ささみさん@がんばらない

評価/★★★★☆(60点)


ささみさん@がんばらない 6(完全生産限定版) [Blu-ray]

制作/シャフト
監督/新房昭之
声優/阿澄佳奈,大塚芳忠,斎藤千和ほか


あらすじ
引きこもりの「ささみさん」と奴隷体質の「お兄ちゃん」のささやかな生活に降りかかる、八百万の神々による怪奇現象。そして、個性あふれる「邪神三姉妹」とのありえないラブコメ。そんな日常系として描かれる非日常の物語。




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俺達のシャフトが帰ってきた、これぞシャフトだ。


原作はライトノベルな本作品
原作者は狂乱家族日記などで有名な日日日による作品
アニメ制作はシャフト。

基本的なストーリーは非日常系日常物語といえばわかりやすいかもしれない。
主人公である「ささみさん」は重度の引きこもり女子高生、
兄に世話してもらいながら頑張らない生活を続けている。
しかし、そんな彼女には実は秘密があった
というところからストーリー始まる

見だして感じるのはシャフトらしい癖のある背景演出。
パステル調のような加工が背景にされており、
そこにキャラクターの霞んだ作画が描かれる。
開始直後から他にアニメでは味わえない「独特なシャフト」の世界観を味わう事ができる

更にキャラクター設定。
1話からもうぶっ飛びすぎたキャラクター設定の数々が何の説明もなく描写される
主人公である「ささみさん」は重度の引きこもりでめんどくさがり。
食事も体を洗ってもらうのも「兄」に依存しており、兄が大好きなあまり
兄を監視するツールを使って兄の日常を覗きこんでいる。
演じてらっしゃる阿澄佳奈さんの演技もあり、非常にダメ可愛い(笑)

1話から続々と出る癖のあるキャラクターの数々はシャフト演出だからこそ許される。
兄は常に何故か顔を隠していたり、川から美少女がカエルのごとく飛び出てきたり、
職員室で教師がエロゲーをしていたりと、アニメだからこそ許されるような
癖のあるキャラクターが続々と登場する。

そしてストーリー、これも意味不明に近い(苦笑)
1話の前半は引きこもりの「ささみさん」の日常と彼女が監視する兄の日常を
描いているのだが、中盤から唐突にチョコレートが世界を襲うw
今まで登場した美少女キャラが不思議な力を使ったり、ミサイルを出したり、
刀で戦ったりと、もはや誰か説明してくださいと言わんばかりの超展開だ。
1話は主人公である「ささみさん」が全身「チョコレートまみれ」になって終わるw

このアニメをジャンル分けするのが非常に難しい。
特に1話からはこのアニメが「日常系」なのか「ファンタジー系」なのか
それとも「バトルアニメ」なのか「萌え」なのか。
色々な要素が子供のおもちゃ箱のように詰め込まれている。
このごちゃごちゃ感は人によっては散らかった感じで受け入れがたいが、
好きな人にはこのごちゃごちゃ感はドハマりしてしまう味がある。

その超展開もきちんと2話冒頭であっさりと説明する。
変に引っ張らず、もはや知っていて当然のごとくあっさりとした説明だ。
今までのシャフトのアニメを見てきた猛者ならば、
「コレぐらいの説明で大体理解できるっしょ。お前らレベル高いし」と言われているが如く
コレ以上の説明を求めさせない、コレ以上の説明をする気もない。
冒頭2分の説明で1話の超展開とこの作品の世界観を納得させる
シャフトならではの強引さだ。

私はこの作品はある種、今までのシャフトの作品を統合したような作品に感じる。
ひだまりスケッチやさよなら絶望先生で築いてきたキャラクターを写すカメラワーク、
化物語や魔法少女まどか☆マギカで描いてきた大胆な動きのバトルシーン、
そして今までシャフトが扱ってきた「独特な世界観」が基本のストーリー、
癖のあるキャラクターたち。

一歩間違えば意味の分からないまま終わってしまう内容だ。
恐らく別のアニメ制作会社が作れば、この作品はただの散らかった子供部屋だ。
しかし、シャフトが作る事によって散らかった子供部屋を「おもちゃ箱」にまとめている。

更に言えば、シャフト特有の「紙芝居」と声優さんがマッチしている。
シャフト制作のアニメといえば動かず会話が続くというパターンが多い、
止まっている間は特異な演出で画面を飽きさせずに会話をしているのがシャフトだが、
今作では止め絵と動かす絵でメリハリを付けており、
止まっているときはひたすら動かず、動く時は無駄に感じるほど動きまくる。

そして止まっている間は「声優の演技」が光る。
阿澄佳奈、花澤香菜、野中藍etc…と今までのシャフトアニメに出た声優さんたちが
動かない絵の時にしっかりと演技をし、セリフを視聴者に聴きこませる。
大塚芳忠さんの拍子抜けするほど軽い演技は実にこの世界に合っていた

私はここまで、1話のストーリー意外ほとんどストーリーについて記述していない。
それは、この作品をあまり予備知識を入れずに見てほしいという気持ちがあるからだ
何も知らずに引きこもりの少女とチョコレートまみれになる世界と戦う少女たち。
ごちゃ混ぜのファミレスのドリンクバーのジュースのような味を、
ごちゃまぜになっていることすら知らずに味わってほしい。

あえて、見たことがない人に興味を引くような説明をするならば
この作品は「世界を改変できること知っている涼宮ハルヒ」を題材にした作品だ。
もちろん涼宮ハルヒの憂鬱とは全く違った内容ではあるのだが
この1文とシャフトという制作会社が好きならば、この作品は間違い無く楽しめる。

全体的にみて原作がある作品ではあるが見事にシャフト色に染め上げている。
序盤は滅茶苦茶ハチャメチャ、シャフトらしい子供のおもちゃ箱、
中盤は原作に沿ったシリアスストーリーを展開し、終盤は萌えとエロと百合に徹する(笑)

ただ、同時にシャフトの悪い部分も出ている。
癖のある演出、癖のあるキャクター、説明不足なストーリー、
好みの分かれる作品になっており、ひどく賛否両論の別れる作品だ
更に言えば終盤はおもちゃ箱をひっくり返したようにストーリーが散らかってしまい
序盤から中盤までの面白さが薄れてしまった印象がある。

2期があれば終盤の消化不良な部分も消化できるのだろうが、
この作品はあまり売れていない(苦笑)
キャラクターの可愛さや萌えシーンもあり、
声優さんも人気な方なため売れる条件は整っていたのだが、
反面、ストーリーの説明不足感や散らかった印象が売れ行きには繋がらなかったようだ

売れ行きを考えるとあまり望め無いが、2期があれば期待したい。
序盤から中盤まではシャフト臭が強い作品なだけに、
2期がアレば更に暴走して欲しいと感じるほどシャフトが料理しやすい作品だ
シャフトが好きならば楽しめる、シャフトが嫌いならば楽しめない。
これほどシャフト臭の強い作品は久しぶりだ。
冒頭にも書いたが「ああ、コレがシャフトだよね」と感じる作品だ

個人的には原作を読んでもアニメと同じように楽しめるという感じが私個人にはない。
恐らく、原作は原作で面白いのは分かるのだが、
原作の魅力が伝わるというよりもシャフトの癖を楽しむ作品に仕上がっていた。
それだけに原作を尊重しなければならない部分が邪魔に感じることも個人的にはあった
あくまで個人的に。

アニメはアニメ、原作は原作で楽しみ方の方向性が違うと感じる。
だからこそ原作が気になる作品ではある。
同じような楽しみ方はできないだろうが、原作の部分がアニメでどう描写されたのか
アニメで描写された部分が原作ではどうなっているのか。
比較しながらもう1度楽しんで見たい。
そんな魅力も感じる作品だ。

ささみさんが頑張ったり、頑張らなかったり。
頑張りすぎた人が居たり頑張るのをやめた人が居たり。
そんな色々な「頑張り」を描いた作品が「ささみさん@がんばらない」だ。
頑張りすぎている貴方、頑張らないささみさんをぜひご覧ください。

追記,EDは毎回はちゃめちゃな為きっちりとEDまで見る事をおすすめします(笑)

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