ガールズ&パンツァー

2016年6月29日

評価/★★★★★(89点)


ガールズ&パンツァー (初回限定生産) 1 [Blu-ray]

制作/アクタス
監督/水島努
声優/渕上舞,茅野愛衣,尾崎真実ほか


あらすじ
大洗女子学園に通う女子高生の西住みほは、過去のトラウマを理由として戦車道の存在しない大洗女子学園へ転校してきたが、引っ込み思案な性格から未だ友達が居らず寂しい毎日を過ごしていた。しかしある日、みほに興味を持っていたクラスメイトの武部沙織と五十鈴華に話しかけられ、共にお昼を過ごして以来友達となる。2

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ご趣味は? お花とお茶と戦車を少々。


本作品は「水島努」監督によるアニメオリジナル作品。
制作スケジュールが遅れに遅れ、2012年秋アニメだったが
最終話が放映されたのは2013年3月の終わりだった。

始まって早々絵的な迫力にやられる。
様々な色にカラーリングされた戦車とともに主観で戦車の走行シーンが流れる。
土煙を上げながら走る繊細に描写されたリアルな戦車、
女子高生たちが戦車に乗っているのかなどの説明を省いた状態ではじまる。
なぜ彼女たちは戦車に乗るのか、何のために戦っているのかと
物語の期待感を存分に高める。

ストーリー的には「スポーツもの」に近いノリがある。
女性が戦車に乗るのはこの世界では当然で、それは暴力的なものと言うよりも
お茶やお花と同じような感覚で「戦車道」というものが存在しており、
力強くたくましい女性は男性にモテるとまで言われている。
感覚としては「なぎなた」を習っている女性と同じような感じだ。
あくまで女性用の武道のような感覚として扱われている

故に戦車は出ても「殺し合い」は行われない。
試合という形式で相手の戦車を動けなくさせるというルールはあるものの
血が流れるということはなく、あくまでも試合で戦車道の大会に出るのが目的だ
ミリタリーではあるものの「血なまぐさい」要素が一切ないというのはかなり新鮮だ。

更に世界観の設定も面白い。
学校が全て海の上の戦艦上の街にあったり、
戦車の試合が普通に「町中」で行われたりと、この世界では当たり前だが
普通に考えれば異常な設定がさりげなく、どんどんと出てくるため
毎話新鮮味がある。

作画に関していえば、前述した戦車の細かい描写は群を抜いている。
特に試合シーンでの戦車の「主観」映像はこういうゲームがあってもおかしくないほど
細かい描写とリアルなシーンになっており、
商店街の町並みをかけながら戦車で戦車を追いかけ回すシーンなど
見ていて楽しくて仕方ない。

ストーリー自体も戦車道を復活した高校で
戦車の乗り方も知らない少女たちが唯一、戦車の経験者である主人公「西住」が
引っ張っていき強豪チームとの戦いに何とか勝っていく。
技術もない、戦車の数も少ない無名校のチームが作戦を立てつつ
強豪校に挑むさまは「スポーツアニメ」的な面白さも秘めている。

ストーリーのテンポも良い。
が、その反面、もっとじっくりと見たい所もポンポンと進んでおり
かなり多いキャラクターの描写が弱い部分もある。
中心に居る5人のキャラクターはしっかりと描写されているのだが、
他のチームメイトの描写は弱く、キャラ設定だけのキャラになってしまっており
もう少し彼女たちを掘り下げるストーリーが欲しかったと感じてしまったところだ。

だが、これは1クールという短さを考えれば仕方ないとも言える。
戦車道がなかった高校が全国大会に出て、その結末まで描く。
というストーリーを1クールで描いているため、
それなりの試合数を描かねばならず、その分多いキャラクターを捌ききれなかった印象だ。
ただ、最後のほうでだいぶ掘り下げこそ甘いもの
チームメイトのキャラクターにも愛着が湧く展開になっているのは
戦車同士の試合運びの面白さのおかげだろう。

主人公たちの高校は戦車道を長い間やっておらず、古びた戦車しか残っていない
他の高校は物量、質ともに良い戦車が揃っており、圧倒的不利な状況で毎回試合は始まる
そんな中、主人公たちは様々な作戦で試合を勝利に導く
時にはずる賢い作戦や、無茶苦茶な作戦はあるものの、
予想できない試合運びは見ていて面白く戦車同士の戦いの面白さを感じることができる。

そんな試合、物語の最終局面。
主人公たちはそれまで様々な作戦で切り抜けてきた。
だが敢えて最終局面は1VS1の純粋な戦車と戦車の戦いだ。
作戦ではなく「駆け引き」で最後の決着を付ける戦いは熱かった。
戦闘シーンの迫力も凄まじく、戦車でドリフト決めながら打つ様子は
もう1度見直してしまうほど素晴らしいシーンだった。

全体的に見て萌えと燃え、美少女と戦車が素晴らしく噛みあった作品だった。
ストーリー自体はスポーツものとして見ればストレートな内容だ
だが、世界観と設定の面白さ、素晴らしい作画と戦闘シーンが
「王道の面白さ」を感じられる作品だ。
最近の作品でここまで「熱さ」を感じれるのはなかなか無い。

あえて欠点を言うならば尺の関係で掘り下げの甘いキャラが若干居ることだろう。
コレに関して言えば2期に期待という感じだろう。
さらに言えば制作スケジュールのありえない遅れ方だ(苦笑)

1クールの予定だった作品が「総集編2回」が追加され全14話となっている。
2012年秋アニメで、実質最終話が放映されたのは2013年冬アニメの終わりw
あの作画のレベルからすればしょうがないとも言えるが、遅れすぎだ(笑)

ただ遅れたからこそ最終話の素晴らしい戦闘シーンがあった。
あえてDVDやBDでの修正で妥協せず、しっかりとテレビ視聴者に
完成された作品を楽しませてくれた「水島監督」はアニメ制作者として素晴らしい。
その結果、ビジネスとしても本作品は成功している。

個人的には最後まで「面白さ」が持続した作品は久しぶりだった。
しっかりと「アニメーション」を楽しめる「アニメ」になっている作品だ
そして最近のアニメらしく可愛らしい女の子も味わえる。

まだ2期がある!という確定情報はないが、ぜひ2期が見たい。
ストーリー的に1期でしっかりと締めているが、
「世界大会」を描く2期も期待できる終わり方になっている。
是非、続編を期待したい作品だ。
1クール・・・いや、2クールでガッツリと「ガルパン」の世界をもう1度楽しみたい

2期の制作、期待してます。