ヨルムンガンド

評価/★★★★★(85点)


ヨルムンガンド 1 〈初回限定版〉 [Blu-ray]

制作/WHITE FOX
監督/元永慶太郎
声優/伊藤静,田村睦心,石塚運昇ほか


あらすじ
僕は、武器商人と旅をした。
両親を戦争で失い、武器に関する一切を憎む主人公の元少年兵ヨナは、神の悪戯か、若き武器商人の女性ココ・ヘクマティアルと、その部下である「ヒトクセもフタクセもあるが優秀な」私兵8人と世界各地を旅する事になる。
武器商人としてのビジネスと、そこに群がる敵の排除を重ねていくヨナ達だったが、その裏でココのある「計画」が浮かびあがってくる。




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ワイリーのソリコミの話は鉄板だ、ワイリー、ヤバイw


原作は既に連載終了した漫画作品。
分割2クールで放映された作品だが、
本サイトでは1作品として扱う

基本的なストーリーはサスペンス・アクション。
武器商人である「ココ」、彼女はある日、
武器に関する一切を憎む少年兵であるヨナを雇う。
武器を売る女と武器を憎む少年が出会うところからストーリーは始まる

序盤からアクションシーンが激しいカーチェイスから銃撃戦が描写される、
作品全体として「銃撃戦」や「ヘリからの射撃」など
激しい銃撃戦が描かれることが多く、それに伴い血などの流血表現も多い。
しかしながら、銃などが繊細に描写されているため
そういったミリタリー適用その好きな方はたまらないかもしれない。

特に爆撃シーンなど物凄い迫力だ。
作画に妥協しておらず、このまま劇場スクリーンで移しても問題ないような
「爆撃の迫力と怖さ」を描写しており、演出も効いていた
衛星ミサイルを上げるシーンもあり、テレビで見るのがもったいないと感じるシーンも多い

アクションシーンも印象の残るシーンが多い。
個人的には1クール目の最終話の車での銃撃戦、
私はあんな車での銃撃戦を始めて見た(笑)
車を走らせながら銃を打つというだけのシーンなのだが、
車の方向1つでシーンの面白みがググッと上がっていた。

ストーリー的には「武器商人」の日常だ。
裏の住人である彼らは常に命を狙われ、暗殺者がたえない
そんな中でも屈強な仲間とともに「ココ」は自らの目的のために武器を売る
彼女は決して強くはないが、商取引の腕は素晴らしく
交渉術は見ているだけ心地よさを感じる会話劇を繰り広げる

ストーリーが進めば進むほど人物関係も複雑になっていく
武器商人という立場上、様々な組織とからみ狙われ、恨まれる。
時に殺し屋を送り込まれたり、CIAに付け回されたり、
仲間の中に「スパイ」がいたりと話が進めば進むほど人物も増え、
その人物たちのそれぞの「目的」がストーリーで絡み合う

裏稼業だからこその人間関係は実に面白い。
裏切りと信頼、時間経過による人物たちの心理の変化、
ストーリーが進めば進むほど描かれる登場人物の「過去」。
1クール目では掘り下げ不足な点も多かったが2クールからは
多いキャラクターをしっかりと掘り下げ物語の深みを増していく

そして明かされる「ヨルムンガンド」の正体。
物語の中盤までその言葉は出てこない、だが終盤になり「しれっ」っと出てくる。
武器商人のココが考える強制平和、だが犠牲も伴う。
その犠牲に武器を憎む少年「ヨナ」は反発する。
これが本当に最終話と最終話直前のストーリーで描写される

更にラスト。
ヨルムンガンド計画が発動して物語は終わる。
この計画が発動して本当に平和になるのか、それとも人はまだ武器を使い続けるのか
だが平和になる方法をこの作品はきっちりと提示した。
どこかの主人公と違い「戦うだけの世界は嫌なんだ!」と叫ぶだけではない、
こういう方法で平和になるかもしれないという答えを見ている側に伝えてくれた

全体的に見て素晴らしかった。
序盤こそ作品の魅力がいまいちわかりにくかったが、
話が進めば進むほど魅力的で狂っているキャラクターたちに愛着わき、
そのキャラクターたちの関係や過去、そして迫力満載の戦闘シーン、
2クール目からは本筋であるヨルムンガンドを進め、
最終話も余韻のある形で終わらせた。

本当に珍しいのだが、文句をつけるところが見つからなかった。
後は本当に個人個人の好みの問題になってくるだろう

キャラクターデザインはお世辞にも「可愛い」といえるデザインではなく、
出てくる女性キャラクターはムキムキ巨乳ばかりだ(笑)
男性キャラは渋く描かれてはいるが「かっこいい」とはまた別物だ。
声優さんに関しては、きちんとキャラクターにあった方が演じられており
「熱演」というのはあまりなかったもののきっちりと演じられていた。

ただ1つだけ欠点を言うなら、味方がほとんど死なない。
強すぎる仲間というのはわかるが、1名を除き死ぬこともなく致命傷をおうこともなく
大それた計画の割に仲間の犠牲やトラブルが少なかったのは気になった。

だが、それを除けば1クール目で武器商人の日常を描き、
2クール目からココの目的が始動し、最終話直前で物語が一気に進み、一気に終わる。
全24話、飽きること無くすっきるとみられる作品だ。

個人的にはキャラクターの1人であるワイリーのソリコミの話が
物凄くツボに入ってしまった。
彼のキャラクターはそれまで地味だったのが彼の話を1話やっただけで
私はワイリーというあまり特徴のないキャラが大好きになってしまった。

見る前はキャラの作画の独特さや武器商人という要素があまり想像できなく
1話を見ている段階では★3くらいの評価を予定していたが、
見れば見るほど面白くなり、結果として★5の評価になった。
私自身も結構驚いている(笑)

続編はおそらくはないだろう。
これでストーリーの続きを描いてしまえば完璧に蛇足だ。
しかし、是非映画で見たいなと感じさせる作品だった
武器商人の日常ストーリーを少し省けば前後編の映画で纏まりそうな感じもあり、
激しいアクションシーンは大きなスクリーンで味わいたい、
是非、劇場版待ってます。