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夏色キセキ

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評価/★☆☆☆☆(18点)



制作/サンライズ
監督/水島精二
声優/寿美菜子,豊崎愛生,戸松遥ほか


あらすじ
親友同士である4人の少女達は、幼い頃からいつも一緒に時を過ごしていた。
中学2年生の夏休みを迎える直前のこと、夏海は部活に顔を出さない友人の紗季に対して不満を抱き、そのいざこざから絶交を宣言するほど大きな喧嘩をしてしまう。さらにその後、紗季が転校することを突然知り、仲違いはさらに深刻となっていく。



無難なキセキ

本作品は声優ユニット・スフィアの4人が主要担当声優を務めており
それぞれの特徴を踏まえたキャラクターデザインとなっている。
いわゆる「スフィアアニメ」だ
舞台として下田市、更にローソンとのコラボーレーションも行われるなど
作中でもタイアップ祭になっている。

基本的なストーリーは4人の中学生を中心とした日常もの
親友同士の4人の少女、そんな中、一人の少女が引っ越すことになる
それが原因で仲違いしてしまうのだが・・・・
という感じだろうか?

開始5分でキャラクターがいきなり喧嘩しており、
雰囲気が悪い中始まる。

冒頭のストーリー展開はかなり時期尚早といえるだろう
ある程度キャラクターに感情移入していれば
キャラ同士の「喧嘩」が気になるものになるのだが、
キャラクターの名前すら覚えてないままに喧嘩しつつ険悪ムード

更には作画的にも1話の段階から不安定、
キャラクターデザインの問題もあるのだろうが
明らかに手抜きをしている部分もあり、後半では崩壊気味の作画

作画という面では、この作品ではセクシーシーンもある。
下着やお風呂などお約束的なセクシー要素だが、
結構頻繁に出てきている。
だが、その割には作画とキャラクターデザインの問題で
「一切エロくない」描写になっているのは残念だ。

遠くからの場面など手を抜くべき場所は完璧に抜き、
近くからの場面でも手を抜けるところはなるべく抜こう崩壊ギリギリで
というような指示があったかのようなギリギリのラインだ。
同時に「キャラの作画はギリギリでも背景だけは完璧にな!」と言わんばかりに
背景には無駄に凝っているため、かなり違和感を感じる。

せめてもう少し安定した作画で描かれているならば
舞台になっている下田市の「雰囲気」的なものを感じられたかもしれないが
これでは別に下田市が舞台ではなくてもいいという感じだろう

色々と下田市も協力しているようだが、
地域限定のイベントを織り込んでも描写が
「たまゆら」や「花咲くいろは」に比べると取ってつけたような感じで
下田市に聖地巡礼にわざわざ行きたくなる!と思う人は少ないだろう
個人的にはこの「地域密着型アニメ」のあざとさはあまり好ましくない。

ただ、女子中学生4人の日常という内容であるなばら
別にセクシーシーンは不要だったのではないだろうか?
とってつけたようなセクシーシーンと手抜き作画のせいで
マイナス要素にしかなっていなかった。

ストーリーに関していえば女子中学生4人の日常と上記したが、
これは一応スフィア4人がメインのアニメだ。
スフィアといえば、豊崎愛生、寿美菜子ならけいおん!
高垣彩陽、戸松遥ならみつどもえというような感じで
結構日常アニメにも出ている4人だ。

だが、そういった日常アニメならまだ
「スフィア4人が演じる中学生4人の日常」ということで
キャラクターの可愛さや日常描写で萌え的な部分を感じられただろうが、
この夏色キセキという作品は若干ぶっとんでいる。

wikipediaには「女子中学生の日常」と描かれていたが、それは大きな嘘だ
この作品は「日常の中のファンタジー」を描いている(苦笑)
それもかなり斜め上。
なにせ第一話で4人は文字通りぶっ飛ぶ、空を飛んじゃうのだ(笑)
それまでの雰囲気ではそんな様子は全然ないのに、
とあるキャラが「お石様」というのに祈った瞬間飛ぶ。

文章で書いてしまうと余計に意味がわからないだろうが
実際問題、アニメで見ても意味がわからないw
1話終了の段階で一切先が読めないアニメというのは
最近ではある意味で珍しいといえるかもしれない

この「お石様」というのは物語の中心になっていく
見ていない方に説明するならば、この「お石様」というのは
「伝説の桜の木の下で告白すると永遠に結ばれる」程度のもので冒頭登場する。

登場人物である4人の女子中学生は小学生の時に
その「お石様」に冗談半分で4人でアイドルになりますようにと願ったら
地域のど自慢大会で優勝できた、その程度のものだ

これくらいの設定ならば全然許せるのだが、
このお石様、事あるごとに凄いことをする。
1話では空を飛ばし、4話では人格の入れ替わり、
6話では分身、9話では透明人間、10話では召喚術と
もはや「その程度のもの」と表現するのが恐れ多いほどとんでもないシロモノだw
このお石様を中心として、4人の中学生のドタバタと日常が描かえる。

ストーリーに関しては、序盤の喧嘩ムード及びお石様のとんでも設定が
飲み込み難いのだが、飲み込めてしまえばそれなりに楽しめる。
4人のキャラクターもそれなりにたっており、
お石様の奇跡によるドタバタもテンポよく描かれている。

ただ、よく描かれて入るものの「1年後には忘れてる」くらいの深みのない話で
良い部分が少なく、その分作画の悪さが目立ってしまって
ずぅぅぅぅぅぅぅっと低空飛行しているような感じだ。
ストーリーが無難すぎて冒険していない、
1話で空を飛んだのはナンだったんだというぐらいの安定した低空飛行だった

面白み。という言葉で表現してしまうのも単純すぎるが、
この作品にはこの作品の面白さというのがあまり感じられない
無難なストーリーの割には「お石様」のファンタジー要素がぶっ飛んでいる

逆に1話のぶっ飛んだ要素を維持してB級アニメとして貫いていたなら
この作品特有の面白みも生まれたかもしれないが、
淡々と無難に描いてしまったため面白みが薄い。
1話以外は無難なストーリー展開をし、最終話も無難にまとめた。

全体的に見て恐らく作画さえ良ければもう少し印象が違ったはずだ。
崩れる寸前なキャラクターたちを可愛いと感じる部分は少なく、
目的の1つであるはずの「下田」に関しても適当、
これが作画が良ければ随所に盛り込まれるセクシー要素や
キャラクターたちの可愛さももっと感じられたはず。
作画の悪さだけは致命的と言わざるおえない

逆に言えば「作画が良くなれば雰囲気もキャラへの感情移入」も
もっと強められることが出来るのではないだろうか?
DVDorBDでは作画修正が行われるようなので、
もしかしたらだが、結構印象が違うかもしれない。
ただ、そのためにDVDでもう一度この話を見るのは厳しい。
ストーリー展開がわかっていても楽しめる内容ではない

色々と惜しい部分もあり、もっと面白くなった可能性がある作品だ。
その可能性を感じられる部分が随所にあるのに、
それを生かしきれていなかった、残念だ。

終わり方からいって2期の可能性はないだろうが、
OVAなどの展開があればもしかしたら面白い作品になるかもしれないが・・・
まさかの映画化で1時間半くらいの尺に納めれば、逆に名作になるかもしれないw
あくまでも可能性の話だが、その可能性を秘めていた作品でした

「」は面白い?つまらない?

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