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状況説明地獄「陛下わたしを忘れてください」レビュー

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陛下わたしを忘れてください ファンタジーアニメ一覧
画像引用元:©PRISMLINK.Inc/ホンコミックス/「陛下わたしを忘れてください」製作委員会
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評価 ☆☆☆☆☆(10点) 全12話

【ティザーPV第2弾】主題歌は松浦航大さん『Melting White』に決定!TVアニメ「陛下わたしを忘れてください」|2025年10月7日21:55tvkにて放送開始!※各種プラットフォーム配信

あらすじ 「あなたに愛されなくても助けたかった」ペルセポネー伯爵家の令嬢・ルーニアは、父に疎まれ、異母兄からも道具扱いされ、孤独な日々を送っていた。 引用- Wikipedia

状況説明地獄

原作はホンコミとLINE漫画で連載中のウェブトゥーン作品。
監督は古川未来子 、制作はIMAGICA Infos、Imageworks Studio

ライトアニメ

この作品はいわゆるライトアニメというもので制作されている。
素材となる漫画をLive2Dなどの技術で申し訳程度に動かす。
それがライトアニメだ。
低予算でなおかつ短期でアニメを作れるということで、
大日本印刷株式会社が手掛けているアニメ制作手法である。

簡単に言えばちょっとよく動くモーションコミックだ。
だが、これを一応アニメとして大日本印刷株式会社と株式会社イマジカインフォスが
手を組み多くのアニメを作っている。

この作品はそんなライトアニメではあるものの、
大日本印刷株式会社が原作の漫画も自社で制作したものということが大きい。
他社の漫画ではなく、自社の漫画を自社の技術でアニメ化する。
内製化しまくったやり方だ。

いかにも

この作品は1話5分ほどしかない。
伯爵家の令嬢である主人公は父と異母や異母兄からも疎まれたなかで、
公爵家の当主の婚約者に選ばれて家を出ることになる。

だが、肝心の公爵は主人公に「手を出さない」ことを宣言する。
建前上だけの結婚だ。
公爵家は呪われており神に選ばれし花嫁との
子供が生まれなければ30歳で死ぬらしい。

そんな「設定」を序盤はひたすら聞かされる印象だ。
ただでさえ動かないライトアニメなのに背景をスクロールして見せられたりと、
アニメーション的な面白みは薄い。
Live2dだからこそではあるものの、髪の毛なども無駄に動くが、無意味な動きだ。

愛されなくても

ヒロインは愛されなくてもいいが、公爵を助けたいという思いがあり、
彼に一服盛り強制的にまぐわう(笑)
そんな一夜で双子をゲットし逃げ出したかと思えば7年の月日がたち
公爵と再開する。とんでもないスピード感で物語が進み、
キャラへの感情移入というものが生まれにくい。

こういう設定です、こういう過去がありました、こういう展開になってます。
1話5分しかないから仕方なくはあるものの、
設定や状況の説明をひたすらしている感が強い。

ほぼやってることは「ドラマCD」や「ボイスコミック」に近い。
絵で説明できないから言葉で説明するしか無いのはわかるが、
それにしても説明しまくりだ。

一夜の過ちで生まれた双子が争う予知夢をみたり、
権力争いがあったりと、状況自体がかなりゴチャゴチャしており、
それを1話5分の中で目一杯説明している。
だが、主人公の兄が妹である主人公に固執する理由など
いまいち説明不足なところもあり、そのせいで飲み込みにくいものがある。

騙された!

公爵は王になる予定であり、妻である主人公は王女になることもできる。
だが、彼女は「利用されている」と思い込み、双子の父も偽っている。
このまま王女になれば双子が権力争いをする羽目になる。
異母兄も策略のために動き出し…と、ストーリー的には気になるところは多いものの、
アニメーションとしての評価はしにくい。

散々、嫌な目にあった兄を終盤で一瞬信用する主人公も意味不明であり、
最後の最後まで「設定」と「状況説明」だけを
聞かされるような作品だった。

総評:3日後には作品自体を忘れてる

全体的に見て3日後には内容を全部忘れてそうな作品だ。
どこかで見たことのあるような設定のストーリーを
1話5分1クール12話で説明されており、
話が進んでも、その状況の変化に対する説明が多く、
そのわりには「なんでそうなってるの?」という説明不足に感じる部分もある。

きちんとしたアニメで1話20分くらいかけて描かれれば
このストーリー、そして主人公を始めとするキャラへの
愛着も湧くかもしれないが、ライトアニメではそれができず、
単なるボイスコミックのような何かにしかなっていない。

きちんとアニメ化すれば面白そうなだけに
「ライトアニメ」として消化されてしまうのは
もったいなくも感じる作品だった。

個人的な感想:2連続ライトアニメ

2本連続でライトアニメを見てみたが、
やはり、ライトアニメに対する印象は変わらなかった。
ライトアニメではアニメというには不足している部分が多く、
特にこの作品ではアニメなのに「絵」に頼れないせいで説明不足になっている。

「ポーション、わが身を助ける」もそうだったが、
きちんとしたアニメならばもっと楽しめそうな作品なだけに、
ライトアニメで終わるのは本当にもったいないと感じてしまう。

ライトアニメ自体、確かに早くて低予算でアニメ化出来るのかもしれないが、
早くてやすいのが正解なのかといえばそうではないことを
感じさせられてしまう技術だ。

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