ルパン三世 東方見聞録~アナザーページ~

ルパン三世 テレビスペシャル 2012 オリジナル・サウンドトラック(仮)

制作/スタジオコメット
監督/亀垣一
声優/栗田貫一,小林清志,井上麻里奈ほか


あらすじ
今回も不二子のおねだりを断り切れずに、お宝探しにイタリアへとやってきたルパン。彼の狙いは、マルコ・ポーロが記した「東方見聞録」から抜けおちたとされる幻の1ページ=アナザーページ。そこには、マルコ・ポーロが獲得したお宝の隠し場所のヒントが刻まれているという。



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淡々すぎるルパン


本作品はルパン三世としては23作品目のテレビスペシャル。
前作から新声優と交代しており、本作のメインヒロインは井上麻里奈さんが演じている

基本的なストーリーはアクション。
マルコポーロの旅行記「東方見聞録」の幻の1ページ、
この幻の1ページには実はお宝の居場所が示されていた・・・という所から
ストーリーは始まる。

序盤から淡々としている。
大体のルパンスペシャルは冒頭から派手な逃走劇を繰り返すパターンが多いが、
本作品の序盤は地味な逃走劇だ
「ルパンが始まった」という実感をわかせるものではない

その後も淡々とストーリーを展開してしまう。
更に淡々としているだけならまだしも、どんどんと話が小さくなっていく
あらすじにも書いてあるとおり、今回は「マルコポーロ」のお宝を追って
ルパンたちは動いている。

最初こそ「どんなお宝なんだろう」「どこにあるんだろう」という期待感があったが
話が進むにつれて、お宝がある場所は岩手県という何とも地味な場所になり、
そうかと思えば結局お宝は小さい。
敢えて例えるなら中身の無いシュークリームを食べているかのような感覚だ
いつクリームにたどり着くかと思えば、クリームがなかったかのような虚しさ。

更にアクションパートも酷い。
カメラワークや演出などがシーンの内容の割りには大胆さがなく、
「地味な絵面」になっているシーンが多すぎる
ルパンならではのお宝を盗むシーンなどはなく、あくまでも淡々としたストーリーを
淡々と描き、地味に終わってしまっている。

この地味さの要因はテレビスペシャルのオリジナルキャラの影の薄さもあるだろう。
井上麻里奈さん演ずるメインヒロインもキャラクターデザインがモブキャラのようで
彼女に魅力は一切無く、これまでのテレビスペシャルのヒロインに比べて
ダントツに陰の薄いヒロインだ。

そして重要過ぎる敵キャラ。
ルパンが狙っているお宝とそのお宝を狙っている敵との攻防が
テレビスペシャルではお決まりの展開だが、
今回の敵キャラは「小物感」が半端無く、敵としてのキャラ付けが弱い。

敵は自分のスポンサーのためにお宝を求めているという展開だったため、
てっきり、そのスポンサーが後半にでてくるのかと思ったが
最後まで「小物」キャラの敵しか出てこず、スポンサーは顔すら見せない

キャラクターデザインという点では今作は酷い。
出てくる登場キャラクターのキャラクターデザインは記憶に残るものではなく、
ゴエモンなどのキャラでも、違和感を感じる部分が多く
作画崩壊しないか心配な部分も多かった。

ただ、いい意味での「軽さ」がある内容にはなっていた。
前作がかなりグロテスクなシーンも多くストーリー的にも重い部分があったが、
今作はそれに比べるとかなり軽く「ギャグ」シーンも多い

特に五右衛門は完璧にギャグキャラになっており、
彼のシーンだけ最近のラノベのような展開になっていたり、
笑えるシーンが多かったのは特徴的だ。

だが、その「五右衛門側」のストーリーと「ルパン側」のストーリーが
別々のストーリーを見ているかのような印象が強く、後半交わり合っても違和感しか無い。
五右衛門側のストーリーを描かずに、ルパン側のストーリーだけを集中して描けば
もっとメインヒロインや敵キャラを印象づける展開にも出来たかもしれないが、
「五右衛門側」と「ルパン側」のストーリーや世界観がちぐはぐになってしまっていた

全体的にみて酷い作品だった。
浅すぎるストーリー、テンプレート的で印象に残らないキャラクター、
ギャグの多すぎる内容、迫力のないアクションシーンといいところが無い
本作品で褒めるべき箇所を探すほうが難しい

1番致命的だったのはキャラの印象付けだろう。
名前だけしか出てこない「テオじいさん」など特にそれが顕著だ、
彼が最初のシーンでルパンと少し絡んでから殺されれば、
その後に彼の名前が出まくっても問題ないが、
特に印象のない爺さんの名前を何度も出されても見ている側には何も伝わらない

これだけキャラの印象付けが薄いのに、
五右衛門側とルパン側で別々のストーリーとキャラクターを描写しているため
余計にキャラの印象もストーリーも薄くなってしまっている。
キャラクターも正直出しすぎだろう。

本当にコレがプロの仕事なのだろうか?
新声優にかわって声優さんたちが頑張っていても、
肝心の内容がこれだけつまらないと、その頑張りも虚しく感じてしまう。

制作側の「面白い作品」を作ろう、
「ルパン三世」という名前に恥じない作品を作ろうという気迫を感じない。
適当に作りましたと言わんばかりの内容だ。
「ルパン三世」という名前があるからこそ、ギリギリ作品として成り立っていた

本当に残念な作品だった。
前作は賛否両論だが、新声優お披露目の作品として悪い作品ではなかったのに
今作は本当に酷い。

来年もテレビスペシャルはあるのだろうか?
1年に1回、放映されているルパンだが、
もうこの調子で作り続けるなら更に酷い作品しか生まれないだろう。

リアルタイムでわざわざ見たが、本当に残念な作品だった・・・
来年こそ「面白い作品」が作られることを切に願いたい。
無理だろうが・・・(苦笑)

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