ストライクウィッチーズ劇場版

ストライクウィッチーズ劇場版 DVD限定版


評価/★★☆☆☆(31点)


ストライクウィッチーズ劇場版 DVD限定版

制作/AIC Spirits
監督/高村和宏
声優/福圓美里,沢城みゆき,名塚佳織ほか


あらすじ
島田フミカネ原作による美少女アクションアニメの劇場版。ガリア、ロマーニャを救った第501統合戦闘航空団。役目を終え解散したウィッチたちは各地へと飛び立つ。だが、欧州では“ネウロイ”に不穏な動きが現れ始め…



ご都合主義全開


本作品はストライクウィッチーズの劇場版、
2期終了から約1年半経過しようやく放映された

基本的なストーリーは一期の続き
魔力を失い故郷に帰っていた芳佳のもとに新人の「服部静夏」が
坂本少佐から欧州の居学校への留学の誘いを届けに来る所からストーリーは始まる

序盤から「ダレ?」という新キャラが出る、
既存のキャラクターだけでかなりの数がいる本作品において、
いきなり新キャラ、更には映画だけで十人以上の「新キャラ」が追加される
名前もかなりややこしい名前の人も多く、
演じられている声優さんの声で何とか自分の中でキャラわけの整理がギリギリ出来た

この点に関しては必要のないキャラや「既存のキャラ」だけで役割を果たせる部分が多く
なぜわざわざ新キャラをばしばし投入したのだろうか?という点は謎だ
たしかに有名声優さんが演じられていることでキャラクターに違いは出ていたものの、
既存のキャラだけで構成できるストーリーをわざわざ新キャラを出す必要性は感じなかった

その新キャラも「出て終わり」というキャラが多く、
本筋のストーリーにがっつりと絡んでくるキャラクターはほとんど居ない。
だからこそ、余計に1時間半という限られた尺の中で「出す必要性」を感じず、
あくまでもファン向けのサービス要素だったのだろう

更にストーリーに関しても「冗長」な部分が多い。
本作品は約1時間半の尺だが、まとめようと思えば「1時間」ないし「45分」で
綺麗にまとめられそうな印象がある。

序盤は留学のために欧州へ向かう芳佳と新キャラの道中を描きつつ

各地に散っている「501メンバー」の今を同時に描いているのだが、
この新キャラと芳佳の絡みの必要性が最後まで謎だった

この新キャラは芳佳に憧れているものの「軍規」を重んじており、
そんな「軍規」を無視する芳佳に苛立ちをぶつける
そんな新キャラが悩んだり、ミスをして落ち込んだりするシーンが多かったが
わざわざ新キャラを掘り下げる必要性を感じない。

既存のキャラや描写しないといけない要素を描写せずに、
新キャラを掘り下げるという点と既存のキャラのファン向けシーンなど
中盤まではそういった要素が多い。

中盤以降からようやく「盛り上がり」を魅せる
突然現れ大量に襲いかかってくるネウロイの恐怖感はよく描かれており、
そんなネウロイに対し「魔法力」を失った「芳佳」が必死に抵抗し
血だけになりながらもネウロイを魔法力なしに倒すシーンはこの作品らしい熱さがあった。

しかし、魔法力のない芳佳は重症を負う。
そんな中、501メンバーが彼女のもとに駆けつける様子は
この作品の最大の盛り上がりどころだろう。
だが、そのシーンの後にこの作品最大の「がっかり」ポイントも待っている

多くの方がこの作品を見る前に考えただろう
「主人公である芳佳が魔力を取り戻すのか?取り戻すとしてどう取り戻すのか?」
というのが、この「劇場版」の最も気になる点であり盛り上がり所になるべき点だ
だが、その盛り上がるべき点までのストーリー展開がまったりとしており、
ようやく盛り上がってきたと思えば「魔力を取り戻す」シーンはご都合主義全開。

見てない人にはネタバレになってしまうが、
芳佳が魔法力を取り戻すのに治療だったり訓練だったりの描写はない、
みんなの所に行かなくちゃと思っただけで回復だ。
ちょっとよくわからない、なぜ回復したのだろうか???
この作品の最大の盛り上がり所が、この作品の最大の「突っ込みどころ」になっている

更には唐突な芳佳の魔法力復活なはずなのに、その直後に
坂本少尉が芳佳のストライカーユニットを持ってくるなど
ご都合主義にも程がある展開を平気にやってのける。

付け足すならば芳佳は「戻りたい」とストライカーユニットを目の前につぶやく
そういった心理描写や芳佳の本音がそれまで一切描写されず、
彼女が「魔法力」を失って悔しい思いや悲しい思い、つらい思いをするという描写がない
そういう描写があってこその「もう一度飛ばせて」というセリフなはずなのだが・・・

彼女は魔法力がなくとも人を治療し、人を助け、ネウロイと戦っている。
逆に魔法力がないからこその彼女なりの生き方が描写されているのに
唐突な魔法力回復と心情の変化は強引すぎた

全体的に見てイマイチな作品だった。
最大限の盛り上がるべき所までの展開がのんびりしすぎており、
盛り上がりも唐突で、「芳佳が魔法力を取り戻す」という展開も唐突、
ご都合主義全開でストーリーを作り上げてしまい、
そのご都合主義を貫き通すほどの勢いもなかった

私自身、一期二期と楽しみ、この映画も映画館で見ようと思ったら
近くの映画館でやっておらず断念し、BDの発売を待ちようやく見たのだが
残念な気持ちでいっぱいだ。

このアニメの感想を探していて「映画から見始めるのも可能」という
発言をされていた方も居たが、
完成されたキャラクターたちの関係性や、TVアニメ版から追加されたキャラもおり
かなりの数のキャラクターの名前を覚えなければいけないのは厳しい
ストーリー的に冒頭でちょろっと世界観を説明しただけの内容で
「映画から見始めるのも可能」というのは厳しい。

あくまでの本作品はTVアニメ版のストライクウィッチーズを見て、
なおかつストライクウィッチーズが好きで仕方ない人にしか楽しみづらい
あまりにも「ご都合主義」が目立ってしまった作品だった

ついでに言えば、相変わらず「ネウロイ」の目的などもわからず、
芳佳の父親がどうなったのわからない
そういった要素は映画でも無視し、芳佳の魔法力復活も感情論で押し通してしまう始末。
映画の終わりは「つづく」となっていたが、
この作品をまとめてきっちりと終わらせる気が制作陣にあるのだろうか???
この映画を見て若干そういった点が不安になってしまった

続きはどうなるのだろうか?
TVシリーズ・・・もしくはまた映画だろうか?
期待したい反面、この映画を見た後だと不安も大きい
今後に期待したいが果たして・・・