「バーチャルさんはみている」レビュー

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コメディ
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評価 ☆☆☆☆☆(5点) 全12話

あらすじ 電脳少女シロ、猫宮ひなた、月ノ美兎、田中ヒメ、鈴木ヒナをはじめ、総勢30名超のVTuberが出演するTVアニメ「バーチャルさんはみている」引用- Wikipedia

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何も感じない無、これが悟りの境地

本作品はTVアニメオリジナル作品。
監督は阿部⼤護、制作は株式会社リド。
タイトルからも分かる通り去年ブームになった
「バーチャルユーチューバー」が出る作品だ。

なお、当サイトでは通常アニメが放送終了した後にレビューするが、
この作品だけは1話だけ限定でレビューしている。
よろしければこちらも合わせてご覧いただきたい。
https://www.animekansou.com/vtuber.html

知ってる前提


引用元:バーチャルさんはみている©DWANGO Co., Ltd. ©Lide, Inc.

見出して早々にバーチャルユーチューバーがどんどん出てくる。
一応、キャラ紹介も兼ねている部分はあるのだが、
「キャラ紹介」になっていない奇行を繰り広げており、
もともと彼女たちのキャラクターを知っていれば楽しめるのかもしれないが、
彼女たちの知識がなければまるで楽しめない。

完璧に置いてけぼりだ。
どこの誰だかしらないキャラクターが自分勝手に喋り、自分勝手に動き回る。
一言で言うなら「カオス」だ。
知っている前提で会話され、知っている前提でギャグとボケが繰り広げられる。

いわゆる内輪受けだ。
普段から彼女たちのYOUTUBEの動画を見て知って楽しんでいる方なら、
彼女たちの突拍子もない行動やセリフを「お約束」と
捉えて楽しめるのかもしれない。
だが、彼女たちのことを何もしなければ何も理解できない。

知ってる前提でやるならば地上波ではなく、
自分たちの土俵である「YOUTUBE」で配信すればいい。
わざわざ地上波で放送しておいて知ってる前提で進めるのは理解不能だ。

親分


引用元:バーチャルさんはみている ©DWANGO Co., Ltd. ©Lide, Inc.

「バーチャルユーチューバー」と聞いて普通の人は誰を浮かべるだろうか?
おそらく多くの方がキズナアイの名前を出すだろう。
知名度からいってもバーチャルユーチューバーといえばキズナアイだ。
アンパンマンといえばアンパンマンのような当たり前くらいの知名度だ。

しかし、この作品に「キズナアイ」は出ない。
一応、キズナアイは主題歌は歌っているものの、それだけだ。
本編には一切出ていない。

バーチャルユーチューバーの作品なのに肝心のキズナアイが出ない。
これが「ボーカロイド」なら初音ミクが出ないようなものだ、
象徴たる存在が不在で何がバーチャルさんは見ているなのだろうか。
もしかしたらキズナアイは見てるだけで出ないという意味なのかもしれない。

作品を最後まで見ればキズナアイが出ないことはキズナアイにとっては
正解であり、この作品に出たところでキズナアイにとってはなんの特もない。
キズナアイの「ブレーン」の優秀さが、
キズナアイが出ていないのに感じてじまう。

有象無象


引用元:バーチャルさんはみている ©DWANGO Co., Ltd. ©Lide, Inc.

この作品には大量のバーチャルユーチューバーが出る。
1話の時点で21人、馬鹿みたいに出す。出せばいいというものではない。
なんの記憶にも残らない大量のバーチャルユーチューバーが毎回出てくるが、
出てくるだけで記憶にも残らない。

1話以降も大量に出てくる。総勢30人近い。
この作品は1クール1話25分の作品だ。OPやEDを抜けば20分位だろう。
単純計算で240分、30で割れば一人8分も出番はない。
メインとなるバーチャルユーチューバーとゲストキャラでは
出番の尺も圧倒的に違うため、一人あたりの出番の実質はもっと短い。

出てきてなんの意味があるのだろうか?本当に疑問だ。
キャラによってはただ「紹介」されてるだけで出番とも言えない。
ゲストキャラならゲストキャラできちんと掘り下げて、
メインのキャラと絡んで、初めて出る意味がある。

本当に出てるだけのバーチャルユーチューバーたちはこれでいいのだろうか?
彼女たちを出して何がしたいのかがまるで理解できない。

一切笑えない


引用元:バーチャルさんはみている ©DWANGO Co., Ltd. ©Lide, Inc.

内容もひどい。これを「内容」といっていいのかすら怪しい。
少なくともストーリーではない。
30分の尺の中で短いコーナーをつなぎ合わせた構成になっているが、
どのコーナーも心底つまらない。

例えば「電脳少女シロ」が居酒屋のような場所で働いている。
そこにゲストキャラが来てうんちくを注文する。
そして「シロ」がうんちくを披露する。終わりだ。
これの何が面白いのか本気で理解できない。
ただうんちくを喋っただけだ、面白くも「へぇ~」とも言えない。

他にも「ラジオブース」のような場所でラジオDJ風に
バーチャルユーチューバーがしゃべり、曲紹介が行われる。
ミライアカリの曲が流れる様子を20秒ほど聞かされて終わる。
これの何が面白いのだろうか。
曲の宣伝のために貴重な尺を使ってるとしたら問題だ。

どのコーナーもなんの脈絡もなく始まり、唐突に終わる。
各コーナーとも5分かそこらで終わってしまうため、
掘り下げることも広げることもできないため仕方ないのだが、
ならコーナーを詰め込まなければいい。

キャラ数の多さをコーナーの多さでカバーしようとしてるのかもしれないが、
そもそも、キャラ数を絞れば問題ない話だ。
詰め込んでるせいで1つ1つがひたすらに浅い。

素人以上プロ未満


引用元:バーチャルさんはみている ©DWANGO Co., Ltd. ©Lide, Inc.

一部のバーチャルユーチューバーだが、聞き取れない。
これはコーナーの詰め込みによる「尺」が足りないせいもあるのだが、
終始、彼女たちは早口でしゃべる。
そのせいか声質や滑舌のせいでキャラによってはなんて言ったかわからない
キャラクターも多い。

だが、最低限アニメに出てるプロならば早口で喋っていても
聞き取れる滑舌でなければいけない。これでは素人レベルだ。
特にゲストキャラクターの演技はひどい場合が多く、
イラッとくる演技やキャラクターも多い。

演技だけでなく各キャラクターの「モデリング」も差があり、
動くのなめらかさが各キャラクターで違うため、
見ていて非常に違和感がある。
アニメ化に合わせてもう少し色々と「統一」してほしいと感じるところだ。

制作側も素人


引用元:バーチャルさんはみている ©DWANGO Co., Ltd. ©Lide, Inc.

監督の名前を検索しても一切どこの誰かわからない時点で
危うさしか感じないが、演出もひどい。
わざわざセリフを「テロップ」で出しているが、
出してる意味はなんのだろうか?

聞き取りづらいセリフの「字幕」としてテロップで出してるのかと思ったが、
出ないときも多い。聞き取れないセリフのときに限ってテロップは出ていない。
YOUTUBE風の演出と前向きに捉えることもできなくはないのだが、
それならば常時出せばいいのにとすら思ってしまう。
やってることが中途半端だ。

更にカメラワークもひどい。
キャラクターの動きに合わせて微妙に揺れたり、
舐め回すようなカメラワークになったりするのだが、それがまるで意味がない。
単純に見ていて「酔う」だけのカメラワークは酔いやすい方は注意が必要だ。
この作品は三半規管すら狂わせてくる。

視聴者をカメラ酔いさせることで
内容の酷さに目を向けないようにしてるのかもしれない。
そういう意図がないならば、素人以下の演出としか言いようがない。

また各コーナーの切り替わりに妙な「間」が開くことがある。
誰も喋らず、絵も変わらないというシーンが3秒ほどあり、
そこで切り替わる。おそらくは尺調整だろう。
こんな基本的なことすらこの作品はできていない。

改善されない


引用元:バーチャルさんはみている ©DWANGO Co., Ltd. ©Lide, Inc.

1話の時点でかなりひどいが2話以降もそれは一切替わらない。
というよりも制作側に「改善しよう」という心持ちがないのだろう。
1話と同じようなことを12回繰り返してるだけだ。

ありがちかつ笑えないパロディネタ、
内輪ネタ、どうでもいいうんちく、
名前を一切覚えられないバーチャルユーチューバー、
見ていて「面白い」と感じられるポイントがまるで作られていない。

終始無表情だ。
「つまらない」という感情以下の「何も感じない」という境地にまで
至らせてくれる。
この作品にはある意味「悟り」を開く秘訣が詰まってるかもしれない。
座禅し瞑想をしながら見ても、心が乱れない。「無」だ。

それが12話も続く。
キャラクターたちは必死に動き回り、早口で喋り周り、
一生懸命「面白いこと」をしようとしてるのは伝わるが、
その懸命さが伝わるだけに滑りっぱなしなのは本当に悲しくなってくる。

しかも先の展開が読めてしまう。
いわゆる「お約束的展開」ではあるのだが、
こういう展開になるだろうなというままのシーンがそのまま描かれる事もあり、
ただでさえ浅い展開がワンパターン化している。もはやどうしようもない。

詰め込みすぎ


引用元:バーチャルさんはみている ©DWANGO Co., Ltd. ©Lide, Inc.

結局詰め込みすぎだ。総勢30人近いキャラクター、18もあるコーナー、
それを1話30分の中に詰め込んでいる。
結局、印象に残るバーチャルユーチューバーはほとんどいない。
短い尺でコーナーをやりまくるため、各コーナーに面白さもない。

それどころか新しいコーナーが始まっても、
元々あるコーナーと似てるコーナーだったりすることもあり、
増やした意味すらない。

そんな中でバーチャルユーチューバーたちは本当に必死に
「面白い」雰囲気を出そうとしている。
必死にラップをやり、必死に奇っ怪な動きをし、必死に高笑いし、
必死に変なセリフを吐きまくる。

バーチャルユーチューバーの向こう側にいる彼女たちの
必死さを毎話毎話ひしひしと感じてしまう。
一歩間違えば「悲壮感」すら醸し出してくる作品だった。

総評:きちんと作って欲しい


引用元:バーチャルさんはみている ©DWANGO Co., Ltd. ©Lide, Inc.

バーチャルユーチューバーの彼女たちには何の責任もない。
自分たちに求められたものを必死にやっているのを感じ、
「面白くしよう」と頑張っている。
だが、肝心の制作側がこの作品を面白くしようとしていない。

1話30分という中で20人以上のキャラクターを出せば、
掘り下げ不足、印象不足になるのは当たり前であり、
1話30分という中で1コーナー5分ほどのコーナーを4,5個詰め込んでも、
各コーナーが面白くなるわけがない。
作る前から「面白くならない」事がわかるはずだ。素人でも無理だとわかる。

だが大人の事情があったのだろう。
「バーチャルユーチューバー」の番組を作るということで、
なるべく多くのバーチャルユーチューバーを出したかったのはわかる。
だが、それならそれでもう少しやりようがあったはずだ。

メインの5人のバーチャルユーチューバーを中心に、
毎回ゲストとして5人位で良かったはずだ。
そのほうが各コーナーもバーチャルユーチューバーも
きっちりと掘り下げて面白くなったかもしれない。

制作側、プロデューサーなどからすれば
「バーチャルユーチューバーの知名度」が少しでも上がればいいと
思って詰め込んだのかもしれないが、
この作品を見たのがきっかけで出ているバーチャルユーチューバーの
動画を見る人が一体何人いたのだろうか。

もともとのバーチャルユーチューバーのファンも
これでよかったのだろうか?
色々と疑問の残る作品…いや「番組」だった

個人的な感想:アニメじゃない


引用元:バーチャルさんはみている ©DWANGO Co., Ltd. ©Lide, Inc.

ぶっちゃけていってしまえば、これはアニメ作品というジャンルではなく
「バラエティ番組」と解釈すればいいことはわかるのですが、
バラエティ番組と解釈してもひどい。

私が知らないバーチャルユーチューバーが多かったのも厳しかった。
もう少し知名度のあるバーチャルユーチューバーがいただろうと
思う部分も多く、キズナアイが出なかった時点でこの作品が
こうなることは目に見えていたのかもしれない。
私が知ってたのは「ミライアカリ」「シロ」くらいで、
他のキャラは殆ど知らなかった。

出ていない「キズナアイ」「輝夜月」あたりが出て初めて、
「バーチャルさんは見ている」という番組が成立したかもしれない。
特に輝夜月さんはあのキャラやテンションも相まって、
この作品にいればもう少しいい意味で荒唐無稽感が強まっただけに
出ていないことが残念でならない。

ただ「オファー」はあっただろう。
それをあえて「断った」バーチャルユーチューバーたちの
危機察知能力の高さだけが際立つ番組だった(笑)

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