マクロスゼロ


評価/★★★★☆(61点)



制作/サテライト
監督/河森正治
声優/鈴村健一,小林沙苗,南里侑香ほか


あらすじ
1999年7月、後にマクロスと名づけられる異星人の宇宙戦艦が地球へ落下した。この艦よりもたらされた様々なオーバーテクノロジーの奪い合いに端を発する争いは、やがて統合戦争と呼ばれる世界大戦に発展する。



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魅了する戦闘シーン

本作品はマクロスシリーズとして5作品目の作品
ストーリーの位置づけとしては「超時空要塞マクロス」の過去という位置づけ、
マクロスFでは本作品のストーリーを登場人物たちが
劇中の映画として演じていたりする。
更には本作のヒロインの1人「マオ・ノーム」は
マクロスFのヒロインである「シェリル・ノーム」の祖母だ

始まって早々、コレは本当に2002年に制作された作品なのか!?と驚く
私がブルーレイ版で見たことも原因の1つだろうが、
美しい3DCGで描かれた戦闘機同士の激しい戦闘シーンは
「マクロスゼロ」の世界観に一気に飲み込まれる

更に流石「板野一郎」というべきなのだろうか
戦闘機の動き、ミサイルの挙動、そしてヴァルキリーという変形機構、
最近の劇場版アニメにありがちな「早いだけ」「激しいだけ」の動きではない、
1つの1つの動き、結果、その全てが「戦闘シーンの面白さ」を演出する

たかが、襲ってくるミサイルを頭部のバルカンで迎撃する。
文章にすればこれだけのシーンすら素晴らしい出来栄えなのだ
全くストーリーやキャラクター知らない状態で戦闘シーンを見ても
純粋に「凄い」と言える、そんな戦闘シーンの連続。

ストーリーは後にマクロスと呼ばれる異星人の宇宙戦艦が地球へ落下、
落下した宇宙戦艦によるもたらされたオーバーテクノロジーは
人類同士の戦争へと発展する。
そんな中、主人公は戦闘中に撃墜され辺境の孤島「マヤン」へと流れ着く
彼はそこで二人の少女に出会うというところからストーリーは始まる。

序盤のストーリーはややわかりづらい。
主人公が敵軍と戦っているのは分かるのだが、
墜落した先がいきなり「民謡的」な辺鄙な島でその中で暮らす人々は閉鎖的。
そんな中で主人公もやや面倒くさい性格をしている。

だが、世界観の作り方が上手い。
辺境の孤島に住む民族は掟に縛られており、
特に島の巫女は主人公が島にいることを拒む。
島の外の人間を関わると争いを呼ぶという掟を守ろとする
その掟通り、島で戦闘が起こる。
辺境の孤島、そこに住む民族、そして戦争。
序盤はこの3つの要素が話が進めば進むほどうまい具合に絡み合う。

しかしながら、物語に「違和感」も感じる。
特にヒロインの巫女としての力がやや「ファンタジー」ちっくになっており、
本来、SFの世界観の中で語られるマクロスの世界観の中に違和感を感じさせる
後半では謎の儀式で意識不明だったヒロインが復活して謎の力をつけてたりする。
後半ではこの違和感が更に強くなる

特に「鳥の人」と呼ばれる異星人の宇宙戦艦が世界観とかなりかけ離れており、
それまで強敵だった主人公の敵を一瞬で滅ぼす。
せっかく戦闘シーンがいい作品なのに、あっけなく強力な力で殲滅してしまうという
ストーリー展開は「もったいなさ」を感じてしまう
あれだけ激しい戦闘シーンを繰り返していたのに決着があれでは
モヤモヤした感じが残ってしまう。

しかしながら、ストーリーの結末としては悪くはなかった。
それまで色々な違和感や説明不足、作りこみの甘さなどはあったものの
ストーリーの結末は「綺麗」なものだった。
それだけに、その結末に至るまでの展開が納得しがたい

全体的に見て戦闘シーンの完成度は驚くほど高い。
「板野サーカス」という言葉があるのも納得できるほど
板野一郎氏のセンスの高さを感じることができる作品だろう
戦闘シーンの1つ1つの動きがほんとうに素晴らしい
思わず「見惚れる」ほどのシーンの連続だ

ただ、その戦闘シーンに見合うストーリー展開ではなかった。
ストーリーの始まり、そして結末はいいのだが
その間の展開が強引だったり違和感を感じたりと
素直に飲み込めないものになっているのは残念だ。

これはあくまでも個人的意見だが、
OVA全話あわせて1時間半くらいなのだから、逆にOVAではなく
映画版として制作されていれば、余計な設定やストーリーの肉付けがなく
もっとすっきりしたストーリー展開になっていたのではないだろうか?
変に全5話で区切ってしまったことでこの違和感が生まれてしまったようにも感じる。

さらに言えば大きなスクリーンであの戦闘シーンが描写されていればと考えると
もし、本作品がリメイクされ劇場版になったらぜひ見に行きたいと
思わせるだけの魅力がある

ストーリー展開の甘さだけが残念だ。
非常に惜しい作品ではあるが、まだ見てないかたは是非
「板野サーカス」を満喫して欲しい。
あの戦闘シーンだけで私は★4つをつけてしまった
そう感じさせるほど魅力を秘めた作品でした

余談だが、本作品の主人公を演じているのは「鈴村健一」さんだ
更に主人公の名前は「シン」、この時点でピンときた方も多いだろう。
あの作品の監督はパクることしか頭にない様子だ。

つい先日、30周年作品としてマクロス7とFが融合した
「マクロスFB7」がこ2012年秋に上映されることが決まっている。
この流れで・・・本作品のリメイク、密かに期待してます(笑)
私はスクリーンでこの作品を楽しみたい。