたはずだ。
特に見る人を選びやすい「セクシー描写」の多い序盤でもっとテンポが良ければ
この作品に対する印象が変わり、キャラクターへ好感が持てたかもしれない。

ストーリー構成も謎だ。
兄が妹の態度がコロコロ変わるのを疑問をもち妹にその疑問を投げかけるのが6話と遅く、
あの話がせめて3話くらいに入っていればもう少しこの作品の世界観に入り込みやすかった。
グダグダと6話まで作品を一区切りせずにやってしまったせいで
グダグダ感が強まってしまった。

作画も全体的に微妙で質がいいとは言えない。
セクシーシーンだけ気合が入ってるということでもなく、
全体的に平均以下の作画で描写されているため、キャラクターの可愛さも際立たない。
作画も中途半端だ。

声優さんも、メインヒロインは新人である「橋本ちなみ」さんが演じているが
演技は普通で声質自体は可愛らしいと思うのだが、時折「声量不足」を感じる部分もあり
新人さんだなという印象はある。
もう少しベテランの声優さんなら「セクシーシーン」ももっとセクシーに感じられたかもしれない

キャラクター、ストーリー構成、作画、演出、声優、ストーリー、設定。
1つのアニメ作品を作る上で構成されるすべての要素がどれもこれも中途半端な作品だ
序盤の引いてしまうセクシシーンを除けば尖った部分、貫いた部分がない。
せめて序盤のセクシー要素をもっと貫いて欲しかった

褒めるならば終盤の「9話」や「10話」はセクシー描写と
ストーリー、キャラクターの描写のバランスが良く楽しめた話なのだが
このクォリティがもっと全体に生きてくればと感じてしまう部分でもあった。

原作が完結していないためもちろん完結しておらず中途半端に終わっている。
調べた所、原作が今6巻出ているうちの5巻くらいまでをアニメ化しているようで
ストックをほぼ使い尽くしている。
2期があるとするならばだいぶ先だろうが、肝心の売上が1巻は1700枚、
2巻に至っては1100枚とかなり厳しい。
恐らく2期はないだろう。

個人的にこの売上の枚数を見て安堵した。
セクシー描写のあるアニメは内容の出来栄えにかかわらず売れる傾向があるが、
この作品は内容の出来栄えに見合った売上で本当にホッとした(苦笑)
正直見る前はもう少し期待していたのだが・・・残念だ。