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圧倒的部外者の極み「プレデター 最凶頂上決戦」レビュー

3.0
プレデター 最凶頂上決戦 映画
画像引用元:(C)2025 20th Century Studios
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評価 ★★★☆☆(41点) 全86分

あらすじ 高度な科学技術を駆使した武器を持つ、宇宙で最も危険な戦闘種族であるプレデター。本作では、これまで明かされることのなかった、時代と国をまたいだプレデターと人類の戦いが描かれ 引用- Wikipedia

圧倒的部外者の極み

本作品はプレデターシリーズの初のアニメ化作品。
ディズニープラス限定作品として配信されている。

プレデター

プレデターといえばアーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画として
有名であり、そこからシリーズがずっと続き、5作品もでている作品だ。
見たことがあるという人も、見たことがないという人もいると思うが、
このプレデターシリーズ自体は非常にわかりやすい。

わかりやすく言えばドラゴンボールで言う「サイヤ人」的な存在であり、
戦闘民族として「狩人」の本能を持ち、強者を狩ることを目的としてる。
サイヤ人が侵略者なら、プレデターは戦士であり狩人、
この違いが大きいものの、そういうシンプルな作品だ。

プレデターは人類にはない武器や光学迷彩などの装備があり、
そんなプレデターに人類が立ち向かうというのが毎回の恒例だ。
定期的にプレデターは地球にやってきては人類と戦っており、
最新作である「プレデター:ザ・プレイ」は
1719年の地球を舞台にした前日端的な作品になっていたりする。

そんなプレデターシリーズの初のアニメ化だ。
シリーズ物ではあるものの、ほとんど予備知識が要らないのが
プレデターシリーズの良さでもある。

フルCG

この作品は1時間半ほどの映画になっており、
「フルCG」で描かれている。このフルCGのクォリティ自体は
非常にバタ臭く、2025年のアニメ作品とは思えないほどキャラデザが
やや古臭い感じがあり、PS4の洋ゲームでもやっているかのような気分になる。

キャラデザはかなり気になる部分はあるものの、
慣れれれば独特の雰囲気があり、序盤から容赦ない流血表現、
ゴア表現の数々はディズニープラス限定、
配信サイト限定だからこそできる表現の数々だろう。

戦闘シーンもフルCGだからこその自由なカメラワークを活かし、
プレデターに立ち向かう人類の戦闘シーンの迫力はしっかりと感じられる。
そんな容赦ない表現の中で「バイキング」の物語が描かれる。

バイキング

裏切り者に復習を誓う女バキングを主軸にし、
幼い頃に父を殺され復讐を誓った彼女ではあるものの、
そこに「プレデター」がいきなりやってくる(笑)

あまりにも突拍子もなくでてくるプレデターの部外者感は凄まじく、
長年の積もり積もった復讐を彼女の息子がやり遂げたかと思えば、
「お、強いやつおる」みたいな感覚でプレデターが唐突に現れる。
ものすごい唐突だ。
バイキングも山に逃げるレベルの唐突さに逆に笑ってしまう。

プレデターはそういうものではあるというのは重々承知だが、
今作は1時間半ほどの尺で3つの時代、3人の主人公を描いているため、
実写映画と比べるとかなり慌ただしい展開になってしまい、
そのせいでプレデターが圧倒的部外者の極みだ。

10分くらいでそれぞれの人物のバックボーンがサラッと描かれ、
唐突にプレデターが現れて10分くらい戦闘をする。基本はこの繰り返しだ。
キャラの掘り下げはあまり深いとは言えず、
あくまでも主軸は各時代の特殊な主人公がどうプレデターに勝つのかという
アクションシーンを楽しむ作品と割り切って作られている。

忍者

バイキング編が終わると時代が変わり1609年の日本へと舞台が変わる。
プレデターは戦国時代の日本にも着ていたのだ(笑)
跡継ぎを決めるために兄弟同士で争い、弟は侍として、
兄は「忍」として成長している。そんな弟を兄は狙っている。

兄弟同士で争い合う中で、これまた「プレデター」がお邪魔しにくる(笑)
突撃!隣の晩ごはんのヨネスケみたいな感覚で
プレデターが戦いにやってくる唐突さは中盤になっても変わらない。

プレデターも各時代に合わせて姿が違い、
バイキング時代は巨大な肉体で襲いかかってくるのだが、
戦国時代は迷彩装備を使いながらまるで忍者のごとく襲ってくる。
手裏剣型爆弾なんてしゃれた装備まで持ち合わせており、
そんな日本版プレデターにどう勝つのかがシンプルに見逃せない。

パイロット

バイキング、侍、忍者ときて最後はなにか。パイロットである(苦笑)
物語の舞台は1941年のフロリダになり、第二次世界大戦中に主人公は
パイロットになっている。
だが、彼はパイロットとして認められておらず整備ばかりさせられている。
そんな中で謎の破片が機体にぶつかるという事件が起こる。

その謎の破片はもちろん「プレデター」のものだ(笑)
バイキングや侍はわかるものの、
戦闘機に喧嘩をふっかけてくるプレデターの迷惑さたるや。
主人公も主人公でプレデターと空中戦中に飛行機の修理をしだしたり、
バイキングや忍者と違って強者感がかなり薄い。

そんな各時代でプレデターにかった3人は、なぜか捕まり
集められているところから最終章が始まる。

最凶頂上決戦

ここでタイトルに注目してほしい「最凶頂上決戦」だ。
集められた3人は首に爆弾をつけられ、最後の一人になるまで
戦うことをプレデターたちに命じられる。
最強の人間は最強のプレデターと戦う資格を得ることになる。

プレデターの怪物みたいなのにモンハンのように戦ったかと思えば、
最強のプレデター的なやつと戦い侍は片腕を失い、
女バイキングは自らを犠牲にし、
パイロットと侍は仲良く逃げ出して終わる。

ラストのふわっとした感じは締まりがあまりよくなく、
良くも悪くも大味なB級感のある作品だった。

総評:忍者VS宇宙人!?

全体的に見てシンプルではあるものの
B級のアクションアニメ映画として楽しめる作品だ。
キャラデザのバタ臭さは気になるもののアニメーション自体のクォリティは高く、
考えられた戦闘シーン、殺陣や戦闘機アクションにいたるまで
練り込まれたアクションを思う存分に味わうことができる。

その一方でプレデターがかなり唐突で部外者感が凄まじい。
バイキングや忍者やパイロット、それぞれの人生という名のドラマに
唐突に現れかき乱して、挙げ句さらわれる(笑)

1時間半で3人の主人公の物語を描き、戦闘を描くというのは
かなりバタバタしたストーリーになっており、
そのせいでプレデターの存在が唐突かつ部外者感がでてしまっている。
最後のいわゆるクリフハンガーで終わっており消化不良な部分もありのも
気になるところだ。

ただ、そういうのも含めてプレデターという作品らしい面白さなのかもしれない。
私は1作目くらいしか見ていないため判断がつかないが、
邦題のB旧っぽさも含め、そういうのもだとわかったうえで見れば
楽しめる作品だ。

なお本作には日本語字幕はあれど日本語吹き替えはないが、
セリフは数えるほどしか無いため、特に問題ではない。
気になる方はディズニープラスでぜひご覧いただきたい。

個人的な感想:意外と

吹替がないというのは予想外で、一瞬見るのをやめようかと思ったが、
少し見続けてみると特に問題がなく、
セリフ量の少なさに逆に笑ってしまうくらいだ。

特に忍者、侍パートでは音声は日本語というのもあり、
海外の映画特有のややおかしい日本語も堪能できる(笑)
そういった面白みもある作品なだけに
ディズニープラスにはいってるかたは見てみるのもいいかもしれない。

ただ逆に言えばこの作品のためにディズニープラスに入るほどの
作品ではないということを断言しておきたい。

「プレデター 最凶頂上決戦」に似てるアニメレビュー

監督:ジョン・マクティアナン, 出演:ビル・デューク, 出演:Smith

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