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ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜

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      2016/06/29

☆☆☆☆☆(7点)

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改悪ドラえもん

本作品は映画ドラえもんシリーズ通算第27作品目の作品、
わさび版ドラえもんとしては第2作目にあたる。

見出して感じるのは自然さだろう。
前作の作画は非常に癖が強く自己満足全開の演出で見づらかった
だが、今作ではそんな見づらさはなく綺麗な作画で背景とマッチしており違和感もない

ストーリー的にはファンタジーだ。
酷い1日を送った「のび太」、そんな彼の部屋にドラえもんの石像が落ちてきて
空き地にはのび太の石像まで現れる、なぜ、こんな石像があるのか
魔法で石にされたような石像の秘密とは・・・?
というところからストーリーが始まる

旧作を見たことがある人ならば、この作品に「怖い」という印象はなかっただろうか?
ドラえもんやのび太と瓜二つの石像、夜中に動く石像、
どこか「ドロッ」っとした恐怖感を私は旧作を見た時に感じた
藤子不二雄先生が描く「ホラー」の不気味さをドラえもんの中に閉じ込めたような
そんな作品だ。
子供の頃、何度も見た記憶が無いのも怖かったからだろう(笑)

だが、リメイクしたことで「デジタル作画」になってしまい
そんな不気味さやケレン味を感じない
旧作のシーンでは「怖さ」を感じたようなシーンも妙にギャグテイストになっていたり、
「さらっ」っと流れてしまうことで不気味さやドロドロした感じがなくなってしまい
私が子供の頃に感じたような「怖さ」をこの作品からは感じない
デジタル作画の綺麗すぎる作画に対し「演出」が追いついておらず、
この作品、本来の雰囲気がなくなってしまっている

ただ、その分、ギャグテイストは強まっている。
もしもボックスで「魔法」の世界に変えた世界で
のび太たちが魔法を楽しむ様子など
いい意味での「軽さ」があることで旧作に比べれば見やすさがあり、
「怖さ」がない分、スッキリと見れる。

だが、そんな雰囲気を台無しにさせる要素がある、声優だ。
新ドラえもんの声優陣ではなく映画でのゲスト声優なのだが
メインキャラクターを芸能人に演らせている。
特にヒロインを演じている「相武紗季」さんの演技は本当に酷く、
演技だけならまだ我慢できるが声質が「詰まっている」ような声質で聞こえづらい
音量を思わず大きくするのだが、そうすると相武紗季以外の声が大きすぎる

更に次長課長の河本準一、久本雅美など
あまりにもメインのキャラクターに芸能人を起用しすぎだ
プロの声優との違和感を非常に大きく感じてしまい、
せっかく新声優陣達が頑張って演技していても、その演技と釣り合っていない

1シーン1シーンが「ひらり」とまるでヒラリマントでかわされたように
あっさりしすぎているのも残念だ。
もっと、そのシーンをしっかり見たい、もっと、そのシーンをガッツリ見たい
そう感じるのに「ひらり」とあっさりと描かれてしまい、
「映画」らしい壮大さを感じない

更に言えば改変。
「美代子の母親」という新しいキャラクターというか設定を足したことで
余計なストーリー展開が生まれる。
その余計なストーリー展開のせいで魔界大冒険の大冒険の部分が大幅に削られており
どこが「大冒険?」といいたくなるようなストーリー構成になってしまっている
なぜ余計なキャラクター設定を増やしたのだろうか?
久本雅美さんのセリフや活躍どころを増やしたかったのかもしれないが、
正直改悪でしか無い。

特に個人的に気になったのが「石ころ帽子」でなくなったことだ
「モーテン星」に変わってしまったのは非常に気になった
Wikipediaによると「石ころ帽子」の矛盾点を解消するためだったようだが、
子供の頃はそんなことは一切感じなかったため、
変更されたことによる違和感のほうが強く出てしまっていた。
また旧作での「石ころ帽子」を使用した際の孤独感の表現何度もほぼ無く、
細かい部分で改変されてしまっている

そして最大のトラウマともいべき「メデューサ」の改悪。
魔法の世界から本来の世界にやってくるメデューサと石にされてしまう恐怖は
旧作を見た方なら印象に残ってるはずだ。
だが、この作品ではなにを勘違いしたのかメデューサのキャラデザを変更し、
妙な薄ら寒い感動ストーリーに仕上げてしまっている

全体的に見て薄ら寒い感動ストーリーをするために改悪されすぎている
前作は演出や作画にこそ問題はあったもののストーリーの改変はあまり見られなかった
だが、今作は「カット」されていたり「改変」されていたりと
あまりにも元の作品から違う部分が多すぎる上、それがつまらない
特に「ヒロイン」と「メデューサ」の感動ストーリーなどどうでもよく、
前作に対しての思い入れが強ければ強いほど拒絶感が生まれる作品だ

芸能人を声優に起用することも、改編することも面白ければ問題はない
だが「原作」のドラえもんの面白さや、藤子不二雄作品特有の「ホラー」の怖さなど
原作に対するリスペクトを感じない改変ばかりで
魔界大冒険なのにほとんど大冒険してない改変は改悪としかいいようがない
妙に「泣かせ」にくるようなストーリー展開は苛立ちしか感じない

ギャグテイストや、旧作に比べて明るくなったのは
時代の流れや子供向けと考えれば悪くない改変だったかもしれない
旧作は人によってはトラウマになっている可能性のある作品なだけに、
このテイストの変化は悪く無いとも受け止められる
だが、好意的に考えても飲み込めない部分があまりにも多く
ここまでオリジナルの要素を入れるなら最初からオリジナルでやれば?と
ストレートに感じてしまう作品だ。

特に「ジャイアン」の活躍が減ってしまっているのは残念だ
冒険部分が大幅カットされたことでお約束の「歌」などもなくなり、
旧作では最大の見せ場だった銀の矢のシーンものび太になってしまっており、
一緒に冒険している感じが薄い。
旧作ではメインキャラの一人なのに、本作ではサブキャラ扱いになってしまっている

私個人としては前作のほうが見れた。
前作も問題の多い作品ではあるものの「ドラえもん」という作品に対する愛情や
リメイクするうえでの尊敬の念を感じたが、
この作品はそういったものがなく、脚本家や監督の自己満足でつくられてしまっている
本当に残念な作品だ

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