桜Trick

評価/★★★★☆(66点)

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毎話キスしまくりなアニメ(笑)でも・・・?

原作は「まんがタイムきららミラク」で連載中の4コマ漫画作品。
監督はひだまりスケッチの演出でお馴染みの石倉賢一氏、
制作はスタジオディーン。

基本的なストーリーは日常青春ものといえばいいだろうか。
美里西高校に入学した高山春香と園田優、
二人は親友同士で仲の良い二人組だった。
そんな二人が高校に入学して早々、春香は優が他の娘と仲良くしているのを見て嫉妬してしまう。
そんな彼女をなだめるべく優は「他の子たちとは絶対にしないことをしよう」と
二人だけの特別なことしようとする、特別なこととはキスだった
というところからストーリーが始まる

見だして感じるのは「あ、ひだまりスケッチ」っぽいというところだろう。
監督さんがひだまりスケッチシリーズの演出・絵コンテをサれている方ということもあり、
顔やパーツのアップや「電話の着信」の演出など、
所々でひだまりスケッチと似たような独特な演出が見られる。
ただ、ひだまりスケッチの初期の頃のような癖がありすぎる演出ではなく、見やすい。
キャラクターの可愛さをより引出すような演出になっており、
似ているとは感じるが弊害にはならない。

しかしながら原作が4コマというのが非常に分かりやすい、細切れのネタ感だ。
1ネタ1ネタ、起承転結がすっきりしているのはいいのだが
1話30分というストーリー構成というよりも、
1話5分のネタを4,5本つなげてストーリーにしている感じが強く、
1ネタ1ネタで区切られているような感覚になる

だが逆にネタが区切られていることで「見やすさ」と「テンポ」を生んでおり、
ポンポンポンポンと高校を舞台にした日常「百合」ストーリーが展開していく。
この百合の部分が簡潔に言ってしまえば・・・キスだ(笑)
可愛らしいい女の子たちが唐突にキス、キス、キス、チュッチュッチュッ・・・
女の子同士がキスをするキッカケもかなり「強引」ではあるのだが、
その強引さがギャグにもなっており面白い。

いわゆるガチガチな「百合」とは少しテイストが違うような気もするが、
「ゆるゆり」のようなゆるい「百合描写」ともまた違う。
ガチがちな百合とゆるい百合の間にいるような百合描写であり、
悪く言えば「百合」というジャンルが嫌いな方には楽しめない。
ギャグテイストも強いものの、自分が本当に「百合」というジャンルが
好きか嫌いかかどうかを確かめられるような絶妙な百合度合いだ。

その絶妙な百合具合は見事な「ギャグ」にもなっている
ヒロインである春香は本当にスキあらば友達の優に対してキスをしており、
「え?この状況で?」「今かよw」と見ている側が突っ込んでしまうようなタイミングでキスをかます。
優に対しての愛情というか恋愛感情の昂ぶりが凄まじく、
テンション高く優に対して迫る姿がギャグにもなっており、
同時にキャラクターの「可愛さ」にもつながっている。

キャラクターが可愛いからこそ「百合」という設定も受け入れやすい。
キスしあったり抱き合ったり、絡み合ったりと
明るく可愛らしいキャラクターデザインでキスしまくりだが、
その明るく可愛らしい描写が「百合」という設定も受け入れやすくしており、
その設定を活かしたキャラクターの可愛さの描写にも繋がっている

更にキャラクターの動きとカメラアングルのエロさ。
何気ない動きの中での「胸揺れ」は自然な描写で、
1ネタ1ネタ、テンション高くストーリーを展開する中でキャラクターの表情がコロコロと変わり、
キスやセクシーなシーンでは狙った「カメラアングル」が魅せてくれる。
あえて脚をアップにしたり、胸のアップだったりとキャラクターのパーツを映し、
キャラクターの動きをしっかり描写することで、より1シーン1シーンが印象深いものになっている。
(この監督は明らかに足フェチだなと感じるほど脚を映し過ぎな感じはあるがw)

そして、これは個人的に感じただけかもしれないが
「キス」の描写をあえて生々しくしていないのは好感が持てた。
キスのシーンではフレンチなキスだけではなく、ディープなものまでしている。
だが露骨に「舌」や「よだれ」などが極端に描写されるのではなく、
見た目的には抑え気味の百合なキスシーンなのだが、
「声優」さんによる演技でキスシーンのエロさを際立たせている。

話が進み、キャラクターが増えることで話の面白みも増してくる。
メインのキャラクターを7人ほどにしぼり、
それぞれのキャラクターの立ち位置をしっかりすることで
キャラクター同士の会話がしっかりと面白く、ネタでしっかり笑える内容になっている。

そんな日常ネタの中で毎話キスシーンをお約束のように入れる(笑)
毎話毎話どこでどのようにしてキスシーンに持っていくのか、
キスに至るまでの展開や予想外の展開からキスになってしまう展開の数々が非常に面白く、
ギャグでもあり、百合でもあり、萌えでもある。
この「桜Trick」という作品ならではの空気感を面白さをしっかりと味わうことが出来る

ただ、話が進めば進むほど「イチャイチャ」度合いが凄まじくなる(苦笑)
最初は春香のキス好きに対して優が恥ずかしがったりするシーンが多かったが、
中盤以降は優の方もキスに積極的になってきており、
話が進めば進むほどキスシーンが大胆になっていく。
本来はドキドキしたり、緊張感があってもおかしくないキスシーンが
大胆になればなるほど「笑えてくる」というこの作品らしさが生まれている。

ストーリー的にも1話から12話まで・・・キスまくりという印象しかない(笑)
本来、終盤になるとこういったアニメの場合はシリアス展開になる場合が多いが、
この作品に限っては「シリアス」に一瞬なったかと思えば、
その5分後には「キス」してる(苦笑)
1話から最終話までキスしまくりで明るく百合百合なラブコメを展開している作品だ

全体的に見て1話が気に入れば最終話まで見ることの出来る作品だ。
逆に1話で嫌悪感を抱いてしまうとその後の話を見ても印象は変わらないだろう。
しかし、ガチな百合要素のあるアニメでありながら、
その百合要素が重く描写されておらず、明るくむしろコメディとして描かれており
「キスシーン」がまるでギャグのように見え、
1話の中でポンポンとネタを展開していくことで見やすさも生んでいる

更に「百合」要素も確かに笑ってしまうほどのキスシーンの数々でギャグにもなっているのだが、
ストーリーが進む中で徐々にキスの意味合いが変わってくるところも見所だ。
最初は「特別な友人」同士のキスだったのが、徐々に徐々に二人の仲が深まっていき、
「友人」から「恋人」に変わっていく。
本来ならこういったストーリーの中でシリアスな展開や重い展開がありそうなのだが、
そういった要素はほぼ無く、明るく笑える百合ラブコメストーリーの中で
徐々に徐々に二人の関係性を深める展開は好感が持てる。

そして癖がなく可愛らしいキャラクターたち。
メインヒロインの二人の可愛さはイチャイチャが進むに連れて深まっていき、
嫉妬深いヒロインと子供っぽいヒロインの組み合わせが素晴らしく、
この二人のキャラクターだからこそ物語が終始、明るい。

そしてサブキャラクター。
もう1つの百合カップルの描写はメインの百合カップルに比べて抑え気味だが、
抑えているからその「可愛さ」が強まっており、
メインの二人がイチャイチャしてるからこそ、サブの二人の描写がちょうどいい。

更に姉。
このキャラクターは最初に出た時の段階ではそこまで愛着のわくキャラクターには思えない。
しかし話が進むと「百合」要素が強くなっていき、各話のオチ担当のような役割や
終盤での「恋心」の自覚など魅力がどんどん深まっていくキャラクターだ。
特に最終話の彼女の恋の行方は少し切なく、最終話にふさわしい内容だった

非常に好みの分かれる作品ではある。
ギャグ要素にはなっているが百合要素が強く
百合のイチャイチャがどんどんと過激になっていくストーリーなだけに
1話で気に入らなければ話が進んでも同じような印象だろう。
ある意味で「百合」というジャンルを自分が受け入れられるかどうかを
試すことの出来る作品でもある。

1話こそ控えめに人の目を気にしてキスしてる二人だが、
中盤では人がいる中で、終盤では人の目の前だろうとキスしているような作品だ(笑)
だが、1話の二人のキスと最終話の二人のキスは全く違うものだ
1話のキスから最終話のキスの二人の感情の変化を丁寧に描写しつつ、
明るく描き切ってくれた作品でもある、ただキスしているだけの百合アニメでは決して無い。
1話から11話までのキスシーンは思わず笑ってしまうシーンが多いのだが、
最終話のキスシーンだけは不思議と「ほっこり」させられる、素晴らしいストーリー構成だった。

1話から最終話まできちんと芯の通った作品であり、
日常系でありながら百合アニメ、百合アニメでありながら恋愛アニメな作品だ。
百合という要素を受け入れられば見ていただきたい作品の1つだろう。

本来なら2期に期待したいところなのだが・・・売上が芳しくない。
私達の百合はこれからだ!的な感じではあるので、
これはこれで締めているとは言えるのだが・・・2期か、OADなどで続きが見たい所だ。

余談だがこれは私の見方にもよる所も大きいと思うが
1話から最終話まで一気に見ると「キス」で「胸焼け」を起こしそうになった(苦笑)
一期位に見てしまうとちょっともうキスシーンはお腹いっぱいです、
しばらくはキスシーン見なくていいやというような感覚になる作品だw
マンネリとは言わないがキスシーンの連続は食傷気味になってしまうのは致し方ない
キスシーンでこんな感覚になるのはこの作品くらいだろう(苦笑)