すっかりと気温が下がって冬の訪れを感じた10月、
皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか、
どうもみなさん、笠希々です。
毎月恒例の振り返り記事になります。
10月
10月は個人的になんかうまく回らない月でした。
仕事もそうですが、レビューも思ったようなペースでやれず、
月末には色々と回りで出したことでペースが戻ったんですが、
なんかこううまくエンジンがかからずに終わってしまった感じがあります。
意図的に外で仕事をする機会を増やしてみたりもしたのですが、
そういうチート行為をしてようやく回った感もありました。
月末に近づくにつれてそういった感じもなくなり、
新しいキーボードにしたことでテンションも上がり、
レビューも仕事も一気に進みました。
月末にかけての追い込みが凄まじく、
結果的に10月はアニメレビュー14本、実写化作品レビュー1本を投稿してました。
アニメコラムも1本、案件の動画も1本やってるので、
なんだかんだ結構動いてた感じがあります。
自分で先月の振り返り記事を読んでみたんですが、
先月もうまく回らなかったって言ってますね、
11月こそは回る月で行きたいところです。
そんなわけで10月に見たアニメ&実写作品の個人的ランキングです。
15位 勇者パーティーを追放された白魔導師、Sランク冒険者に拾われる ~この白魔導師が規格外すぎる~

びっくりするくらい記憶に残ってません。
自分のレビューを見返してようやく断片的に記憶が蘇りましたが、
それほど印象が薄く酷い作品でした。
タイトルにもなってるSランク、このSランクの設定が死んでおり、
なろう系ではよくある設定すらも使いこなせていない、本末転倒です。
作画も死んでいてアニメーションとしての見応えもなく、
かといってストーリーが面白いわけでもキャラが魅力的なわけでもない。
特に主人公はいわゆる無自覚系なのも厄介で、
謙遜する主人公の姿に嫌悪感しか感じませんでした。
内容的にはタイトルでも分かる通り追放系なのですが、
この手のジャンルはもう限界なんでしょうね、
なろう系そのもの、追放系というジャンル自体の衰退、
限界を感じる作品でした。
14位 今際の国のアリス シーズン3

Netflixで配信されてる実写化ドラマ、
シーズン1と2はそれなりに楽しんでみていたのですが、
シーズン3のあまりのひどさにレビュー。
いわゆるデスゲーム系なのですが、シーズン2でゲームをクリアした
主人公がデスゲームに参加した記憶をなくして
ヒロインと結婚して子供まもなく生まれるというときに、
ヒロインはお腹の中の子供と主人公がいるのに
自殺未遂のようなことをします。
この時点で意味がわからないのですが、肝心のゲームが
馬鹿が考えたゲームでしか無く、穴だらけでツッコミどころも多く、
筋肉と運だよりなゲームばかりで、そんなゲームの穴もみぬけない
参加者たちにいらだちを覚えます。
終盤の展開も本当にひどく、原作から完全に逸脱した
オリジナルストーリーであることが如実に伝わる作品でした。
13位 水属性の魔法使い

勇者パーティーを追放された白魔導師もそうでしたが、
なろう系というジャンル自体の限界を感じる作品を
10月は多く見てた印象があります。
この作品もその中の1つで、味がしません。無味無臭です。
主人公はタイトル通り水属性の魔法使いとして
規格外の力を持っているのですが、
町中でいろいろな事件が起きても図書館に引きこもってます(苦笑)
本来は主人公が関わって解決する事件が起きても、
主人公がかかわらずにずっと図書館にいたり、
終盤もお祭りを楽しんでるだけです。
それの何が面白いのかが私には理解できず、
作画も悪ければ、何かが起こりそうで起こらないストーリーは退屈で
味のしないガムでも噛んでいるかのような作品でした。
12位 D.Gray-man HALLOW

10月末に突如としてDグレ2期の話題がSNSであがり、
それをきっかけに再レビューしました。
ただ、この作品の事情ゆえに再レビューではあるのですが、
再視聴ではありません。
1期から約10年の月日を経ての2期でしたが、
声優が全て変更され、更には作画も悪く、
1クールでは俺達の戦いはこれからだで終わります。
原作がまだ完結してない上に、なにかあるわけでもなく、
なぜ、このタイミングでアニメ化したのか、それ自体が謎すぎる作品でした。
制作会社側が描いたイラストがBLチックだったことや、
2話でキャラクターの一人がメロンパンナカラーにされるなど
意味不明な改変をされたことで原作者が激怒、
結果として円盤も発売されず、配信もされてないという
前代未聞なジャンプアニメになってしまいました。
1期は配信されてるのに2期は配信されてない、これも異常といえます。
いつか原作が完結したらリメイクなんてこともあるかもしれませんが、
肝心の原作も一向に完結の気配を見せず、
かつて楽しんだ作品がこんな有り様になっているのは残念なところです。
11位 追放者食堂へようこそ!

この作品もなろう系な作品です。
追放者で料理人である主人公が食堂を開き、
そんな食堂にわけありな追放者たちが多く現れます。
序盤はテンプレで、中盤でメインキャラの掘り下げと日常を描き、
終盤は主人公を追放したパーティーのリーダーとのストーリーが描かれます。
特に新鮮味のようなものはなく、料理を題材としておきながら、
でてくる料理の7割位は炒飯というこだわりのなさ。
そもそもの世界観の設定も甘く、
なにがしたいのかがよくわからない作品になっていました。
キャラデザだけは可愛いのでそこを楽しみたくなるのですが、
肝心のキャラ原案を担当していたイラストレーターが
アニメ放送前に未成年との淫行がバレて引退するという事件が起きました。
アニメ自体の話題よりもそちらのほうが話題性があり、
アニメ自体はひっそりと終わってしまった印象です。
10位 気絶勇者と暗殺姫

なろう系っぽい雰囲気がありますが、こちらの原作は漫画。
最強だけど人見知りで女性に耐性がない勇者と、
そんな勇者を狙う3人のヒロイン。
この設定、いわゆる出落ちでしかなく、序盤の段階で
すでにテンプレからのマンネリが生まれており、
中盤以降は惰性で見続けてしまう感覚がありました。
ただ、それでも見るのを辞めるのにはいたらず、
ダラダラとしつつもみてしまう魅力はどこか感じる部分があり、
どことなく90年代のラノベアニメっぽさも感じました。
ただ、あくまで「ぽさ」だけで、90年代のラノベアニメのような
魅力が生まれる前に1クール終わってしまいました
9位 怪獣8号 第二期

怪獣8号の原作はすでに終わっており、
中盤以降の展開は賛否両論になり、終盤になると
批判的な意見も多かった作品でした。
私も原作を読みましたが、その意見にも納得してしまうほど
話が進めば進むほど微妙になっていく作品です。
アニメの1期はそこそこ話題になったものの、
2期はほとんど話題になりませんでしたが、
この2期、1話から制作陣がアニオリ展開をぶち込みまくってます。
原作では描かれなかった部分、掘り下げが甘かった部分などを
アニメでは盛りに盛りまくっており、だからこそ不思議と1期よりも楽しめます。
原作改変というほどストーリーの部分には踏み込んでいないため、
どうしても欠点である盛り上がらなさ、主人公やボスキャラの魅力の無さは
感じるのですが、アニオリによる怪獣8号補完計画のおかげで、
怪獣8号という作品のポテンシャルが更に引き出されている印象です。
残念ながら3期のお知らせはありませんでしたが、
もし3期があったら原作改変という禁忌に足を踏み込むのか…
気になるところです。
8位 夢中さ、きみに。

「カラオケ行こ!」とともに短編でアニメ化された本作品。
和山まやさんの商業誌デビュー作でもあり、
和山まやさんのテイスト、作家性のようなものを感じる作品でもありました。
不思議な男である林、そんな男に男も女も魅了されていく。
それは恋心とは違った何か、友情だったり、友情のようななにかだったり。
作中のキャラだけでなくみている私達も林に自然と魅了されていく、
そんな不思議な世界観、恋愛感情が生まれる一歩手前の
人間関係によって不思議な感覚に包まれる作品でした。
ただ短編であるがゆえにサクッと終わってしまうのがあまりにももったいなく、
かといって原作も同じように短いゆえに
続きが見れるわけでもないのは消化不良感が生まれてしまう作品であり、
カラオケ行こ!と比べると荒削りに感じる作品でもありました。
7位 ゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイス

2期から4年を経ての映画作品でした。
ただ4年という月日は短いようで長い、
かつての覇権アニメの映画化もあまり盛り上がっている感じはありません。
内容もかなり攻めた部分があり、佐賀にUFOが飛来するという展開から、
そんなUFOで攻めてきたエイリアンと佐賀の住民として
フランシュシュがガチで戦います(笑)
終盤の戦闘シーンはゾンビランドサガらしい荒唐無稽なノリで
フランシュシュたちが戦う様は見ていて楽しく、
そこからのラストライブは思わず涙腺を刺激されるほどでした。
ただ、序盤から中盤までのテンポの悪さは厳しい部分があり、
120分という尺を持て余しぎみで、
4年まったのに明かされる謎はほとんどなく、
かといって3期が決まったわけでもないというのは
もやもやしてしまうポイントでもありました。
6位 ホウセンカ

制作会社さんから直々にオンライン試写会へと招待いただきました。
おそらく、制作会社さんもこの作品の「地味さ」という部分を
ご自覚なさってのことでしょう。
この作品、一言で言えば逆張りです。
鬼滅の刃やチェンソーマン、ド派手なアニメ映画が流行る中で、
この作品は淡々と粛々とヤクザの男の人生を描いています。
まるで昭和の邦画のような渋さ、幸福の黄色いハンカチでも
やりそうな雰囲気とストーリーでは有るのですが、
そこに「喋るホウセンカ」というファンタジーな要素がアニメらしさを際立たせます。
世間のはやりとは真逆を行く、それは逆張りでもあり、挑戦でもあります。
刺さる人と刺さらない人できっぱりと別れる作品ではありますが、
年齢を積み重ねれば重ねるほどこの作品は染み渡る名作へと
なり得る作品でした。
5位 Turkey!

今年はオリジナルアニメが非常に多く、
色々な制作会社や監督が「挑戦」しているのを感じられて
1アニメオタクとして嬉しく感じています。
そんな今年のオリジナルアニメの中で、
この作品は一言「狂気」に満ちた作品でした。
主人公たちはボウリング部に所属しており、
そんなボウリング部の日常を描くのかと思いきや、
戦国時代にタイムスリップします(笑)
それだけならまだいいのですが、事あるごとにボウリング要素を
強引にねじ込んでくるアグレッシブすぎる作品で
それが狂気じみたストーリー展開になっていました。
面白いとは素直には言えないのですが、ボウリング要素のねじ込み具合に
くやしいかな笑ってしまう瞬間も多く、楽しい作品であったことは間違いありません。
好みは別れる作品ですが、血と汗と涙と狂気に満ちた
ボウリングアニメをぜひご覧いただきたい。
4位 オーバーロード

映画を見たついでの1期の再レビューでした。
今から約10年前に放送された1期、
今のようになろう系作品に溢れる前の作品でしたが、
当時でも斬新な作品でした。
異世界に転移&転生する作品は数あれど、
自分がやっていたゲームのキャラのまま、NPCとともに、
ゲームの世界とは違う異世界にいくという導入の斬新さは素晴らしく、
演ずることを求められる主人公が悪を演じ、
覇道を突き進む姿には爽快感がありました。
主人公たちは最強、絶対的な強者ではあるものの、
そんな強者すら覆すアイテムの存在があることで、
物語にも緊張感が生まれ、
今もなお続く人気作品になったのも納得の作品でした。
3位 音楽

ひゃくえむ。を見た流れで岩井澤監督の初長編作も視聴しました。
7年の月日をかけて4万枚の作画とともに作られた本作品は
鮮烈な魅力がありました。
決してセリフ量が多いわけではありません。
主人公の感情もなかなか見えず、急にパクったベースで
バンド活動を始めたかとおもえば飽きたり、
そうかと思えばリコーダーでライブに参加し、
最後は叫ぶように歌う。
あまりにもぶっ飛んだストーリー展開は予想ができず、
ロトスコープによるアニメーションがライブシーンを盛り上げ、
唯一無二の雰囲気、アニメを作り上げている作品でした。
作家性というものを如実に感じられ、1度は観てほしい作品です。
2位 チ。 ―地球の運動について―

地動説。私達が認識している世界の常識、
そんな常識も過去には「異端」であると断じられていた時代がありました。
そんな時代を描いたのが本作品、架空の国の架空の人物たちが
自らの命をかけて紡ぐ知識の物語でもありました。
序盤で12歳の少年が自ら命を立つ衝撃、
文字すら読めなかったものが少年の研究を受け継ぎ、
仲間とともに地動説をときあかすものの、
そんな研究は異端とみなされ失われることを繰り返します。
それでも彼らの意思は受け継がれ、最後には
私達の世界とリンクする、虚構と現実、この曖昧なものが
交わる終盤の展開は見事であり、
「集合知」というものを描いた大河ドラマのような作品でした。
アニメーションとしては地味かつ、暗いシーンが多いのが
欠点では有るのですが、思わず最終話まで一気に見てしまう
魔力のある作品でもありました。
1位 ひゃくえむ。

素晴らしい名作でした。
ひゃくえむ、100Mの世界、そこで1番になれば天下を取れる。
たった10秒でケリがつく勝負、そんな世界に魅入られた
「天才」達とかつて「天才」だった者たちの物語でした。
主人公は神童と呼ばれる少年でした、
しかし、それは子供の時だけ。
成長すれば彼は天才ではなく、神童でもなくなり、
それでも過去の栄光にしがみつき、彼は走る世界から逃れられない。
それはまるで呪のようにのしかかり、
ライバルと肩を並べて走る一瞬のために人生のすべてを捧ぐ
主人公の姿、かつて天才だったものの物語が刺さりまくる作品でした。
原作からあえてモノローグを極力排除した原作改変などを行っており、
そのあたりは賛否が別れるところなのですが、
あえて原作での表現を変えたからこその魅力があり、
ロトスコープによるアニメーションも息を呑むものになっています。
映画館で見るべき作品というのは意外と少ないのですが、
この作品は間違いなく映画館で見るべき作品でした。
最低で最高な原作改変アニメたち
10月はDgraymanという作者が激怒した原作改変アニメを見つつ、
原作のモノローグを排除したからこその映画としての面白さを生み出した
ひゃくえむ。も見るという面白い月でした。
1つ1つの作品が重く、がっつり目な作品を多く見ていた印象もあります。
「チ。」も久しぶりに2クールのアニメを見ましたが、
若い頃よりも集中力や体力がないことを感じてしまうのは悲しいところですが、
その変化も受け入れつつ、同時に変化にも抗いながら
11月もやっていこうと思います。
そんなわけで11月もよろしくお願いいたします。
