UN-GO


UN-GO感想

評価/★★★★☆(67点)


UN-GO感想

制作/ボンズ
監督/水島精二
声優/前野智昭,野水伊織,矢作紗友里ほか
全11話


あらすじ

“終戦”を迎えたばかりの近未来の東京。そこでは、
探偵業が流行らなくなった代わりに、メディア王・海勝麟六が膨大な情報量と
優れた頭脳を生かして、幾多の難事件を解決していた。
しかし、実は麟六の推理には裏があり、それをあぶり出すのが、
「最後の名探偵」を自称する結城新十郎と、その相棒・因果。
世間からは、「敗戦探偵」と言われているが、
それでも2人は力を合わせて、様々な難事件の解決に挑むのだった。



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お久しぶりの推理アニメ

本作品は昭和前期に活動した小説家・坂口安吾の『明治開化 安吾捕物帳』
『復員殺人事件』等を原案をしたものという非常に珍しいアニメ、
一応、オリジナルアニメの部類に入るのだろうか?
放送枠はノイタミナ、ある意味ノイタミナらしい。

基本的なストーリーは推理サスペンス
“終戦”を迎えたばかりの近未来の東京を舞台とし、
そんな世界で密かに活躍する探偵が主人公だ。
だが、彼には因果とよばれる助手が降り、彼or彼女は
相手に1問だけ質問に強制的に答えさせる能力を持っていた。という感じだろうか?
本格的な推理という感じではなく、魔人探偵脳噛ネウロのようなイメージだろう

序盤は面白みにかける
戦後の近未来の東京という舞台は面白く、所々小ネタもあるのだが
根本の推理サスペンスが因果の能力のせいで、ほぼ犯人の自供で終わってしまう。
更には政府の都合のいい推理のせいで犯人逮捕がウヤムヤで終わったりする場合も多く
キャラクターデザインも癖があり、取っ付きにくささがある。
だが、その取っ付きにくさも慣れてしまえば、この世界観に浸れる

序盤の一話、二話は話としてインパクトが足りず
素直にUN-GOを楽しめなかったが、3話と4話でこの作品の世界観に一気に入り込めた
近未来の東京という舞台にふさわしいストーリーでようやくこの作品の魅力がわかり、
更に5話で終戦を迎えたばかりの世界での人間がよく描かれていた
攻殻機動隊などが好きな方はこういうストーリーは好みだろう

この序盤1,2話のつまづきは惜しかった。
一話から引き込まれないアニメは一気に見る分にはいいが、
一週間に一話というペースでは飽きられてしまう可能性も高く、もったいない。
本当にもったいない、中盤以降ははとても面白いのに。

終盤のストーリー展開は推理サスペンスらしく
「ダレが犯人なのか」という疑問がめぐる。
その原因は人の言葉を現実にする能力者が現れたせいなのだが、
その能力者を使っているのがダレなのか、今自分が見ているシーンは真実なのか
終盤までのストーリー構成をうまく使い疑心暗鬼をうみ、
全てのキャラクターが怪しく見えてしまう。

ファンタジー要素こそ入っているものの、
推理サスペンスの面白さをじっくりと味あわせてくれる終盤のストーリー展開は
「視聴者に推理させる」という推理ものの本質をアニメで久しぶりに味わった
やや最後の化物バトルが違和感があったが、
ここで制作がボンズということを思い出した(笑)

全体的に見て期待していなかったのに良い意味で期待を裏切られた。
前半部分はもたついた感もあり、確かに面白みに欠ける部分が多かったが
後半からの盛り上がりとストーリー展開の完成度は高く、
きっちりと伏線を回収してすっきりと1クール終えたのは好感だった。
前半こそキャラへの感情移入ができなかったが、
中盤以降は男性キャラには渋い魅力があり、女性キャラは不思議な可愛さがあった

作画もキャラデザにこそ癖はあるものの、安定しており崩れることはない
声優さんに関して言えば最初、主人公の声優が慣れなかったが
珍しい豊崎愛生さんのショタボイスは貴重で、それ以外の方も安定していた

ただ1つ残念なのは2週間しか公開されていない劇場版(苦笑)
微妙に本編中にも劇場版での過去編ストーリーが絡んできており、
劇場版を見ないと完ぺきにすっきりできない部分があるのは気になった
これがきちんとした劇場映画ならまだしも、2週間しか公開されていないというのは
非常に厳しい物がある。
今見たい方はDVDが発売されるまで待つしかないorz

しかしながら、原案こそあれどオリジナルストーリーでここまで
面白い推理アニメは久しぶりだ。
ジャンルとしては1年に1本あるかどうかの希少なジャンルだけに
今後、こういった推理アニメがじわじわっと増えてくれないかな?と
個人的には期待している。

また本作品的にもいつでも2期ができるような状態で綺麗に締めているので、
ぜひ2期を期待したい。