正しい魔法少女のお話「リトルウィッチアカデミア」レビュー

2015年10月10日

評価/★★★☆☆(59点)

スポンサーリンク

正しい魔法少女のお話

本作品は「アニメミライ2013」の参加作品。
制作会社はガイナックスに所属していた方が新しく立ち上げた「トリガー」
なおKickStarによる続編が製作された作品だ。

見だして感じるのは独特の雰囲気だろう。
キャラクターのデザインや背景、全体的な作画のデザインが
「海外」のアニメのようなデザインをしており、日本的なアニメとはいえない。
NHK教育などで放映されているような カートゥーンアニメや
ディズニーアニメのような印象を受ける作品だ。
ちなみにリトルウィッチということで「男性キャラ」は出ない。

そんな海外向けの雰囲気でストーリーが始まる。
ストーリー自体は非常にわかりやすい。
魔女育成学校に通っている魔法少女が主人公、
そんな主人公がちょっと落ちこぼれ。
魔法でショーをやっていた「シャイニィシャリオ」に憧れていた彼女だが、
ある日、授業でクラスメイトが「古の龍」を復活してしまい・・・
というところからストーリーが始まる。

物語としては30分でよくまとめている。
落ちこぼれの魔法少女が、優秀な魔法少女が犯したミスで復活した龍を、
憧れの「シャイニィシャリオ」が使っていた杖を使い倒す。
物語としてはこれだけだ。
その物語を派手な演出と独特なキャラクターデザインと
動きまくるアクションで支えている。

特にアクション部分に関しては本当によく動く。
コミカルでパワフルな動きとカメラワークで巨大な龍と魔法少女の戦いを描いており、
最後の「弓矢を放つ」シーンの作画など気合が入りまくりで迫力抜群だ。
だが、迫力の中にきちんと「可愛さ」も描いており、
「リトルウィッチアカデミア」という作品の世界観をきちんと描写している。

わずか30分しかない作品で物語の「世界観」を
きちんと醸しだすのは本当に素晴らしい。
海外アニメのようなキャラクターデザインによる雰囲気作りと
わかりやすいストーリーとストレートなキャラクター描写、
そして見ていてここちの良いアクションシーンが
「30分」という尺の中できちんと世界観を作り上げている

演出に関しても派手だ。
魔法を使うシーンの魔法のエフェクトは派手すぎるくらいだが、
アメリカのアニメのようなキャラクターデザインとあっており、
カートゥーンアニメを彷彿とさせるようなコミカルなシーンは
最近の「日本アニメ」では見かけない演出であり、
懐かしさを感じると同時に一周回って新しさを感じてしまう演出だ

全体的にみてストーリーは単純だが、アニメーションとして面白い。
コミカルに動くキャラクターや豊かな表情、気持ちのいいアクションシーンと
「動き」としてのアニメを作ろうとしている感じが強く、
そのアニメーションとしての動きを優先するあまり、
ストーリーは単純になってしまったが、
30分という尺を考えれば妥当だといえるだろう。

30分という短さもありあっという間に見終わるのだが、
見た後に「次の話」がないのが残念だ。
話はいくらでも広げようと思えば広げられる世界観とキャラクターになっており、
深夜アニメという媒体では難しいだろうが、それこそNHKの教育アニメ枠や
朝の5分アニメなどで「いくらでも」やれる内容になっている。

制作側の「私はこういうアニメがやりたいんだ」という主張が伝わってくる作品だった
確かにこういうアニメは日本では本当に減ってしまっている。
ストーリーの王道の面白さ、古臭いかもしれない演出の数々も
きちんとまじめに描けば面白さにつながっている。
純粋な「ファンタジーアニメ」というのを久しぶりに味わいたくなる感覚だ

シリーズ化されるなら是非期待したい作品ではあるが、
予算的に毎回この作画のレベルを保つのは厳しそうな作品ではある。
短髪の短編アニメだからこそ出来たレベルというのを感じてしまうのは若干悲しい所だ
しかしながら、まだ新しい会社である「トリガー」の作品としては
今後「トリガー」制作のアニメーションに期待したくなる作品だった。

個人的には「本来の魔法少女」ってこういうものだよねと
改めて感じる作品だ(笑)
殴り合いのような戦闘シーンだったり、マスコットキャラが腹黒かかったり、
そういう「正統派」ではない魔法少女アニメばかりが多い中で
久しぶりに正統派の魔法少女を思い出させてくれる作品だ。

続編の映画にも期待したい。