「森のくまさん、冬眠中。」レビュー

3.0
セクシー
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評価 ★★★☆☆(57点) 全9話

あらすじ クマのノワは、一人でいた子犬を拾い、アイリと名付け育てていた。冬になり、ノワは友人であるコウにアイリを預け、自分は冬眠に入る。引用- Wikipedia

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僧侶枠流くまのプーさん?

原作はComicFesta、スクリーモなどで連載中の漫画作品。
監督は古賀一臣、制作は studio HōKIBOSHI。
1話5分ほどの作品で、いわゆる僧侶枠作品。

森なのに海!

1話から度肝を抜かれる。
森のくまさんと日本国民が聞けば9割はあの童謡を思い浮かべるはずだ。
森でクマに出会ったてクマにお逃げなさいと言われたのに、
なぜかクマが追いかけてきて、実は少女が落とし物をしており、
最後にはクマと一緒に踊る歌だ。

よくよく考えてみればわけのわからない歌ではあるものの、
そんな歌のインスプレーションから想像してしまうのは
「森」のシチュエーションだろう。
しかし、この作品は違う、冒頭は「海」のシーンから始まる。

予想外のシチュエーションの中でクマが一人の子犬を拾う。
いわゆる擬人化ものであり、クマや子犬といっても
耳がついているくらいで人の姿をしている。
しかし、一応は本来の動物としての姿にもなれるらしく、
一体どういう世界観7日は気になるところだ。

クマと子犬、本来は相容れぬはずの2匹の不思議な共同生活が
始まるところから物語は始まる。

冬眠

この世界ではいろいろな動物たちが擬人化し、暮らしている。
くまのプーさんのような世界観を想像してもらえばわかりやすい。
親を失った子犬のアイリにとって
クマである「ノア」は唯一の家族だ。
しかし、熊であるがゆえにノアは冬眠しなければならない。

一人で暮らしていたノアは種族ゆえに逆らえぬ本能に戸惑いつつも、
冬眠をする。
島民から目が覚めればショタは青年になり、青年は大人になる。
異種族恋愛ものというべきシチュエーションが描かれており、
異種族だからこその時間の流れの違いが二人の関係性の変化にもつながっている。

冬の間、目覚めないノア。
その間、孤独に過ごすアイリにとってはノアの冬眠の目覚めは
ずっと待ち続けていたものだ。

それだけに、抑えていた感情が爆発してしまう。
子供だったアイリも、大きくなり、発情期を迎え、
番を求めるようになる。これもまた動物としての本能だ。
待ち焦がれ、恋焦がれ、「冬眠」という別れが彼の本能を刺激する。

事あるごとに「アイリ」は「ノア」の乳首を求める(笑)
母の乳房の代わりに子供の頃から吸い続けていたからこそのものではあるが、
事あるごとに触り、吸う姿に思わず笑ってしまう

親離れ

アイリにとってノアは親代わりではあるものの、
同時に性の対象としてみており、恋心もある。
しかし、ノアにとっては子供だ。
小さい頃から彼を育ててきたからこそ、アイリの成長や
心の変化をなかなか受け入れきれない。

そんな中でノアに「発情期」が訪れてしまう(笑)
通常版で決定的なシーンは大胆にカットされてしまうものの、
なにがあったのかは想像できる余地があり、
二人の関係性の変化と動物ゆえの本能の絡み合いが
ストーリーを生んでいる。

アイリも健気だ。
発情しつつ、ノアに恋い焦がれているものの、強引に迫ったりはしない。
ゆっくりとノアの心の整理と変化を待ちつつも、
彼への思いを溢れ変えさせる表情が可愛らしく、
そんな可愛らしさにノアもついつい発情してしまう気持ちもわかってしまう(笑)

キャラクター

1話5分ほどの僧侶枠作品には珍しく、
この作品には意外とキャラクターが多い。
クマやオオカミだけでなくジャコウネコやワタリガラスにリス、ヤギ、柴犬と、
いろいろな動物の擬人化キャラクターがおり、
二人の生活の周りに存在している。

二人だけの世界だけではなく、他者とのかかわり合いや
他者の言葉やアドバイスを聞いて二人が変化していくからこそ、
彼らの心情の変化がどこか自然と納得できるものになっている。

メインストーリーはあくまでも二人の話であり、
サブキャラたちの物語は殆ど描かれないものの、
サブキャラたちの物語も気になってしまうほどキャラ立ちしており、
きちんとした世界観とキャラクター設定がこの作品にはある。

距離感

ノアは普段は町ではなく島に住んでいる。
なぜ彼がたった一人で暮らしていたのか、
なぜ人と距離を取ろうとしているのか、
なぜ町中での「獣化」を恐れているのか。

きちんと1クールの中で伏線が敷かれ、
それが終盤でキレイに回収される。
僧侶枠の作品とは思えないほどまっすぐにストーリーが描かれており、
孤独なクマと孤独になってしまった子犬、孤独な二人が
結ばれるまでの物語が1クールできれいに描かれている作品だ。

おそらく僧侶枠の作品史上、ここまでキレイに終わった作品はない。
1クールで物語もキレイに完結しており、
初めて僧侶枠で名作が生まれたかもしれない。

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総評:孤独な獣の物語

全体的にみて驚くほど完成度が高い作品だ。
BL要素やそれに付随するセクシーシーンの好みは人によってあるだろうが、
動物が擬人化して暮らしている世界、
そんな世界で出会った孤独なクマと孤独な子犬の心情の変化と、
二人の恋愛事情が1クールで丁寧に描かれており、心地のいいラストに終わっている

やや乳首要素を全面に出しているのはいろいろな意味で気になるところだが、
そこを除けば丁寧に世界観とキャラクターが練られている作品であり、
可愛らしいキャラクターたちのゆっくりとした心情の変化と
ラストがスッキリとした物語につながっている。

惜しむべきは魅力的なサブキャラがいるのに
1クールで1話5分ではそこを描く尺がなかったのは残念なところだ。
特にジャコウネコとワタリガラスのカップルは色々と気になる感じであり、
そのあたりが気になる人は原作でという感じなのかもしれない。
そういった意味でも原作の宣伝につながっている作品だった。

個人的な感想:次回作

原作は「森のくまさん、冬眠中に乳首を愛でられました。」という
タイトルなこともあり、もっとどぎつい、いつもの
僧侶枠な作品なのかと思っていたが、いい意味で裏切られた作品だった。
僧侶枠は基本的にBL系作品の出来がいいのはなんなんだろうか(笑)

そんな僧侶枠、次回作は「ハーレムきゃんぷっ!」という作品だ。
もはやタイトルから全てを察することのできる、
いつもの僧侶枠作品らしい作品っぽいが…
果たして…

「森のくまさん、冬眠中。」は面白い?つまらない?

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