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最低最悪の実写化映画「アンダーニンジャ」実写化映画レビュー

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アンダーニンジャ実写 実写映画
画像引用元:(C)花沢健吾/講談社 (C)2025「アンダーニンジャ」製作委員会
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オタク歴25年、アニメレビュー歴13年、YouTube登録者11万人。 個人的な視点で語るアニメ批評です。

評価 ☆☆☆☆☆(5点) 全123分

『アンダーニンジャ』予告②【2025年1月24日(金)公開】

あらすじ 太平洋戦争終結後、日本へ進駐したGHQが最初に命じたのは「忍者」組織の解体だった。それにより、忍者の存在は消滅したかに見えた。 引用- Wikipedia

最低最悪の実写化映画

原作は週刊ヤングマガジンで連載中の漫画作品。
監督は福田雄一。

忍者

この作品の世界観は面白い。世界に忍者が「20万人」いるという設定であり、
そのうちの9割が日本にいる。
どこの誰が忍者かわからない、石を投げれば忍者に当たる、
そんな「現代」を描く物語だ。

原作は花沢健吾さんの漫画であり、
花沢健吾先生らしいシュールな空気感の漂う日常と、
忍者という非日常の対比が素晴らしい作品だ。

普通の日常の中に、異物として忍者が紛れ込んでいる。
そのズレの面白さこそが「アンダーニンジャ」の魅力であり、
だからこそ実写化との相性も悪くないはずだった。

しかし、その「対比」を台無しにするのが、
福田雄一という監督である。

拍子抜け

映画冒頭から「佐藤二朗」によるショートコントが繰り広げられる。
原作においては小説家のキャラクターであり、
担当編集の年寄り好きな女忍者にいつもダメ出しされているという
立ち位置のキャラクターだ。

原作において彼はそこまで重要ではない。
しかし、そんな重要ではないキャラクターをあえて
「佐藤二朗」に演じさせ、コントをやらせている。
いつものあのノリだ。
とにかくオーバーなリアクションをさせて、
過剰な動きや演技で「笑い」を作り出そうとしている。

いつもの福田雄一さんのやつだ。
それ以上でもそれ以下でもなく、異様にしつこい。
それを閑話休題的に見せられるならまだしも、
映画の冒頭という大事な部分で見せてくる。

この時点で、嫌な予感がする。
これは「アンダーニンジャ」の実写化ではなく、
アンダーニンジャの皮をかぶった福田雄一ワールドなのではないか、と。

そんな佐藤二朗に相対する女忍者を演じる
「白石麻衣」さんの演技もかなり厳しい。
ただ、これは本人だけの問題というより、
低い声でシリアスに見せる演出そのものが噛み合っていない印象だ。

いわゆる「抑えた演技」を求められているのはわかる。
だが、その抑えた演技がクールさではなく、
ただ感情の薄い演技に見えてしまっている。
演技力の問題というより、役者の使い方と演出の問題が大きい。

アクション

福田雄一監督はアクションが苦手だ。
コメディ畑の監督なので仕方ないと言えば仕方ないが、
アンダーニンジャという作品は「忍者」アクションも見せ場だ。
その見せ場を徹底的に殺している。

無駄なスローを挟みながら、きちんとアクションを見せない。
カメラワークも見づらく、役者の動きの見せ方も甘い。
結果として、映画の冒頭からつまらないなんてものじゃない、
薄ら寒さを感じさせるシーンを連続で展開している。

原作では、白石麻衣さん演じる女忍者は銃を向けられる時、
あえて手のひらを相手に向けている。
少しでも生存確率を上げるために手を盾にするという行為だが、
実写ではその行為に対する説明がない。

ただ構図だけをなぞっている。
しかし、その意味を描けていない。
演技力のなさ、構図の甘さ、原作理解の浅さが重なり、
原作の印象的な場面を再現しているようで、
実際には表面だけを真似ているに過ぎないシーンになっている。

開始10分で続きを見る気が失せる。
そんな映画はなかなかない。

圧縮

ストーリーはバカバカしいほどに圧縮している。
アニメでは1クール、20分×12話=240分の作品を
実写映画では120分でまとめようとしている。
それもあって改変と省略、短縮の連続だ。

もちろん、映画化する以上、
ある程度の圧縮や改変は避けられない。
そこに文句を言うつもりはない。
問題は、何を削って、何を残しているかだ。

冒頭から主人公に対して「任務」の説明をご丁寧にする。
本来、きちんと任務を説明することはない。
忍者たちは自らどんな任務なのかを探り、
組織の「目的」すら知らされず、
ただ命令に従って行動するのみだ。
それが原作やアニメにおける忍者だ。

しかし、この作品はご丁寧に主人公に任務内容を説明してくれる。
それくらい原作の内容をカットしないと
2時間で描ききれないという問題が発生しているのに、
くだらない寸劇をグダグダ入れまくる。

冒頭の佐藤二朗のくだらないコントもそうだが、
それを過ぎても主人公が「上半身だけ透明化する」機械を
手に入れて、それを確認して驚くという作業を
しつこく何度も何度も何度も何度もやる。

福田雄一監督の「面白くないことでも、しつこくやれば面白い」
という感覚が、作品全体に染みついている。
まるで小学生男子の好きな子に対するいじわるのような寸劇だ。

原作のストーリーを強烈に圧縮しているのに、
その圧縮して空いた隙間につまらないギャグをこれでもかと詰め込む。
本来ならキャラクターや世界観の説明に使うべき時間を、
笑えないコントで浪費している。

原作にもギャグシーンはある。
しかし、そのギャグは作品全体のシュールな空気と地続きになっている。
この映画のギャグは違う。
原作の空気を広げるのではなく、
福田雄一ワールドで上書きしているだけだ。

これをもし映画館で見せられていたらと思うと、
震えすら生まれてくる。

福田雄一ワールド

福田雄一監督作品ではおなじみの俳優陣が多く出演されているが、
その中でも珍しいのが「浜辺美波」さんだろう。
忍者ではない普通の女子高生であり、
金髪姿の印象は特徴的だ。

しかし、そんな彼女も福田雄一ワールドに取り込まれると、
魅力がかなり削がれてしまう。

過剰すぎる演技、オーバーなリアクション、そして顔芸。
極端な演技は滑り散らかしており、
無駄なシーンを無駄なリアクションで無駄にオーバーに演じている。

これも浜辺美波さん本人の問題というより、
明らかに演出の方向性の問題だ。
本来なら、日常側のキャラクターとして
作品の空気を支える役割だったはずなのに、
この映画ではただ福田雄一的なギャグの駒にされてしまっている。

日常と非日常の対比。
それがアンダーニンジャの魅力でもあるが、
日常のくだらないギャグのほうが目立ちすぎているうえに、
非日常の描き方、戦闘シーンがつまらなすぎて、
対比が生まれていない。

何回も浜辺美波の顔に鼻くそがついているというシーンを
こすられるのだが、笑いは一切ない。
それなのに何回もやる。
つまらないを通り越すと怒りが生まれてくるというのを
実感する作品だ。

刺激

原作ではゴア表現も多い作品だ。
胸などの下ネタも一部あるが、
そういった部分は実写ではことごとく排除されている。

白石麻衣さん演じるキャラも、
原作では片足を切断されているのだが、
そういった描写もなく、
原作では「ガングロギャル」が出てきたり、
房中術的なものも出てきているのだが、
そういった部分も削られている。

日比奇跡も出ず、
本来、原作では学校での戦いで「CUBE」という
段ボールの箱でできたようなロボットも出てきたのだが、
それも予算の都合か削られている。

もちろん、実写映画で原作の刺激的な要素を
すべて再現するのが難しいのはわかる。
ゴア表現や下ネタをそのまま入れればいいという話でもない。

ただ、刺激を削った代わりに入れられているのが、
くだらないギャグの数々なのが問題だ。
削るなら削るで、別の形で作品の緊張感や不穏さを作るべきだった。
だが、この映画はそこを作らず、
安易なコントで埋めてしまっている。

ラストバトルもスローを多用し、
原作では強敵だった「山田」を主人公が倒すという
アホみたいな原作改変まで起きている。

多少の原作改変やストーリーの圧縮なら気にしない。
しかし、ここまで来ると、
むしろ原作をバカにしているレベルだ。

ラストの学校が崩壊するCGの安っぽさ、
アクションの安っぽさも含めて、
すべてがあまりにも安っぽい作品だった。

総評:ふざけるのもいい加減にしろ

全体的に見て酷すぎる作品だ。

映画という都合上、
ある程度のストーリー改変や圧縮は仕方ない。
しかし、この作品は改変や圧縮をしたうえで、
空いた隙間に笑えないうえにしつこいギャグを入れまくり、
尺を無駄遣いしている。

本末転倒だ。

役者陣の演技も厳しいものがある。
特に白石麻衣さんのシリアスな演技はかなり厳しく見えるが、
それも本人だけの問題ではない。
福田雄一ワールドに巻き込まれたがゆえに、
チープで過剰な演技、あるいは無理に抑えた演技を求められ、
結果として役者の魅力が殺されている。

浜辺美波さんにしても同じだ。
本来ならもっと自然に魅力を出せる役者なのに、
この作品では顔芸やオーバーリアクションに寄せられすぎている。
俳優陣の演技力を監督が殺しているような作品だ。

日常と非日常。
この絶妙な塩梅がアンダーニンジャという作品の魅力だが、
この作品は日常側のくだらないギャグに割り振りすぎており、
結果として非日常が際立たない。

もっとも、際立たせたところで
チープなアクションしかできないため、
意味がないとも言えるかもしれない。
それにしても、くだらないギャグや寸劇、コントが多すぎる。

オリジナルでやるならばご自由にどうぞという感じだが、
原作があってこれをやるのは意味不明でしかない。
ゴリゴリに原作改変した結果、
原作ではまだ生きている強敵が死んでしまっており、
続編すら想定していないのだろう。

最初から続編をやる気がない。
だからメチャクチャにしている。
そんなひどい印象を受ける作品だった。

原作の設定は本当に面白い。
日常の中に忍者が紛れ込み、
その存在が当たり前のように処理されていく奇妙な世界観には、
実写でも面白くできる可能性があったはずだ。

だからこそ腹が立つ。
ただつまらない映画ではない。
面白くできる素材を、わざわざつまらなくしている映画だ。

個人的な感想:酷すぎる

SAKAMOTO DAYSの実写映画をレビューした際に、
アンダーニンジャのほうが酷いというコメントを目にして、
見てみた作品だが、想像の二千倍くらい酷かった作品だ。
たしかに、これに比べればSAKAMOTO DAYSはマシなほうだ。

なぜここまで福田雄一監督が求められるのか。
その理由が本当にわからない。
作風的に合っている作品もあるのかもしれないが、
少なくともアンダーニンジャやSAKAMOTO DAYSには合っていない監督だ。

福田雄一監督の作風そのものを全否定するつもりはない。
ハマる作品にはハマるのだろう。
だが、原作の空気感や緊張感、独特の間を大事にしなければならない作品に、
このノリをそのまま持ち込むのはあまりにも乱暴だ。

アンダーニンジャは、
ただギャグをやっていれば成立する作品ではない。
日常の中に潜む不穏さ、
普通の会話の裏にある異常さ、
そして唐突に差し込まれる暴力性。
そのバランスがあってこその作品だ。

この映画には、そのバランスがない。
あるのは、しつこいコントと安っぽいアクション、
そして原作を雑に圧縮したストーリーだけだ。

これ以上、被害を受ける作品が増えないことを願うしかない。

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