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「アルスの巨獣 第一話 はじまりの約束」レビュー

3.0
ファンタジー
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評価 ★★★☆☆(41点)

TVアニメ『アルスの巨獣』第1弾PV│2023年1月6日(金)放送開始!

あらすじ 大いなる獣は大地を作り、作った大地をヒトが盗んだ。獣は怒り、ヒトを喰らい、ヒトは獣と戦うために、カミを呼んだ。それは剣の時代。引用- Wikipedia

進撃のジブリ

本作品は、DMM.comおよび旭プロダクション企画による
TVアニメオリジナル作品。
監督はオグロアキラ、制作は旭プロダクション

ごった煮

1話冒頭からいろいろな作品の「ごった煮」感を感じる。
アルスの巨獣というタイトルの通り、
この作品の世界には人間よりも何倍も大きな「獣」がおり、
そんな獣を退治するものがいる。
この時点で進撃の巨人っぽさが漂っている。

そんな退治する「力」をもつナギモリという存在。
二人一組でパートナーが不思議な存在になり、
そんな不思議な存在の力を宿して戦う。
男女の二人一組で女性側が特別な存在でという設定も、
太古の昔からよくある設定だ。

そんな1話冒頭から一気に30年の月日が流れる。
そもそも設定や世界観をあまり理解しておらず、
冒頭はあまりインパクトのある展開ともいえないのに、
一気に30年の月日が経っても話についていけない感じが生まれており、
バタ臭さを感じるキャラクターデザインを含めてキャッチーさは薄い。

そんな中で一人の少女が砦から食料を盗み出し逃げるところから物語が動く

ジブリ

この作品はどこかジブリ臭がする作品だ。
少女が食べ物を盗むシーンで追いかけ回すキャラクターたちや、
機械やキャラクターたちが着ている服や装飾品など、
どこかジブリっぽさを感じる部分が多い。

制作側もこのあたりは意識しているのだろう。
特に「モブ兵士」の描写はどこかでみたことのある雰囲気を醸し出しており、
進撃の巨人っぽい世界をジブリが描いたらというような
ifを感じるような雰囲気にあふれている。

キャラクターたちは民間人でさえ「二つ名」のようなものをもっており、
少女がぶつかった親切なおばさんでさえ
「男勝りのクウミ」という謎の二つ名を持っている(笑)
この世界における名字のようなものなのかもしれないが、
色々と謎だ。

そんな世界で主人公は「死に損ないのジイロ」と呼ばれている。
自堕落でどこかやる気がなく無精ひげをはやした彼は
「巨獣狩り」を生業としている。

1話からドバドバといろいろな立ち位置のキャラクターが出てくるため、
あまり記憶に残らないキャラクターが多く、
世界観や話がなんとなく上滑りして頭に入ってくるような印象だ。

戦闘シーン

世界観的にこの作品は戦闘シーンが多い。
「巨獣」もその名の通り、様々な獣の姿をもしているような多岐にわたり、
そんな巨獣よりも小さな存在である人間がどう立ち向かうのかというのは
アクションシーンでの見せ場にもなる。

ただ、制作の旭プロダクションは最近では
「WAVE!!〜サーフィンやっぺ!!〜」「ピーチボーイリバーサイド」
「ドールズフロントライン」と色々と手掛けているものの、
当サイトでの評価はどれも最悪だ。

戦闘シーン自体のクォリティは「それなり」であり、
進撃の巨人やジブリのようなテイストを感じるものの、
その2作品のような作画のクォリティがあるわけではない。
1話の時点で思わず「おぉ!」と唸るようなアクションは少ない。

いい意味でどこか懐かしい雰囲気を感じさせる。
最近のアニメというよりは00年代の深夜アニメっぽさを感じ、
WOWWOWあたりで放送されていそうな雰囲気にあふれている。
時代が違えばGONZOやプロダクションIgあたりが手掛けていそうな、
硬派な質アニメ感を漂わせている。

契約

唐突に出会った主人公とヒロインは唐突に契約し、巨獣と戦う。
お互いに色々とバックボーンがありそうな感じなのだが、
1話の時点ではなんとなくしか察せない部分もあり、
しかも、1話の時点で二人による戦闘シーンがない。

この作品が1クールか、2クールのアニメかは
いまのところ情報がないものの、
「2クールアニメ」っぽさを感じるような、
やや展開の遅さを感じる1話だ。

1話の段階ではこの作品が面白くなりそうとも、
つまらないともいい切れない、判断材料が少ない感じがあり、
何とも言えない感じになってしまっている作品だ。

総評:良くも悪くもごった煮

全体的にみて1話の時点では色々な作品の影響を強く感じる作品だ。
新鮮味を感じる設定は殆どなく、
どこかでみたことのある設定やキャラクターと世界観を
つなぎ合わせたような作品であり、1話の時点では
この作品だからこその面白さはほぼ感じない。

1話の展開としてもやや遅さを感じる。
この作品が1クールのアニメなのか2クールアニメなのかはわからないが、
1話の引きやキャッチーさ、インパクトと呼べるものはほぼない。
せめて1話で主人公とヒロインの戦闘シーンが描かれていれば違ったかもしれないが、
2話以降でしか描かれないのは残念なところだ。

TVアニメオリジナル作品だからこそ先の展開は一切読めず、
このあとどういう方向性に話が進むのかはわからない。
それゆえの「期待感」はあるものの、
1話の時点での評価はやや微妙になってしまった作品だった。

個人的な感想:うぅーん

去年はリコリスリコイルやアキバ冥途戦争など
1話からキャッチーかつインパクトのあるTVアニメオリジナル作品が
ちょこちょことあった印象だが、
その2作品と比べると色々と弱い感じのある作品だ。

この作品が10年か20年くらい前にあれば
もう少し話題性もあったかもしれないが、
今の時代のアニメのクォリティや求められているものを考えると、
いろいろな部分で物足りなさを感じてしまう。

1話の時点ではわからないことも多く、2話、3話と
話が積み重なることで面白くなってくる可能性はあるかもしれないだけに、
今後の展開に期待したいところだ。

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