ブレイブストーリー

☆☆☆☆☆(8点)


ブレイブ ストーリー 特別版 [DVD]

制作/GONZO
監督/千明孝一
声優/松たか子,大泉洋,常盤貴子ほか


あらすじ
三谷亘(ミタニ ワタル)は小学5年生。どこにでもいるような、普通の少年だった。ある日、幽霊が出ると噂される”幽霊ビル”で、要御扉(かなめのみとびら)に出会う。そこを潜り抜けると、亘たちが住んでいる現世(うつしよ)とは違う不思議な世界・幻界(ヴィジョン)が広がっていた。




スポンサーリンク

ダイジェストは駄目だろ、ダイジェストは!


本作品は宮部みゆきによる小説をアニメ化したもの。
ゲームなどにもなっており、メディアミックス作品の1つだ

基本的なストーリーはファンタジー。
主人公である「ワタル」は普通の小学生、だが、ある日両親が離婚してしまっ
出ていった父親を追いかけると幽霊が出ると噂のビルで
最近転校してきた別のクラスの「ミツル」がいじめられていた
ワタルは無我夢中で彼の口をふさいでいたガムテープを外すと
彼は魔法でいじめっ子たちを消してしまったという所からストーリーは始まる

序盤のストーリーは悪くはない。
願いを叶えてもらおうと異世界へ旅立ち、異世界という状況でワタルは必死に行動する。
これからどんなストーリーになるんだろうという期待感が強い。
しかし、話が進めば進むほどつまらない

願いを叶えてもらうためには5つの宝玉集めをしなければならないのだが、
せっかくの異世界での冒険なのに、なぜか途中からダイジェスト。
主題歌が流れる中で仲間とともに冒険するシーンが流れるのだが、
せっかくの宝玉集めのシーンなのにダイジェストにしてしまってるため。
異世界の世界観や仲間になったキャラ描写が浅い。

更には説明不足。
主人公であるワタルは途中帝国に捕まるのだが、
帝国がなぜ彼を捕まえていたのかという理由がわからない。
帝国と傭兵部隊的なハイランダーという組織は争っているらしいのだが、
なぜ争っているかが一切わからない。
そんな中で主人公は流されるままに行動してしまっており感情移入しづらい

本来なら、主人公であるワタルが成長するさまを描きつつ
世界観や設定を描写しなければならないのだが、
肝心な部分をダイジェストにしてしまっているため圧倒的な説明不足になっており
主軸である「ワタル」と「ミツル」の二人以外のキャラクターが全く生きていない

特に一応ヒロイン枠であったミーナは父親を探していたはずなのだが、
作品が終わっても彼女の父親の所在は不明、
明らかに原作の分厚い小説の内容から端折りまくってるのが
原作未読でも分かるストーリー構成だ。

更に声優。
アニメ映画になると宣伝効果を期待して芸能人を起用するが、
本作品では大量の芸人が投入されている。
人によっては下手だったり、普通だったりするが
プロの声優さんも普通に出ているだけに余計に差を感じてしまい
これだけ芸人を大量に配役するなら、全て芸能人だけで構成すればいいのにと感じてしまう
中途半端にプロと素人を混ぜたため演技に違和感を覚えてしまった

そして超ご都合主義展開。
この作品のストーリーの軸は「願いを叶えてもらうための犠牲」だ。
主人公のライバルであるミツルは自分の願いを叶えてもらうためには
どんな犠牲もいとわない。
人が怪我をしようが、森を焼き払おうが、世界が滅びようが関係ない。
目的のために手段は選ばない。

そんなミツルに反し、主人公であるワタルは異世界の住人にも愛着が湧いており
自分の願いを叶えるための犠牲は駄目だと叫ぶ。
この意見の対立は子供向けとして考えればいいメッセージだ

終盤、二人はそれぞれの結末を迎える。

ワタルは願いを叶えてもらわなかったが、犠牲も出さなかった
ミツルは願いを叶えようとしたが、自らにも刃が突き刺さった

そういう結末だった。
しかし、その結末を最後の最後で台無しにする。
あからさまに無理矢理ハッピーエンドにしてしまっているため
最後の最後で物語に大きな矛盾を抱えてしまった

全体的に見て駄作だ。
確かに作画は背景や戦闘シーンなど迫力があり、
映画という大きなスクリーンで見ても十分に見劣りしない出来栄えだったが
そんな作画の良さをストーリーと声優が台無しにしている。

私は原作未読だが、あからさまに原作改変している部分がわかり
wikipediaを見ると相当量の原作改変をしている
子供向けの映画にするために色々なシーンを削ったようだが、
結果として「宮部みゆき」作品とは別物の作品に仕上がってし合った

結局本作品で何がしたかったのだろうか。
宮部みゆきの作品を映画にしたいというのなら改変し過ぎている、
子供に対してのメッセージ性と考えても矛盾している、
見終わった後に「何も残らない」作品だ。

きっちりとアニメ化されればもしかしたら、
もっと面白い作品になったかもしれないだけに惜しまれる作品です

スポンサーリンク