「ハイスクールD×D HERO」レビュー

2018年7月10日

評価 ★☆☆☆☆(19点) 全12話

あらすじ ディオドラ戦後、冥界ではグレモリー眷属をモデルとした特撮番組「乳龍帝おっぱいドラゴン」が人気を博し、イッセー達は一躍有名人となっていた引用- Wikipedia

おっぱいという名の冷水

本作品はハイスクールDDの4期。
3期から3年がたち、4期制作にあたって制作会社及び監督が変更された。
監督は末田宜史、制作はパッショーネ。
なお監督は「RAIL WARS」の監督である。

見出して感じるのはキャラクターデザインの大幅な変更だろう。
1期~3期までは90年台のアニメを彷彿とさせるような古さや
泥臭さがあり、その古さがあるからこそ、本作品の永井豪作品のような
オープン過ぎるおっぱいの描写などがいい塩梅にギャグにもなり、
また泥臭さがあるからこそキャラクターが際立っていた。

しかし4期のデザインは最近のアニメらしいデザインだ。
キャラの顔立ちが一気に幼くなり、男性キャラでも肌がぷるんとしており、
個性のあった1期~3期までのキャラデザから
一気に無個性のキャラデザになっている。


引用元:©石踏一榮・みやま零/株式会社KADOKAWA刊/ハイスクールD×D HERO製作委員会

それだけなら制作会社の変更とキャラデザの変更で納得できるが、
キャラクターデザイン的に作画崩壊を越しやすいデザインだ。
いわゆる「顔が溶ける」現象が作中で何度も起こり、
シーンによって極端にキャラの顔が違うときも多い。
作画監督が多すぎるのも原因と思うが、かなり見ていて気になる作画だ。

キャラデザと作画の質が変わったことでセクシーシーンの印象も変わる。
この作品のエロさはどちらかといえばオープンなエロスであり、
「永井豪作品」のようなおっぱいの描き方だった。
しかし4期では艶っぽい肌やおしりのラインまできっちりと描いており、
オープンなエロスというよりはストレートなエロスになっている。

特に胸の描写に関してはやりすぎだ。
確かに1期~3期のヒロインたちのおっぱいは大きく描かれていたが、
4期のヒロインの胸はいわゆる「奇乳」レベルであり、
体のバランスがおかしくなってしまっている。
ヒロインが露骨に「喘ぐ」シーンもかなり多い。

この辺りはかなり好みが分かれる所だ。
一言で言えばあざとく、1期~3期までは感じなかった下品さも出ている。
純粋にセクシーなアニメが好きな紳士にとってはニヤニヤできるものの、
1期~3期までのエロさくらいなら受け入れられた人でも、
4期のこの露骨かつ下品なエロ描写は好みが分かれるところだろう。


引用元:©石踏一榮・みやま零/株式会社KADOKAWA刊/ハイスクールD×D HERO製作委員会

更に0話。
1期~3期までを見てない人にとっての総集編の意味合いもあるのだろうが、
ダイジェストすぎて1期~3期までを見ていない人にはついていけない。
更に3期でアニメオリジナル展開になった部分を
「なかった」ことにし原作準拠の展開に描写し直している。
この点に関しては3期のアニオリ部分が極端にアニオリと分かるほど
レベルが低かったので正解とも言える。

しかし、戦闘シーンのレベルは明らかに下がっている。
末田宜史監督はもともと演出を長い間されてきた方だ。
そういった方が監督やると中身のない「派手さ重視」の演出ばかりになり、
画面は派手なのだがアニメーションとしての面白さがなくなることが多い。
この作品もまた類にもれず派手な演出ばかりだ。

カメラワークも工夫も感じられないほどアップばかりで、
ピカチュウも驚くほど眩しく派手なエフェクトを多用する。
見掛け倒しの迫力は生まれるものの、派手なだけで印象に残らない。
無能な監督にやりがちな無意味なスローモーションをもちろん使い、
演出だけが先行した見せかけだけの戦闘シーンばかりだ。


引用元:©石踏一榮・みやま零/株式会社KADOKAWA刊/ハイスクールD×D HERO製作委員会

話の腰を折る展開も多い。
この作品はシリアスかつ熱血な戦闘中でも「おっぱい」による
覚醒というギャグがお約束になっている。
しかし、4期ではそのギャグが戦闘を「一時停止」してやったり、
「一方その頃」みたいに別の場所にいる
ヒロインのセクシーシーンを無理やり挟んでいる。

せっかく戦闘が熱くなってきた所に冷水と言う名のおっぱいをかけられ、
せっかくのセクシーシーンも盛り上がってきた戦闘シーンも盛り下がる。
覚醒シーンも馬鹿馬鹿しくはあるのだが、今までのように
「触る」「吸う」「半分になる危機感」「つつく」などあったが、
また「つつく」だ。

これは3期の終盤がオリジナル展開になってしまったことと、
4期でそれをなかったコトにしたことによる弊害であり、
3期でみた「つつく」で覚醒が4期でも使われてしまっている。
同じネタを2度も見せられても笑えない。


引用元:©石踏一榮・みやま零/株式会社KADOKAWA刊/ハイスクールD×D HERO製作委員会

更にせっかく覚醒しても派手な演出なだけでかっこよさが伝わらない。
無駄にアップなカメラワークとド派手なエフェクトでごまかしてばかりで、
せっかく主人公が熱血らしく叫んで戦っているのに見てる側は全く燃えず、
敵もふいをつかれて怪我したのみで何のために覚醒したんだ?と思うほどだ。

キャラクターも多すぎる。
3期の時点でかなりのキャラが追加されたが4期はその非じゃない。
狐だの英雄だの西遊記だの、様々な属性のキャラクターが出てくるが
特に印象には残らないうえに、いきなり出てきていきなり帰っていく。

敵が敵らしいのは本作品の特徴でもあるが、
3期以降は敵の掘り下げが非常に薄く、
そのせいで主人公と戦ってもいまいち燃えるシュチエーションにならず、
結局、出てきてもいろいろな事情で撤退してしまい、その後は出てこない。

キャラを増やすのは良いが減らすことをまるでしない。
ライバルキャラとの戦いが物語的に引っ張られるのは構わないが、
どうでもいい敵の決着まで引っ張るのは、
すっきりとしないものがどんどんと積み重なっていく感じだ。


引用元:©石踏一榮・みやま零/株式会社KADOKAWA刊/ハイスクールD×D HERO製作委員会

ストーリー的にも終盤、久しぶりに「レーティングゲーム」が描かれる。
しかしながら、こちらのメインキャラと戦う敵に関する掘り下げはなく、
主人公以外の戦いがびっくりするほど短い。
派手な演出ばかりで盛り上がってる風を装ってるが、
各試合3分ほどしか描かれないため盛り上がりもクソもない。

男の娘である「ギャスパー」が男を見せるシーンなど、
きちんとした尺できちんと描けばもっと面白く、
キャラの印象も深まるシーンなのにサクサクと描いてしまう。
意気揚々と出ていった「朱乃」さんなど1分もしない間にやられる。
監督が描きたいこと以外はどうでもいいという適当感が伝わってくる。

最終的に5期をやりたい感じで終わってしまっており、
ストーリーの区切りも甘い。
売上次第で5期を狙ってるのかもしれないが、
もう1度制作会社と監督を変えてほしい所だ。


引用元:©石踏一榮・みやま零/株式会社KADOKAWA刊/ハイスクールD×D HERO製作委員会

総評

全体的に見てこの作品が築いてきた魅力が台無しになっている作品だ。
キャラクターデザインの変更により、あざとさと下品さが際立ってしまい、
セクシーシーンは戦闘シーンに挟み込むように水を差しまくるせいで、
燃えとエロの混同ができていた本作品の良さをなくしており、
大量のキャラの追加と掘り下げ不足の敵のせいで、
戦闘シーンが盛り上がらない。

演出も派手なだけで中身が一切ない。
1期~3期までの泥臭く血生臭いまでの戦闘シーンはなく、
演出畑の監督がやりがちなエフェクトだらけで眩しいだけ、
アップを多用し、無意味なスローモーションも使用し、
アニメーションとしての面白さのない戦闘シーンばかりだ。

キャラクターの多さに関しては原作からの問題点なのかもしれない。
だが、前半出てきたキャラが後半ほとんど出てこず、
本来のライバルであるはずの「ヴァーリ」も0話しか出てこない。
小猫ちゃんのキャラもちょっと1期~3期と印象がだいぶ変わりすぎており、
朱乃さんの当て馬感も残念な部分だ。

原作のファンは楽しめるかもしれないが、
1期~3期までのアニメのファンは
肩透かしを食らってしまう作品だった。


引用元:©石踏一榮・みやま零/株式会社KADOKAWA刊/ハイスクールD×D HERO製作委員会

個人的な感想

個人的にはRAILWARSの監督と聞いて嫌な予感しかしなかったが、
その予感が見事に的中してしまった。
キャラデザの変更や制作会社の変更による雰囲気の違いは仕方ないが、
戦闘シーンは見せかけだけの子供だましな演出ばかりで、
この作品の戦闘シーンを素直に楽しんでいた私にとっては残念でしか無い。

5期というのはあるのだろうか?
正直、3期の時点からマンネリ感が強く、4期の制作会社変更で
少しはこのマンネリ感が打破されるかもしれないと期待していたが、
余計にひどくなっている。

セクシー要素が強まったためか
売上の予測的には5000枚~6000枚のようだが、
5期があるならば、せめて監督を変えていただきたい所だ。