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禁忌のアニメ映画「聖☆おにいさん」レビュー

3.0
聖☆おにいさん 映画
画像引用元:(C)中村光/講談社 (C)中村光・講談社/SYM製作委員会
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笠希々のプロフィール画像
この記事を書いた人

オタク歴25年、アニメレビュー歴13年、YouTube登録者11万人。 個人的な視点で語るアニメ批評です。

評価 ★★★☆☆(40点) 全90分

映画『聖☆おにいさん』予告編

あらすじ 世紀末を無事に乗り越えたブッダとイエスが有休を取得して下界でのバカンスを満喫しようと、日本の東京都立川の安アパート「松田ハイツ」の一室に居を構え、「聖」(せい)という名字でルームシェアして暮らすという設定で描かれる日常コメディ引用- Wikipedia

禁忌のアニメ映画

原作は漫画な本作品。
監督は高雄統子 、制作はA-1 Pictures

作画

見出して感じるのは作画の独特さだ。
本作品が上映されたのは2013年であり、今から13年も前の作品だ。
それゆえにやや古さを感じる部分はあるものの、
そこを踏まえても、この作品の作画はやや独特だ。

原作の絵のテイストそのままに、荒々しさを感じる線はやや残しつつも、
美麗な「立川」の背景にキャラの絵をのせることで、
この作品だからこその独特な雰囲気を作り出している。

地味ながらも作画のクオリティは高い作品では有るものの、
その地味さは「ストーリー」にも響いている。

ギャグ

この作品の原作は日常ギャグアニメだ。
目覚めた人ブッダ、神の子イエス、彼らはバカンスのために下界に降り
日本の立川のアパートで暮らしていた。 という
この世界観自体がギャグであり、ツッコミどころが有るのだが、
そのツッコミをあえてせずに彼らの日常を描いている。

そんな日常の中での些細な出来事がギャグになっている。
あくまでも日常に重きをおきつつ、ギャグを差し込んでいる作品だ。
しかし、原作の「漫画という表現だから笑える」部分も
そのまま映像化してしまっているため、伝わらない部分がかなりある。

例えば原作にもある遊園地の入場料金で二人が
「成人料金」を「聖人料金」と勘違いするというシーンも
漫画では絵と字があるからこそ伝わるネタなのだが、
アニメの絵だけでは分かりづらい。

そういった欠点は有るものの、ブッダとイエスという
国や人によってはこういった作品に登場させることが
禁忌的な存在の二人を主人公にすることによる面白さが有る。

ジェットコースターに怯えるブッダ、
ジョニー・デップに間違えられて喜ぶイエス。
そんな二人を見られるのはこの作品くらいしか無いだろう(笑)

日常

ただ基本的にストーリーは日常の短いエピソードを繋げただけだ。
イエスとブッダ、そんな二人の日常をひたすら淡々と描いており、
クスクスとした笑いは有るものの、映画全体としての
起承転結、1本のストーリーというものがない。

中盤になると近所の小学生が物語の主軸になり、
原作のネタをかぶせながら小学生のストーリーを描いていたり、
映画の中での変化を生もうとしているのはわかるが、
あくまでもショートエピソードを繋いだだけで終わっている。

そもそも映画向きではない作品を映画にしてしまっている印象だ。
これを12分割くらいして短編の1クールのTVアニメとして
放送していれば気にならなかったが、
「映画」としてみると、このショートエピソードを繋いだだけな
感じが気になってしまう作品だ。

総評:日本だからこそ出来る神いじり

全体的に見て悪くない作品なのだが、
そもそも「映画」向きではない作品を無理に映画化してしまっている感じは否めない。
主人公の二人を演ずる星野源さん、森山未來さんは、
本業は役者であるが声での演技もしっかりとしており、
個人個人のキャラの印象で最初は合っていないと感じるかもしれないが、
中盤ごろには二人の声に違和感なく慣れることができる

作画も原作を意識したものになっており、彼らが住む立川の空気感を
感じさせながら、しっかりと日常の雰囲気が生まれているものの、
これをわざわざ映画館で見たいか?と言われると難しいところだ。

小さな起承転結、ショートエピソードを繋いでるだけであり、
映画全体としての起承転結はなく、あっさり始まりあっさりと終わる。
家でサブスクで見るならば気にならないが、
本来はTVアニメ向きの作品を映画にしてしまっている印象だ。

アニメ映画としての脚本、アニメ映画としての動き、アニメ映画としての演出。
そういったものがほぼ無く、アニメとしてのおもしろみが薄い。
スクリーンという大きな画面を殺しまくりであり、
恐らく制作側もいろいろな要求があったのかもしれない。

いわゆる「宗教ネタ」はやはり使えなかったのか、
その辺の苦労も有るのだろう。
そのあたりを配慮しての映画化だったのかもしれない。

個人的な感想:13年ぶり

諸事情で約13年ぶりに見返したが、当時私は映画館で見たようで
苦行だったとレビューを残している(笑)
13年たって家でふわっと見る分には楽しめたが、
たしかにこれを映画館で見るのは厳しかっただろう。

実写映画の前に見返した作品だったが、
家で見たからこそ評価が変わったのは個人的に面白かった作品だった。

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