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100点男と0点男「やたらやらしい深見くん」レビュー

3.0
やたらやらしい深見くん セクシー
画像引用元:©松本あやか/Suiseisha Inc

評価 ★★★☆☆(57点) 全8話

TVアニメ【やたらやらしい深見くん】PV

あらすじ 外面は良く人気者だが、内心では他人に点数をつけて見下してきた梶。自分に釣り合う最高のネコはいないかと、理想を追い求め続けていた 引用- Wikipedia

100点男と0点男

原作はComicFestaで連載中の漫画作品。
監督は大空茜音、制作はstudio HōKIBOSHI
1話5分ほどの僧侶枠な作品。

BL

僧侶枠も長い歴史を紡ぐうえで様々な作品が生まれており、
その中でも「BL」はハズレがない。
巨人族の花嫁、魔王イブロギアに身を捧げよ 、森のくまさん、冬眠中。 、
黒ギャルになったから親友としてみた。 、
当て馬キャラのくせして、スパダリ王子に寵愛されています。

一部の作品を除き、僧侶枠のBLはしっかりとした面白さがあり、
作画のクォリティが高く、見ごたえのある作品が多い。
特にBLというジャンルは通常のアニメ枠ではアニメにしづらく、
僧侶枠はBLというジャンルにおいて貴重なアニメ化枠だ。

そんな僧侶枠のBL最新作が本作品になる。
期待しないわけがない。

見た目は100点、中身は0点

主人公である「梶」は見た目もよく仕事もできるサラリーマンだ。
同性愛者である彼は他人を点数付けして見下し、
自分にふさわしい男を探している。
そんな彼がさえない同僚である「深見」とともに泊まりかけの仕事に出かける。

梶にとっては5点どころか0点な深見ではあるものの、
相部屋でとまることになり、メガネを外し、風呂上がりの彼を見て、
しかも、同性愛者であることも知ってしまう。
お互いの性癖を知り、メガネを外した彼が好みだった主人公は
衝撃の一言を告げる

「じゃあ、記念にヤっておく?」

少なくとも私の人生で「記念にヤる」という言葉を発したことはない(笑)
僧侶枠だからこその台詞回しに1話から大爆笑だ。
無事に記念にやった二人、梶にとって相性も抜群であり、
100点の相手だ。

だが、記念にやったあとに梶は深見に冷たい態度を取られてしまう。
100点の俺が0点の男にやり捨てられた、
そんな衝撃の1話から物語が動き出す。

1回したくらいで…

梶はもう深見に夢中だ。
見た目も、体の相性も抜群すぎるがゆえ彼にハマってしまい。
アプローチしまくりだ。ガツガツな梶に対し、受け身でおとなしい深見。
外見ではなく「中身」をしってからしたいという考えだ。

2回目の行為のあとに深見は「自分を好きにならない」という条件で
セフレになることを受け入れる。かなりセリフに関しては過激ではあるものの、
この二人の関係性がどうなっていくのかが
シンプルに気になってしまう。

梶自身もどんどんと深見のことが気になってしまい、
見た目だけでなく、体の相性だけでなく、
「深見」という男の中身にも彼自身は惹かれていく。

普段は話さない自分のことを話し、相手のことをもっと知りたいと思う。
体の関係から「心」の関係になっていく、
僧侶枠らしいアメリカンスタイルな恋愛事情ではあるものの、
丁寧なストーリー展開と二人の相反するキャラ描写が
魅せる物語を作り上げている。

変化

100点男な梶はこころが変化していき、0点男な深見は外見も変化していく。
眼鏡からコンタクトに、長髪から短髪に。
しかし、セフレになる条件は深見を好きにならないことだ。
だが、梶自身が自らの心の変化と深見の変化を受け入れきれず戸惑ってしまう。

同性愛者だからこそ「恋」は自分には必要はないと思っていた。
だからこそ「体だけ」の関係を彼は求めている人生だった。
相手を点数付けすることはどこか
それを否定するためだったのかもしれない。

それは深見も同じだ。
「自分を好きにならないでくれ」そんな言葉が
自分の中の恋愛感情がわかりきれないからこそだ。
マジョリティではない、マイノリティな自分だからこそ、
「普通の恋愛」が彼にはわからない。

そんな二人が互いの変化を受け入れ、自分心の変化を認め、
最終話にはそれをお互い吐露することで
より深い関係になって終わる。

1クールでスッキリとした物語が描かれており、
非常に満足度の高い作品だった。

総評:記念にヤるという新しい概念

全体的に見て僧侶枠らしい
しっかりと「同性愛者」というものを描いたBL作品でもある作品だ。
体の関係からはじまり、恋愛感情が生まれる。
その過程を本当に丁寧に描いており、二人の恋愛の行く末がシンプルに
気になってしまう。

1話こそ「記念にやる」という新たな概念に笑ってしまうのだが、
2話以降はそんな新たな概念を感じさせない
実直なストーリーになっており、二人のキャラクターの心理描写、
心の変化を本当に丁寧に描いている。

作画のクォリティも本当にしっかりしており、
下手ななろう系アニメよりも作画のクォリティが高くなっている。
かつての僧侶枠は作画が悪いのが当たり前だったのだが、
それを一切感じさせない。

二人の感情の変化、考えの変化はまだまだこれから
起きそうな感じであり、原作もまだ連載中だからこそ、
いつか「2期」がみたい作品だ。

個人的な感想:名作BL

本当に僧侶枠のBLはハズレがない。ここまで9割位の打率だ。
通常のアニメ枠ではアニメ化しづらいBLというジャンルだからこそ
制作側も気合が入っているのかもしれないが、
毎回毎回、違った趣でしっかりと面白いのが驚きだ。

次回はうってかわって「デキちゃうまで婚」という
ダイレクトなタイトルになっている(笑)
キービジュアルではギャルっぽいヒロインになっており、
とんでもないウェディングドレスを披露しているが…
どうなるか期待したいところだ。

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