琴浦さん

評価/★★★★☆(60点)


TVアニメーション「琴浦さん」その3【特装版】 [Blu-ray]

制作/AIC Classic
監督/太田雅彦
声優/金元寿子,福島潤,花澤香菜ほか


あらすじ
翠ヶ丘高校に転校してきた琴浦春香は、一見、普通の女子高生だが、実は見境なく人の心を読めてしまう能力を持っていたために幼い頃から心を閉ざし暗い日々を過ごしていた。小学校に上がる前までは明るく両親と幸せに暮らしていたが、相手の心が聞こえる度にありのまま答えてしまったことから周囲から忌み嫌われ疎外されるようになり、最愛の家族まで家庭崩壊してしまい両親は離婚へと至ってしまった。




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心をさらけ出す眞鍋さん。


原作は漫画な本作品。
ウェブコミック掲載サイトからのアニメ化という珍しい作品だ

基本的なストーリーはラブコメ。
一見普通の女子高生である琴浦さん、彼女は実は「心が読めてしまう」能力を持っており
幼い頃から様々な問題をおこし、両親には捨てられ、学校も転校を繰り返していた
そんな彼女が転校してきたクラスの隣の席には「眞鍋」という男が座っていた
というところからストーリーが始まる

本作品は序盤から面白い。
1話の10分で「琴浦さん」の過去と彼女が心を閉ざした展開が描かれる
この最初の10分で琴浦さんの状況や性格をきちんと描き彼女に感情移入させる。
この物語で彼女がどう変わるのか、彼女はどんな学校生活を送るのか
そんなストーリーへの期待感を感じさせる。

そんな鬱展開ともいえる10分のあと急激にギャグラブコメ展開になる(笑)
琴浦さんの隣の席の「まなべ」、彼は変態紳士で頭のなかでえろい妄想を繰り広げる
琴浦さんが心を読めることなど全くきにせず、
そんなことよりエロい妄想がばれるのが怖いという何ともイイ意味で軽いキャラだ
彼が琴浦さんに対し「ずっとそばに居てやる」と宣言する事で物語が動き出す。

1話のストーリー構成は完璧といえるだろう。
10分の鬱展開、10分のギャグ展開、10分のラブコメ展開と
1話の中でコロコロと作品の雰囲気が変わるのは面白く、
その後の話でも「コロコロ」変わることは多い。

日常描写、ラブコメ描写、シリアス描写の3つをバランスよく話の中に盛り込み
ストーリーの起伏を作っている。
そのおかげで序盤は特に「毎話最終話」のような盛り上がり方を魅せる。

ただ展開に説得力がない時がある。
特に最初は「琴浦さん」が気に入らずいじめていた「森谷」と仲良くなる展開が厳しい。
彼女は琴浦さんが心を読めることをいいことにかなり酷いことを心のなかで言っており、
嫉妬のあまり「眞鍋」を自分の道場の門下生に襲わせるなど、
明らかに許される行為をしておらず、謝って全て解決という軽さ。

彼女がやったことに対してあまりにもその展開が浅く、
あっさりと仲良くなっているのはビミョウな印象が残ってしまった。

この作品の真を支えてるのは琴浦さんではなく「眞鍋」だろう。
琴浦さんは大きな成長をすることはあまりないが、この「眞鍋」というキャラのお陰で
普通に高校生活をおくれている。
彼は一見エロイだけの男子に見えるが、まっすぐ生きており、イイ意味で馬鹿だ。
馬鹿な彼は愛すべき「主人公」であり、全て抱え込んでしまう「琴浦さん」を助ける。
彼が居なければこの作品の面白みは減ってしまう。

だが、彼があまりでなくなってしまう「通り魔事件」が起きてからは、クォリティが下がる。
序盤こそ「心が読めてしまう琴浦さん」と「まっすぐな眞鍋」のストーリーは面白く
毎回最終話のような盛り上がりを見せるのだが、
「通り魔事件」はこの作品の世界観に合わない。
話の流れから犯人探しをするのだが、それに反対する「眞鍋」。
そのせいで「眞鍋」の出番が減ってしまい作品のおもしろみが下がってしまった。

通り魔事件の犯人も「私が犯人です!」と主張しまくっているキャラがおり、
この通り魔事件の話も長い。
毎話最終話だった序盤から中盤までに比べると、
終盤の通り魔事件のストーリーは作品の世界観にも合わず、話も長い。

この「通り魔事件」のストーリーは必要だったのだろうか???
琴浦さん関連のストーリーだけで未消化なストーリーも多く、
確かに「超能力」で「事件を解決」というストーリーは
登場人物の1人の伏線を回収するために必要なのはわかるが
それまで「面白く感じていた琴浦さん」の世界を崩してまでする必要はなかったはずだ

全体的に見て1話が最高潮に面白く徐々に右肩下がりな作品だ。
確かに序盤から中盤までは面白い。
心が読めてしまう「琴浦さん」に対し「眞鍋」というキャラがまっすぐに向かう
まっすぐな彼に対し琴浦さんは徐々に惹かれて行くという展開は良く、
眞鍋にも「琴浦さん」にも愛着のわくキャラクターとして描写されている。

面白いポイントも多いのだが、それに対して悪いポイントも目立つ。
芯となるものはよくできているのだが、その心の削り方が荒く
先端に行くに連れてそのあらが目立ってしまったという印象だ。

しかし、最終話は1話の面白さが戻っている。
母親との和解は若干急展開な感じはあったものの、
「琴浦さんが表面上の心しか読めない」という設定を最後に明かしたことで
母親の本心や、眞鍋が「琴浦さん」が心を読めることを知っていたからこそ
気持ちを言葉にしていなかったという展開、そして告白と
すっきりと物語を締めてくれたのは好感的だった。

この眞鍋というキャラは最近まれに見るほどの良いキャラクターだ。
変に気持ちを濁すことも勘違いさせることもない。
まっすぐに心のままに生きている好感の持てるキャラクターだった。
彼が居たからこそ琴浦さんもこの作品も救われていた。

物語を締めるために「通り魔事件」を描き、サブキャラの伏線も消化し
最後には作品全体をまとめる展開で終わったと考えると
面白みは薄かったが「通り魔事件」のストーリーも話をまとめるためと考えれば、
1クールで非常にまとまった作品だったといえる。
変に何か伏線や続編を匂わす展開もなく、物語を綺麗に完結させていたのは好感触だ

2期はあるのだろうか???
ストーリー的に綺麗にまとめている上に恋愛も決着がついてしまったため
コレ異常ストーリーを続けると蛇足な感じも強い。
1クールできっちりとまとまった作品は最近少ないので
最終話で思わず評価を★1つ分上げることができただけに
2期があると★1つ下げることになりそうだ・・・。

ただ原作はまだ続いているようで新キャラもいるらしい。
そうなると続編の可能性もありそうだが・・・
個人的には本筋んストーリーは終わった感じが強いのでOVAなどで
琴浦さん達の日常が見れるくらいの続編のほうがいいかもしれないと感じている。

しかし、肝心の売上が1500枚前後とかなり厳しいため
続編は厳しそうだ・・・

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