ちはやふる


ちはやふる感想


評価/★★★★★(100点)


ちはやふる感想

制作/マッドハウス
監督/浅香守生
声優/瀬戸麻沙美,細谷佳正,宮野真守ほか


あらすじ
姉がモデルの日本一になることが夢であった小学6年生の綾瀬千早は、福井から来た転校生・綿谷新に「自分のことでないと夢にしてはいけない」と諭される。そんな新の夢は競技かるたで名人になり、日本一になることであった。真剣にかるたに臨む彼の姿に感化された千早は、幼馴染の真島太一も巻き込んで、かるたの魅力へ惹きこまれていく。



文化系熱血スポーツアニメ

原作は漫画な本作品。
恐らくアニメ業界初の「かるた」を主題とした作品、
この作品がなぜ深夜で放送されたのか私には理解出来ない。

基本的なストーリーは「かるた」を軸にし、
かるたをやっている女子高生を主人公とした青春ストーリー
主人公は「かるた」で世界一になることを夢としており、
高校でかるた部を作ろうとする所からストーリーは始まる

序盤から圧倒的なまでの世界観と登場人物の心理描写にのめり込まされる。
1話の段階から「この作品は面白くなるっ!!!」という期待感を
ふつふつと見ている側に沸き起こさせる。

この世界観と登場人物の心理描写はBGMやSEがいい効果を生み出している。
最近のアニメではOPやEDなどの曲が注目されがちで
私もあまり「あぁ、このアニメのBGMよかったな~」と思えるような作品は少なかったが
この作品に限って言えば、ストーリーが進む中流れる音楽と効果音の心地よさが
他のアニメと比べ、群を抜いて素晴らしかった。

序盤のストーリーは主人公が小学生の時から描かれる。

主人公である「ちはや」がかるたにはまっていく様子がわかりやすく描かれ、
小学生らしい心理描写と行動は微笑ましくもあり、
同時に「かるた」の魅力に見ているこっちも「かるた」にはまっていく

かるたの詳しいルールや勝負の方法なども同時に紹介しているので更にはまる。
主人公がかるたの魅力にとりつかれていくのにきちんと感情移入でき、
同じ気持ちで登場人物たちのストーリーを追える、
テンポはいいのに一切「置いてけぼり」になることがないのは好印象だ

序盤の小学生編の1話~3話で「かるた」の魅力を存分に描き、
登場人物たちにきっちりと感情移入することができた。
そしてこの小学生編のストーリーだけでも起承転結がしっかりとしていた。
正直にいおう、私は3話で泣いた。

かるたを通して仲良くなった3人が小学生という立ち場で
それぞれの事情があり、そして別れ。
そして、小学生ならではの小さいが大きな成長を描いた。
確かに単純ではある、だが演出の巧さと作画の良さ、そして声優さんの演技が
序盤の3話、小学生編を完璧に作り上げていた。

私は見ながらこの文章を今書いているが、見ていて本当に心地が良い。
嫌悪感、ダレる、飽き。
そういったものが一切ない。

そして5話からは高校生編が始まる、
小学生だった登場人物たちは高校生になり、それぞれ変化が起こっている。
だが、主人公である「ちはや」だけは変わらない。
この主人公の「ちはや」というキャラクターはなんて純粋で可愛いんだろうと
実感させられる。

あくまでも純粋にかるたがすきで、あくまでも純粋に友達にぶつかっていく
変わってしまった登場人物たちも彼女の純粋さに影響され、
変わる前の登場人物たちに少しずつ戻っていく。

原作は少女漫画だ、だからというわけではないが少女漫画原作のアニメだと
どうにも「ネチネチ」した部分があったりして私は嫌いなものが多いのだが、
本作品では「ネチネチ」になるまえに問題が解決し、
あくまでも爽やかに青春ストーリーを展開していく
嫌悪感を感じさせる前に、涙へと物語を爽やかに運んでいた

かるた部を作り始める展開になると、作画の美しさが目立ちだす。
着物や和の世界を意識した美しい作画は会話が中心となりがちな展開を
絵的にも飽きさせず、艶やかな「ちはやふる」の世界観を醸しだす
その作画の良さは、同時に「かるた」の試合の激しさの描写も後押ししている

対戦中のかるたをとる早い動きと激しさ。
「かるたってこんなに激しい試合なのか!」と思わずのめり込んでしまうほど、
激しく切羽の詰まった試合シーンは目を離すのも忘れ、瞬きするのも忘れ
試合が終わり、登場人物たちが涙すれば見ている方も涙を浮かべてしまう

感情移入。
ここまで登場人物、主役やサブキャラだけではない
あまり出番のなかった何気ないキャラにでさえ感情移入できるのは素晴らしい
熱い試合に熱くなり、キャラクターたちの日常にほんわかする。

そして原作が少女漫画ということもあり、ほのかな恋愛要素もある。
主人公と幼馴染二人のもう、歯がゆくむず痒さも感じる恋愛要素は
「あぁぁもうぅ!!」と悶えてしまうほどいい。
告白したり、結ばれたり、キスシーンがあったりするわけじゃない
高校生たちのささやかな恋愛要素が厳しすぎるカルタの世界の清涼剤になっていた

特に主人公の幼馴染である「太一」のキャラクターは・・・いい。
彼は外見こそ非常にイケメンとして描かれているが、運がなく
もう一人の幼馴染に遠慮して主人公に対してあまり恋愛的行動はしない。
だが、その思いが隠しきれず時に暴走し唐突な行動を取る。
この唐突な行動も大胆なのだが不器用で、男キャラなのに
「萌え」を感じてしまい何かに目覚めてしまいそうだった(笑)

全体的に見て素晴らしい・・・いや、素晴らしすぎるほどの出来栄えだ。
かるたという、ほとんどの人が「あまり知らない」からこそ
登場人物たちと一緒にカルタの世界に没頭していき、
登場人物たちの微笑ましく愛らしいキャラクターが視聴者の感情移入を強め、
熱く燃えるような緊迫感と緊張感がせめぎ合うカルタの勝負に息を飲み、
悶えてしまうような甘い恋愛要素もある。

本当に1つだけ残念なのは未完ということだ。
原作がまだ続いている作品なだけに仕方ないことで、わかってはいるが
「もっと見たい」と見終わった後に思ってしまい
26話が無いことに本当にもどかしさを感じてしまったが。
一期2クールという尺でコレ以上のものを求めるのは無理な問題だ(苦笑)

そして声優さん。
試合の緊迫感の演技、キャラクター同士の掛け合いの演技、完璧だった。
特に瀬戸麻沙美さんはまだ新人さんで経験も浅い方だが、
しっかりと無駄美人の主人公を演じており、正直驚いた。
個人的に期待したい声優さんです。

もう、この作品は文句なしに★5つだ。
探したが、減点すべきポイントが見つからなかった
この作品のどこにマイナス点があるのだろうか。

こんなにもステキで、こんなにもアニメが楽しいと思えて
こんなにも胸熱くさせる作品は滅多にない。

私は既に原作を注文して、BDも全巻予約した。
なんで、こんな素敵な作品の売上が2000枚前後なんだ・・・。
まだ見てないという方、是非この「かるたアニメ」を見て欲しい
そして2期につなげて欲しい。

2期、期待してます。