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龍の歯医者

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      2017/02/19

評価/★★★☆☆(58点)

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龍は運命に抗うことを許さない、君は今から龍の歯医者だ

本作品は「日本アニメーター見本市」という企画の中の1本、
2014年11月より毎週1本ずつ短編アニメが公開されるというもの。
本作の監督は「鶴巻和哉」、尺は7分ほどと非常に短い
作品自体は公式ページ、もしくはアプリで見ることができる
http://animatorexpo.com/
(本レビューはアニメーター見本市版です、
TV放映版は25日に放送後にレビュー予定です)

見出して感じるのは「水」の表現だろう。
ヒロインと思われる少女がお風呂にはいっているシーンから始まるのだが、
この際の「水」の表現がとても気持ちがいい。
立ち込める湯気と少女がお風呂から上がる際に体に流れる自然な水の表現、
短いシーンながら「ぐっ」っとこの作品の世界観に入り込める

そして林原めぐみさんの素晴らしい「吐息」と「一文字の台詞の演技」
本当にわずか一文字か二文字のほどの台詞でしかない
「ふっー」「ぶるぶる」「あ」「ん?」
始まって2,3分ほどで彼女には台詞と呼べる台詞はないのにもかかわらず、
一文字一文字の台詞の中でヒロインの「心理」が感じ取れる
さすがは林原めぐみさんと言いたくなるほど繊細かつ素晴らしい演技だ

更に独特な世界観。
「龍の歯医者」という特別な職業のある不思議な世界観、
龍と言いながら「戦艦」のようなものが描写されたかと思えば、
その次のシーンでは「巨大な龍」が描写される
ファンタジーな世界観なのに戦艦という機械的なもののある世界観、
そして「龍の歯医者」という不思議な職業の仕事は何なのか

短編アニメでありながら「これから超大作」の映画が始まるような壮大な世界観があり、
「龍の歯医者」というタイトルから感じる期待感に壮大な世界観が応えてくれる
そして謎が謎を呼ぶ展開。
少女が「生きている」のか「死んでいる」のかもわからないような展開や
結局「龍」の歯とは何なのかという謎。

見ている側に「必要最低限」の情報を与え考察させる。
考察させながらストーリーが進み、見終わった後に不思議な余韻が残り、
ストーリーを頭のなかでもう1度解きほぐして
自分なりに解釈したくなるような気持ちで見終わることができる作品だ

全体的に見てもっとがっつりとこの作品を見たいと感じさせるほど力強い作品だ。
不思議な世界観と1度見ただけではハッキリとは理解できないストーリー展開、
そこに林原めぐみさんと山寺宏一さん、2人の名演が光り最後に「龍の咆哮」で物語が終わる。
結局、龍の歯とは何だったのか、龍の歯医者の役目とはなんなのか
この物語の世界観はどうなっているのか。
その後のストーリー展開や世界観を考察したくなるような面白さを秘めた作品だ

だが、それと同時にスッキリとしない感じは残る(苦笑)
この作品が全50話のアニメのうちの1話なら物凄く評価できるのだが、
短編アニメで1話限りの作品と考えると色々と謎をばらまきすぎている感じも強く、
短編アニメというよりも「アニメ映画のPV」というような印象も残ってしまう

しかしながらわずか7分ほどの作品でここまで壮大な世界観とストーリーを感じさせ、
その世界観に相応しい描き込まれた「背景」や「龍」の描写の数々は
これから公開される「日本アニメーター見本市」の作品に期待してしまう内容だ

日本アニメーター見本市という企画の意図、
「日本アニメーションの可能性を探る共同企画」と考えれば
この作品からはいろいろな可能性と「先」を感じることの出来る作品だ。
もっと見たい、もっと続きを見たいと感じさせたまま終わらせるのは単純なようで難しく
この作品はそういった意味では「先」を見たいと感じさせられた作品だ

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